NRIネットコム Blog

NRIネットコム社員が様々な視点で、日々の気づきやナレッジを発信するメディアです

フロント出身者のプロジェクトマネージャー業務について

本記事は  Webデザイン事業部ウィーク 2024  3日目の記事です。
🌈  2日目  ▶▶ 本記事 ▶▶  4日目  💐

フロント出身者のプロジェクトマネージャー業務について こんにちは、Webディレクターの戸田と申します。 主にフロント業務(全般の要件定義、サイトデザインのUX/UI設計、サイト分析、デザイン・HTMLモック制作進行・管理など)を中心にWebサイトのリニューアルや運用案件のリーダー業務などを担当しております。

ここ最近ではWebサイトリニューアルのプロジェクトマネージャー(以下、PM)を担当させていただく事も多く、デザイン系キャリアの目線でPM業務について感じる事などを書きたいと思います。WebデザイナーやWebディレクターの方でこれからPMを目指す方など何かしら参考になれば幸いです。

PMといっても案件によりプロジェクトの規模や実施内容はさまざまですが、今回は中規模~大規模サイトのWebサイトリニューアルをイメージした内容でお話しできればと思います。また構想策定フェーズなのか、要件定義フェーズなのか、開発フェーズなのかによっても実施内容や留意点も異なってきますが、今回はより上流工程(構想策定フェーズ~要件定義フェーズ)のPM業務を中心に大切だと感じる点などをお話しできればと思います。

■なにごとも最初が肝心

~プロジェクトは適材適所で人員計画を~

PM業務においては、プロジェクト開始前のタスク整理やスケジュール策定、体制の組み立ては非常に大事だと思います。

中規模~大規模サイトのWebサイトリニューアルとなると、当然ながらシステム開発やサーバーリプレイスなどが伴うリニューアルプロジェクトが多くなってきます。プロジェクトによってはフロントのデザインからモック作成のみを担当するケースもありますが、システム要件やネットワーク要件を整理する必要がある場合には各領域を誰がどの期間で対応するのか?などプロジェクト体制が大事になってきます。

PMとしては、すべての領域を経験値としてカバーできていればそれに越した事は無いのですが、プロジェクト規模が大きくなればなるほど、そのようなケースは稀だと思います。フロント系出身者であれば「UXやデザインは得意だけどシステムやネットワークの知識はちょっと、、」SE系出身者であれば「アプリは得意だけどデザインはちょっと、、」と得手不得手は少なからずあると思います。

「自分はデザインしかできないのでPM業務なんて難しいのでは無いか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、すべてをカバーできる人間などいないと考えれば、「どのようなフォーメーションであればプロジェクトを成功させられるのか?」という事を熟考し最適なプロジェクト体制を構築する。という事がPMに求められるミッションであると思いますので、それぞれの領域でのスペシャリストに意見を仰ぎながらプロジェクト計画や体制を構築する事が重要だと感じます。 また、自社のリソースだけで対応が難しいケースも多々あると思いますので協力会社との協業を視野に入れた体制を組むケースにおいては、予算やスケジュール、役割などをより明確化しておく事も重要となります。

適切な体制を構築するためにも、まずは早い段階で顧客要件を理解し本プロジェクトの目的やスコープ、プロジェクト期間などを正確に把握する事が必要です。そのうえでタスクを整理できれば、おのずとスケジュールや必要な体制が見えてくると思います。 とは言え、当然ながら当初の計画通りに進むプロジェクトはほぼありませんのでリスクを予め予測し対応方針を予め決めてておく事や、日々の進捗状況を踏まえて計画を変更するなどの柔軟性が重要です。

■目の前のタスクにとらわれず先々の工程を意識する

~デザイン工程が完了したら終わり。ではありません~

PMは文字通りプロジェクトをマネジメントする立場ですので各工程のタスク管理はもちろん大事です。フロント業務でいうと、「画面設計をしたら次はデザインを作って、コーディングの準備を、、、」とWBSを引いてタスク管理をすると思うのですが、PMはもう少し広い視野で見た場合に「現在の工程のゴールは何なのか?その先にある工程のために必要なアウトプットや合意すべき事は何なのか?」などマクロの視点を意識する事が重要だと感じます。

例えばWebサイトリニューアルの「構想策定フェーズ」であれば各企業様の事業計画からWebサイトにおける戦略策定を行うフェーズとなりますが、次フェーズの「要件定義フェーズ」に向かうにあたり定義しておくべき事は何なのか、いつまでにその準備が必要なのか?をあらかじめ掴んでいないと次のフェーズでのスタートダッシュに失敗をします。特にクライアント様社内でのプロジェクト報告タイミングや予算取りのタイミングなどをあらかじめ確認をしていないと、現在のプロジェクト進捗では報告が難しかったりとミスマッチが生じてしまいます。

また、システム開発を伴うプロジェクトにてデザイン作成からモック作成だけを依頼されたプロジェクトだった場合などでも、モック納品すれば終わりという意識ではなく、モック納品後の工程がどのようなステップで進むのか?と言ったところも意識を持っておくべきと思います。そうする事でリリースまではプロジェクトメンバーの一員であるという意識でプロジェクトに参画できシステムメンバーとの連携などもスムーズになると思います。これはPMのみならずプロジェクトメンバー全員が同じ意識を持つ事が重要だと感じます。

■おわりに

~プロジェクトの成功はメンバーの協力があってこそ~

デザインウィークという事で、デザイン系キャリアの目線でのPM業務について書きましたが、どんなキャリアであれPMというのは周りの皆さんに支えられてこそ、なしえる業務だと感じております。日々、プロジェクトに関わるお客様やメンバーに感謝しつつ、自身も成長していけたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

執筆者:戸田真義
フロント業務を中心としたWebディレクター/サウナが好き。