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総務部でもJapan AWS Top Engineerに選出されてきた4年間と生成系AI時代における今後のアウトプット

本記事は  初夏のAWSアワードエンジニア祭り  7日目の記事です。
🍦  6日目  ▶▶ 本記事 ▶▶  8日目  💻

小西秀和です。

今回はブログイベント「初夏のAWSアワードエンジニア祭り」ということで、私が2020~2023のJapan AWS Top Engineer、Japan AWS All Certifications Engineer として選出されてきた4年間の活動(主に2019年度~2022年度)を振り返りたいと思います。

まず、私についてですがAmazon Web Services(AWS)を使いだしたのは2008年にAmazon EC2がGAになった頃で、その数年後に当時情報源が少なかったAWSの活用についてSFベイエリアで調査をしたような時期もありました。
また、最初のAWS認定取得は2013年の「AWS Certified Solutions Architect - Associate」で、なぜか当時住んでいた大阪周辺で受験できる場所がなく、福岡県にある福岡天神テストセンターまで旅行のついでに受験しに行った記憶があります。

このように比較的初期からAWSを使用していた古参勢ではありますが、近年では間接部門(総務、情報システム、情報セキュリティ)の業務をしながら、直接部門のAWS技術支援をしています。
そのため、Japan AWS Top Engineer、Japan AWS All Certifications Engineerに選出されるまでには間接部門ならではの「悩み」や「学び直し(リスキリング)」がありました。

こういった背景があるので、この振り返りが総務や情シスなど間接部門でクラウドサービスを中心にリスキリングを考えている方の参考になればとも思っています。

また、これから生成系AIの活用が活発化していく時期を「生成系AI時代」と称して、今後のアウトプット活動についても個人的に考えた内容をまとめてみました。

※以降の説明の中には選出のタイトルが異なるものがありますが、名称変更に伴うもので現在の名称に対して次のように対応しています。

  • Japan AWS Top Engineers(Services):2023年のカテゴリ別選出におけるカテゴリの一つ
    (旧称) APN AWS Top Engineers(Service):2022年のカテゴリ別選出におけるカテゴリの一つ。
    (旧称) APN AWS Top Engineers:2019年~2021年の選出における名称。現在の「Services」カテゴリに相当。

  • Japan AWS All Certifications Engineers:2023年の選出における名称
    (旧称) APN ALL AWS Certifications Engineers:2020年~2022年の選出における名称。

※ Japan AWS Top Engineers、Japan AWS All Certifications Engineersおよび旧称の選出についての詳細は次のAWS JAPAN APN ブログにおける発表内容を御覧ください。
APN AWS Top Engineers | AWS JAPAN APN ブログ
APN ALL AWS Certifications Engineers | AWS JAPAN APN ブログ

今回の記事の内容は次のような構成になっています。

2019年度の活動:2020 APN AWS Top Engineer、2020 APN ALL AWS Certifications Engineerの選出

活動内容

2019年度当時はAWSの表彰制度が始まったばかりで、その存在も知りませんでした。
ただ、この頃は間接部門に異動して、ある程度担当業務を把握した後、間接部門でも直接部門の技術レベルの内容を理解し、連携できるようIT業界で広く求められている専門スキルを習得しておくことへ既に熱を入れている時期でもありました
その中でもAWSは私が異動してからも様々なサービスリリースやアップデートを続け、進化を続けていたので学習の対象の一つとしていました。

一方でAWSを久しぶりに学び直そうとした時に何から手を付ければよいのかという迷いもありました。
そんなときに思い出したのが2013年以降取得していたAWS認定でした。
間接部門に異動する前まではSAA、DVA、SOA、SAP、DOPのAWS認定を持っていましたが、異動後再受験ができずに失効していました。
しかし、AWS認定には学習過程での学習はもちろん、受験の最中でも新たな学びがあった体験を思い出し、AWSに関してはまずAWS認定取得を最低基準として学習に取り組んだのです。

そんな活動をしていた2019年の6月頃に「Japan APN Ambassadors 2019」が発表され、弊社からは佐々木拓郎が選出されました。

当初は総務部の私にとってこのようなAWSの表彰制度は全く関係の無い話だと思っていました。
しかし、総務部だった私でも佐々木さんから声をかけてもらったおかげで2020年から始まった2020 APN ALL AWS Certifications Engineersの申し込みの存在を知り、自己研鑽として当時のAWS認定をすべて取得していたこともあって2020 APN AWS Top Engineers、2020 APN ALL AWS Certifications Engineersの選出に繋がったのです。

私がAWS学習の基軸にもしているAWS認定の学習方法や学習リソースについては次の記事にまとめていますので、よろしければ御覧ください。

tech.nri-net.com

間接部門の悩み

最初に言っておくと現在は会社が予め対象としたAWS認定は受験料を部門関係なく出してくれる制度になっています(現時点でAWS認定全種)
本音を言うと今から入社する方やAWS認定を取り始める方が羨ましい限りです。

一方で私がAWS認定を再取得していた当時は所属部室の判断になっており、業務に関係ない分野の資格は受験料が出ないこともありました。

ただ、そのような条件下でも自分で主体的にAWS認定を取得することを選択したことが、間接部門でもAWS認定全取得と2020 APN AWS Top Engineer、2020 APN ALL AWS Certifications Engineerの選出に繋がったので貴重な体験だったと自分自身納得しています。

活動の結果

2019年度の活動は上記のように当時あったAWS認定をすべて取得することだけでした。
ただ、AWS認定取得の中で学んだことはベストプラクティスを中心に非常に多く、特に次のAWS認定を通して間接部門では触れる機会が少ない分野を学べたのは大きな収穫でした

・AWS Certified Big Data – Specialty(AWS Certified Data Analytics – Specialtyの前身)
・AWS Certified Machine Learning – Specialty
・AWS Certified Alexa Skill Builder – Specialty

※「AWS Certified Alexa Skill Builder – Specialty」は2019年4月16日に正式発表となり、2021年3月22日に廃止されたAWS認定です。個人的には学習過程でこの認定がなかったら触れることがなかったであろうAlexa Skillの開発方法を知ることができたので印象深い認定でした。
<参考>
tech.nri-net.com

APN AWS Top Engineersの選出は2019年から始まったようですが、APN ALL AWS Certifications Engineersは2020年から始まった選出です。
当時はAWS認定全取得者が少なかったせいか2020 APN ALL AWS Certifications Engineersに選出されると2020 APN AWS Top Engineersにも選出されました。

<参考>
2020 APN AWS Top Engineersの発表 | AWS JAPAN APN ブログ
Japan APN Ambassador 2020 の発表 | AWS JAPAN APN ブログ

上記URLに記載されたAPN ALL AWS Certifications EngineersとAPN AWS Top Engineersの人数を集計してみると次のようになります(Japan AWS Ambassadors含む)。

2020 APN ALL AWS Certifications Engineers:14名
2020 APN AWS Top Engineers:122名(100名+上記14名+2019 Japan AWS Ambassadors13名-重複5名)

ちなみに当時は2020 APN ALL AWS Certifications Engineerの選出が始まったばかりでAWS認定全冠でも選出の存在を知らずに申し込まなかったという方もいたようです。

2020年度の活動:2021 APN AWS Top Engineers、2021 APN ALL AWS Certifications Engineersの選出

活動内容

当時発表されていたAWS認定はすべて2019年度に取得していたので、2020年度は再認定が必要なAWS認定を更新しながらブログなどのアウトプットに挑戦しようと考えていました。

ただ、2020年度当初は今ここで記事を書いている会社ブログがまだありませんでした。
他のJapan AWS Ambassadors社員は個人ブログですでにアウトプットをしていましたが、総務部所属ということもあって私にはハードルが高かったため、会社ブログが年度内に始まるという噂を信じて記事だけを書き溜めていました。

それから、何とか2021 APN AWS Top Engineers、2021 APN ALL AWS Certifications Engineersの選考期間である2020年度末までに間に合うように佐々木拓郎さんと当時のブログ担当者にお願いして会社ブログを構築していただき、2021年3月に書き溜めていた記事を出すことができました。

<参考>
tech.nri-net.com

間接部門の悩み

直接部門との差異はさすがに克服できませんが、AWS認定やアウトプットに関する活動へ徐々に理解をいただけるようになり、間接部門の悩みは少しずつ緩和されていきます。
2020 APN AWS Top Engineers、2020 APN ALL AWS Certifications Engineersに選出されたからかわかりませんが、AWS認定の再認定受験料が部室から出やすくなりました。

ただ、アウトプットに関しては個人ブログやSNS等は総務部所属ということもあり、公開発信には至りませんでした。
一方で前述したように今この記事を書いている「NRIネットコムBlog」が始動したことで社内レビューをした上で記事によるアウトプットができるようになり、その後の活動の幅が広がりました。

活動の結果

2020年度の活動は前述のように全取得しているAWS認定のうち再認定が必要なものを更新すること、AWS認定を全取得した経験をブログの記事にしたことでした。
選出の有無関係なしにブログ記事を書くことは自分の中の知識が整理され、定着し、新たなインプットへの好循環をもたらすことを実感できた年度でした。

2021年の選出は次のような2021 APN ALL AWS Certifications Engineersと2020 APN AWS Top Engineersの同時選出でした。

<参考>
2021 Japan APN Ambassadors / 2021 APN AWS Top Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ

2021 APN AWS Top Engineersに選ばれた方で、かつ、AWS認定資格を全て(2021 年度選考時は12 種)保有している方を「2021 APN All AWS Certifications Engineers」として表彰しています。

上記URLに記載されたAPN ALL AWS Certifications EngineersとAPN AWS Top Engineersの人数を集計してみると次のようになります(Japan AWS Ambassadors含む)。

2021 APN ALL AWS Certifications Engineers:91名
2021 APN AWS Top Engineers:214名(100名+上記91名+Japan AWS Ambassadors32名-重複9名)

APN ALL AWS Certifications Engineersの人数が急上昇しています。2020年も潜在的にはもっといたと予想されます。
ちなみに2020 APN ALL AWS Certifications Engineersと2021 APN ALL AWS Certifications Engineersでは副賞として盾を頂くことができました。

2021 2020 APN ALL AWS Certifications Engineer Shield
2021 2020 APN ALL AWS Certifications Engineer Shield

こうした選出や副賞もAWS認定取得者増加に大きく影響しているのかもしれません。

2021年度の活動:2022 APN AWS Top Engineers(Service)、2022 APN ALL AWS Certifications Engineersの選出

活動内容

2021年度は有効期限が来るAWS認定の再認定、ブログ記事の投稿、書籍の執筆が主な内容でした。
前年度に会社ブログができたこともあり、AWS認定以外の様々な観点でもブログ記事を書きました。
また、前年度から執筆していたAWS認定に関する書籍が出版されました。

書籍の執筆やブログ記事を書いていく中で、AWSドキュメントの重要性を再認識した年度でもあります。
AWSドキュメントへの熱い思いについては2022年の次の記事でまとめています。

<参考>
tech.nri-net.com

間接部門の悩み

間接部門の悩みはさらに緩和されていきます。
書籍についても個人一人で執筆するには総務部所属ということもあって難しいですが、直接部門のメンバーと共著という形で声をかけてもらったことで執筆に参加することができました。

活動の結果

2021年度はAWS認定の再認定、ブログ記事の投稿、書籍の執筆が主な内容でした。
今までの中で2021年度が最もアウトプット量が多い年度となりました。
書籍は試行錯誤して苦しみながら執筆しましたが、会社ブログができて自分の学習した内容やアイデアを記事として投稿できる楽しみを素直に見いだせたことがアウトプット量の増加に大きく影響したと思います。

2022年の選出からAPN ALL AWS Certifications EngineersとAPN AWS Top Engineersは別に選出されることになり、さらにAPN AWS Top Engineersはカテゴリ別(Service、Software、Networking、Security、Analytics、Database、Machine Learning)に選出されるようになりました。

<参考>
2022 APN ALL AWS Certifications Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ
2022 Japan AWS Partner Ambassador / 2022 APN AWS Top Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ

上記URLに記載されたAPN ALL AWS Certifications EngineersとAPN AWS Top Engineersの人数を集計してみると次のようになります(Japan AWS Ambassadors含む)。

2022 APN ALL AWS Certifications Engineers:340名
2022 APN AWS Top Engineers カテゴリ合計:155名
  2022 APN AWS Top Engineers (Service):110名
  2022 APN AWS Top Engineers (Software):9名
  2022 APN AWS Top Engineers (Networking):5名
  2022 APN AWS Top Engineers (Security):15名
  2022 APN AWS Top Engineers (Analytics):9名
  2022 APN AWS Top Engineers (Database):5名
  2022 APN AWS Top Engineers (Machine Learning):2名

APN ALL AWS Certifications Engineersの数は更に飛躍的に伸び、AWS認定を全取得することがAWSを効率的に学習する方法の一つとして定着してきたのではないかと個人的に思いました。

2022年度の活動:2023 Japan AWS Top Engineers(Services)、2023 Japan AWS All Certifications Engineersの選出

活動内容

2021年の後半に「AWS Certified: SAP on AWS – Specialty」が新たにAWS認定として追加されることが発表されましたが、2021年12月~2022年1月頃にベータ版として提供されたため、それを受験したところ2022年4月に合格の通知がきていました。
そのため、2022年度のアウトプット活動も昨年度同様に板についてきたAWS認定の再認定、ブログ記事の投稿、書籍の執筆、勉強会への登壇が主な内容でした。

間接部門の悩み

この頃になるとAWS認定の受験料も部室で出していただけるようになり、会社ブログを使用した記事が投稿でき、書籍も共著で執筆できるようになっていたため、この範囲でのアウトプット活動では悩みを感じなくなっていました

そして、前述したように現在は会社が予め対象としたAWS認定は受験料を部門関係なく出してくれる制度になっています(現時点でAWS認定全種)
そのため、どの部門でもAWS認定取得をベースとしたAWSの学習をすすめることができる環境が整っています

特に本年度(2023年度)からはクラウドテクニカルセンターが新設され、クラウド領域における情報収集、人材育成、ソリューション企画・開発をより強化する体制となっています
ご興味のある方は弊社、佐々木が書いた次の記事を御覧ください。

<参考>
tech.nri-net.com

活動の結果

2022年度もAWS認定の再認定、ブログ記事の投稿、書籍の執筆、勉強会への登壇が主な内容でした。2022年度は2021年度に次いでアウトプット量が多い年度となりました。
2021年度同様に書籍は試行錯誤して苦しみながら執筆し、会社ブログを楽しむようなアウトプットスタイルでしたが、個人的に1つの記事に込める熱量が多いので年度の途中でアウトプット疲れに陥る期間もありました。
ただ、学習したことや自分のアイデアをとりあえず記事にしてみるという初心を取り戻した結果、何とか2023年も選出していただいた感覚があります。

2023年の選出では記事の冒頭で触れたようにAPN AWS Top EngineersがJapan AWS Top Engineers、APN ALL AWS Certifications EngineersがJapan AWS All Certifications Engineersへ名称が変更となりました。
また、Japan AWS Top Engineersの応募クライテリアでブログ、書籍リリース、外部登壇などの活動カテゴリーが明確化されました。

<参考>
2023 AWS Top Engineers クライテリアのお知らせ | AWS JAPAN APN ブログ
2023 Japan AWS Top Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ
2023 Japan AWS All Certifications Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ

上記URLに記載されたJapan AWS Top EngineersとJapan AWS All Certifications Engineersの人数を集計してみると次のようになります(Japan AWS Ambassadors含む)。

2023 Japan AWS All Certifications Engineers:579名
2023 Japan AWS Top Engineers カテゴリ合計:177名(Japan AWS Ambassadors45名含む)
  2023 Japan AWS Top Engineers (Services):132 名(Japan AWS Ambassadors41名含む)
  2023 Japan AWS Top Engineers (Software):10 名
  2023 Japan AWS Top Engineers (Networking):5名(Japan AWS Ambassadors2名含む)
  2023 Japan AWS Top Engineers (Security):17名(Japan AWS Ambassadors2名含む)
  2023 Japan AWS Top Engineers (Analytics):7名
  2023 Japan AWS Top Engineers (Database):3名
  2023 Japan AWS Top Engineers (Machine Learning):3名

このペースだとJapan AWS All Certifications Engineersは近々1,000人を超えそうですね。。。

生成系AI時代における今後のアウトプット

このように2019年から2022年までの4年間はAWS認定、ブログ、書籍を中心にアウトプットを継続してきましたが、ご存知のように2023年は生成系AIが本格的に活用可能な時期になってきました。
話題になるのはOpenAIのChatGPTが多いですが、GoogleのBardも一般公開になり、AWSからはAmazon Bedrockが発表されました。

Amazon BedrockではAmazon Titan、Jurassic-2、Claude、Stable Diffusionといった基盤モデル(Foundation Models:FM)が選択でき、テキスト生成、チャットボット、検索、テキスト要約、画像生成、パーソナライズしたレコメンデーションに使用できます。また、独自のデータを使用してFMをプライベートにカスタマイズすることもできるようです

参考:
Foundation Model API Service – Amazon Bedrock – AWS
Tech Blog with related articles referenced

こうした生成系AIが活用に足る能力を持ち、今後も進化し続けていくであろう時代に今まで自分がやってきたアウトプットをどう変化・適応させていけばよいか正直この記事を書きながらも模索しています。
生成系AIを使用したことがある方はわかると思いますが、ブログ記事や書籍などはプロンプトを工夫すれば形式的なものは出力できてしまうからです。

今も模索中ですが、次のようにアウトプットの目的、品質、スタイルについて考え方をまとめてみました。

アウトプットの目的:原点に立返る

この記事を書いていく中で自分自身が2019年~2020年当時にどのような考えでアウトプットを始めたのかを思い出すことができました。これもアウトプットの醍醐味です。

アウトプットする目的は、自分自身の技術的なスキルや知識を深めること、学んだことや経験したことを記録して振り返るアーカイブを作ること、そして情報を共有することが私の原点にあります

生成系AIを使用したインプットやアウトプットを活用するとしても、あくまでも自分自身が学習した内容を自分の表現でアウトプットをするこの原点を忘れなければ迷うことはないと考えています。

アウトプットの品質:Japan AWS Top Engineer Partner Programで求められているもの

アウトプットの内容をどのレベルの品質にするべきかは、先日の「2023 Japan AWS Top Engineers の発表」に記載された審査講評が参考になります。
そこでは「外部発信 (ブログ・ホワイトペーパー / 書籍リリース・外部登壇)」について次のような記載があります。

高評価を得たポイントには、深いレベルの技術解説、ユースケースの考察、よくある課題に対する解決方法の提示、オリジナリティが挙げられます。

今までのアウトプットで私は漠然としか意識していなかったことですが、生成系AI時代にはより明確に意識していくことでブレないアウトプット品質が保てるのではないかと感じたポイントです。

アウトプットのスタイル:独自性、ライブ感を強化する

生成系AIが活用される時代には様々なコンテンツが生成され、生成系AIによって自動的に確認作業もされていくと考えられます。

しかし、生成系AIの入力となる人間による「目的の定義と入力」、生成系AIの出力に対する目的達成の確認、最終的なリーガルチェック、使用する出力の選定などの「確認・選定」や成果物として採用するかどうかの「意思決定・承認」は従来よりもさらに重要になってくると個人的に予想(実感)しています。

特に、もし仮に個人の外部発信で生成系AIを使用する場合には明確な「目的」を定義して入力し、「確認」した出力を参考に「選定」した上でインプット後、自分自身が納得する「独自性」を反映した表現で外部発信を「意思決定」することを大切にしたいと考えています。
この考えをフローとしてまとめると次のようになります。

  1. 目的の定義と入力(Prompt):人間
  2. 処理:AI
  3. 出力(Completion)の確認・選定:AI+人間 or 人間
  4. インプット、独自性の反映:人間
  5. 成果物として採用するかの意思決定・承認:人間
    ※「1.」~「5.」のフローは目的達成度に応じて繰り返される場合や小規模な目的に分割されて並列で実行される場合なども考えられます。
    ※入力が既に独自性をもち、出力後もその独自性を保つ場合、「独自性の反映」は軽微なものまたは確認となることが考えられます(翻訳、文言修正など)。

また、生成系AIがテキスト生成よりも難しいと考えられるライブ感やリアルタイム性のあるアウトプット(登壇・育成活動、最新情報の発信など)も間接部門のメンバーでも参加可能であればチャレンジしていきたいと思っています。
加えて、個人ブログも一定の条件下で公開できるようになったので今まで書き溜めた記事を少しずつ投稿しており、今後も自分なりのオリジナリティがあるアウトプットを表現できればと考えています。

まとめ

今回は総務部でもJapan AWS Top Engineer、Japan AWS All Certifications Engineerに選出されてきた4年間と生成系AI時代における今後のアウトプットについて記事を書きました。

AWS認定の全取得やアウトプット活動をしてきた4年間の目的は当初から同様で「間接部門でも直接部門の技術レベルの内容を理解し、連携できるようIT業界で広く求められている専門スキルを習得しておくこと」の一部分であり、Japan AWS Top Engineer、Japan AWS All Certifications Engineerへの選出はその結果でもあり、目標の一つでもあります。

一方で生成系AIの活用が本格化してきたことによって、この数ヶ月の間にパラダイムシフトが起きていると個人的には考えています。

​​お気づきの方も多いと思いますが、​この記事で言及したアウトプット​活動​も生成系AIの学習対象となり得ます。
もちろん、生成系AIに​今後は​情報を与えないためにアウトプットをしないという選択肢もあります。
そして、生成系AIが生成した出力をそのままアウトプットに採用するという事も​考えられるでしょう。

ただ、人間が最新情報や日々の中で得られた体験や考えを元にしたアウトプットをしなければ、今後の生成系AIの出力は過去のデータや生成系AIそのものが生成したデータを元にした情報に偏ってくると考えられます
また、仮に一部​でアウトプットをしないという選択をしたとしても、​生成系AIは​他の情報元から学習を続けるでしょう。

今、このような要因以外も含めて難しい選択を迫られる時期でもありますが、この流れを止めることは​容易ではありません。
今後、生成系AI​を活用していくのであれば、それら​が進化した​将来を見据え、​自分も​あらゆる可能性に備えながら​進むしかないと考えています

今後も早いスピードで変化が起こると考えられるため、業務のあり方、インプットおよびアウトプットのあり方などを模索しながら活動していきたいと思います。

Written by Hidekazu Konishi
Hidekazu Konishi (小西秀和), a Japan AWS Top Engineer and a Japan AWS All Certifications Engineer

執筆者小西秀和

Japan AWS All Certifications Engineer(AWS認定全冠)の知識をベースにAWSクラウドの活用に取り組んでいます。
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