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オウンドメディア構築の苦労話とちょっとしたコツ

本記事は  【PM/ディレクターウィーク】  3日目の記事です。
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みなさま、はじめまして。

Webクリエイティブ事業のマネージャー兼クラウドテクニカルセンター広報担当の湊川と申します。

突然ですが、自社のサイトの構築って本当に大変ですよね。
原稿集めから委託先とのやり取り、制作の進行確認など、やることは山のようにあります。
ようやくリリースしても、社内の各所から指摘を受けたりと、なかなかハードなお仕事だと思います。

今日はそんな苦労を重ねた経験のある方に(多くはお客さまだと思いますが) 共感していただきたい苦労話と、自社サイト構築のコツをお届けしたいと思います。


実は当社でも先日、NRIネットコムのクラウド事業をご紹介するサービスサイトを立ち上げました


cloud.nri-net.com

久しぶりのオウンドメディア構築


長年、お客さまのサイトを作ってきましたが、自社のサイトを作るのはかなり久しぶり。
しかも今回私は、<サイトを制作する側>ではなく、<サイト制作を(社内に)発注するお客さま>という立場でこのプロジェクトに携わりました。

それというのも、私は4月に新設された新部署「クラウドテクニカルセンター」の広報担当になったのです。
だから今回は、新部署「クラウドテクニカルセンター」の広報担当として、サイト制作を発注する<お客さま側>の立ち位置で動きました。
はじめて<お客さま側>に立ってみると、見えてくる景色はいつもと全然違うものでした!

そもそも「クラウドテクニカルセンター」とは?


新部署「クラウドテクニカルセンター」は、
当社のクラウド事業をいっそう強化すべく作られた組織で、
メンバーには、クラウド事業を担うエンジニアだけでなく、営業担当や人事担当もいます。
私の役割は「広報」で、当社のクラウド事業の魅力や強みを、お客さまに正しく伝えて、クラウド事業の認知度アップ・存在感アップを目指すことです。
そこでまず取り掛かったのが、当社のサービスサイト立ち上げというわけです。

サイト制作は、いつも一緒にお客さまのサイトを作っているWebディレクターや、Webデザイナー、フロントエンドエンジニアといった仲間に依頼しました。
同じ立場でお客さまのサイトを作ってきたメンバーにとっては、突然私が<お客さま側>になるので、やりづらかったと思います…。(ごめんなさい…。)

さて本題の(?)苦労話です。


オウンドメディア構築にとりかかって、何より大変だったのは、<原稿準備><確認>でした。

経験者の皆さま、いかがでしょう…?
サイトに掲載する原稿や画像の準備を、現場部門に依頼してもなかなか準備してくれない…
作り上げたものを確認してほしいのに、なかなか確認してくれない…
といった経験はありませんか?

わが社でもまさに、そんな事態が多発しました!

原稿は集まらない。というか、そもそもない。


今回新設するWebサイトの目的は、
NRIネットコムのクラウドメンバーの魅力と、クラウド事業のサービス内容を伝えること
そして最終ゴールは、お客さまからお問い合わせをいただくことです。

まず一番難航したのは、その目的に即した原稿を準備することでした。
社内の資料を漁ってみたものの、
残念ながら「NRIネットコムのクラウドメンバーの魅力」がバッチリまとまった資料はありません
書くしかないか…
ありものの原稿調達をあきらめた私は、クラウドテクニカルセンターのメンバーや社内のクラウドエンジニアに、当社のクラウド事業の特徴をヒアリングして、魅力が伝わる原稿を書き起こすことにしました。

しかし…当社のエンジニアたちは皆、そろいもそろって職人肌。このヒアリングは難航を極めます。

奥ゆかしい人々をほじくり返す


話はそれますが、私は前職でライターをしていたことがありまして、300店ぐらいの飲食店などに取材をしました。
その中で一番手ごわいのが和食店。
イタリアンやフレンチのシェフたちが、聞かれる前に自分のお店の魅力を1時間ぐらいしゃべり続けてくれるのに対して、和食店の板前さんの多くは寡黙です。

「繊細なお料理の評判がとても高いですが、なにか気を配っておられることは…?」
「いえ、自分はあたりまえのことをやっているだけですから。」

健さんか!高倉健さんか!!
わからん!それでは記事が書けん!!!

そこで、
「あたりまえってどんなことでしょう」
「食材の仕入れはどのように…?」と微に入り細に入り、気長に<なぜなぜ質問>を繰り返し、ひとつずつ紐解いたうえで、自分なりにそのお店の特徴をまとめて書くことになります。

当社のエンジニアも、職人肌です。ちょっと聞いただけじゃ魅力が全然わからん。
よくよく聞いてみれば、賞を取ったり本を書いたり、短期間でどえらい開発をしてみたり、ちょっとやそっとではできないことがたくさんあるのに、なかなか自分からは「自慢」してはくれません。

まじめなエンジニアが多いので、お客さまの話を親身に聞いて、誠実に対応していることはわかりますが、「誠実に対応します」だけじゃないはず。
慣れない分野の専門用語に苦労しながら、質問していくとようやく、「え、その技術ってすごいことですよね?!」というポイントを発見?しながら魅力を抽出して、原稿を作成しました。

自分の魅力は自分では気づかない


でも…
思い返してみると、私が対応させて頂いたお客さまの中で、
自社の魅力をものすごく理解して、100%サイトで表現されているお客さまなんて、おられませんでした。
謙譲の美徳というのでしょうか、あまりに自慢なさらないので、「それってすごいことですよ!!!」とお伝えして、「え、そうなんですか??」と驚かれることも。
自社の魅力に気付くのって難しいんだなと、改めて痛感しました。

自分のいいところなんて、自分ではわからないもの。
客観的に判断できる第三者に、聞きだして見つけ出してもらうのが、一番の早道なのかもしれません。
これが、「自社サイト制作のコツ その1」です。


さて、苦心惨憺して作成した原稿を制作陣に渡して、制作を進行してもらいます。しかし、訪れるのです。次の山場が。
そう、現場への確認です。


進まない確認・・・


ようやく原稿を作成して、Webページにできたものの、専門家から見て誤りがないか、正確に表現できているかなどは、エンジニアに確認してもらうしかありません。

しかし、ここでまた壁にぶち当たります。
なかなか確認してくれない…。

これ、自社サイトを作られた方ならきっと共感していただけるのではないでしょうか。
誰一人ヒマな者などおらず、しかも皆お客さまの方を向いています。
自社サイトの校閲に時間を割いているヒマなどありません。
背中をたたいて、「ちょっと後ろを見てもらえませんか」と言っても振り向いてもらうことすらできず(確認してもらえず)、思い詰めて背中をどついて「ええ加減に確認せえ!!」ぐらいの勢いで迫ったことも…。

これまで私が<サイト制作側>だった時には、お客さまからフィードバックが遅れている、来ても五月雨にしか来ない…などと、愚痴を言うこともありました。

ごめんなさい。

今はそのお客さまの気持ちが手に取るようにわかります。

今、この場で確認してもらう が吉


ここで「コツ その2」です。

期限が迫る中確認を完了させるには、10分単位でもいいので打ち合わせを設定して、無理やりにでもその場で確認を迫るのが得策です。

なんなら文章をざっと読み上げながら、「ここ、正しいですか?」「表記に間違いはありませんよね?」と確認していく
--こうした打ち合わせを何回か繰り返せば、(大変ではありますが)確認は必ず終えられます。

この打ち合わせ方式にはちょっとしたメリットもあります。
正直なところ、確認してはもらったものの、「え、今それ言うかな~~」というフィードバックを受けることも少なくありません。

打ち合わせ方式であれば、本筋ではないフィードバックや、スケジュール的に無理な追加要件をその場でやんわりお断りすることも、やりやすくなります。

もちろん「本筋ではないフィードバック」や「追加要件」にも、なるほど!と納得するような有効なアドバイスも少なくありません。
そうしたアドバイスは、「ぜひ制作後の第2フェイズで実施しましょう」と提案すれば、あなたの立場も印象もばっちりです。


醍醐味は「愛に気づけること」


と、ここまで愚痴ばかり並べてきましたが、自社サイトの制作に取り組んでみてよかったこともたくさんあります

何より大きかったのは、自社の社員やサービスに「惚れなおす」ことができたことです。

毎日の業務に追われていると、自分自身の会社について振り返る機会は少ないのではないでしょうか。
私もそうでした。

しかし今回、「クラウドテクニカルセンター」という、クラウド技術の粋を集めた部署に、クラウド技術の右も左もわからない私がブチ込まれて、職人肌の社員に色々とヒアリングしたり、自社の資産と言える提案資料を掘り起こしたりしたことで、改めて「なんだ、うちの会社っていい会社なんだな…」ということに気付くことができました。

アピールが下手で内気なエンジニアへのヒアリングが多かったからこそ、かもしれませんが、メンバーにも会社にもやけに愛着が湧いてきました
これが、自社サイトの構築に携わった一番の収穫だったかもしれません。

愛をカタチにしてみたサイト、よかったらぜひご覧ください。

ハイ、こちらです。

cloud.nri-net.com



そして、これまで自社サイトの構築を担当されたことのある方、ぜひ一緒に飲みましょうw。
苦労を語り合いたいと思います!
そしてこれから自社サイトを作るという方、ぜひお声がけください。
わたくしめが、御社の魅力を根掘り葉掘り、深堀ってみようじゃありませんか。
きっと皆さまも、自分の会社に惚れなおすことができるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

執筆者 : 湊川ハルナ

元Webディレクター、現マネージャー。最近クラウドテクニカルセンターの広報担当。