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NRIネットコム Advent Calendar 2022
14日目の記事です。
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こんにちは。NRIネットコムでWebディレクターをしている加藤です。
全3回で、コンテンツSEOについてお話ししており、今回は第2弾となります。
第1弾の記事はこちら: コンテンツSEOとは?対策方法やメリットについて初心者にもわかりやすく徹底解説(第1弾) - NRIネットコムBlog
コンテンツSEOとは、ユーザーに有意義な記事コンテンツを作成することで、検索エンジンの検索結果で上位表示させ、集客につなげる手法です。
前回は、コンテンツSEOの考え方や注目されている理由について解説をしましたが、今回は、コンテンツSEOの具体的な作成手順について、初心者の方が特に疑問に感じやすい部分を中心に、わかりやすく説明します。
コンテンツSEOの手順・やり方は?【初心者向け5STEP】
ユーザーにとって良い記事ページを作ることが、コンテンツSEOでは重要と解説しましたが、まず、検索エンジンでキーワードを入力するユーザーの意図は何かをしっかりと考える必要があります。
このユーザーの検索意図(インテント)については、2015年にGoogleのマイクロモーメントでも触れられている通り、 具体的には、「Know:知りたい」「Go:行きたい」「Do:したい」「Buy:買いたい」の4つに分類に整理できると言われています。
この中で、コンテンツSEOとして特に関係があるのは「Know:知りたい」「Do:したい」であり、この検索意図(インテント)に対して、明確な答えを提示できているかが鍵となります。
- 「Know:知りたい」には、『〇〇とは』と言った、ユーザーの知りたい情報を端的に答える必要があります。
- 「Do:したい」には、『〇〇の方法』『〇〇やり方』と言った、何かを行う際のコツや注意点などの情報を答える必要があります。
また「Know:知りたい」「Do:したい」のどちらも、単に答えだけを記載するのではなく、自分自身が体験したり考えたオリジナリティのある情報を加えることが、前回に述べたE-A-TのExpertise(専門性)であったり、後に出てくる網羅性という観点からも有効です。
それでは、具体的な手順・やり方について解説していきます。 初心者向けとして、5つのSTEPで順を追って記載していこうと思います。
【STEP1】事前調査が最も重要
対策キーワードが事前にある場合もそうで無い場合も、まずは事前調査で、自社の置かれている現状を把握する必要があります。 この工程は、そもそも自社としてコンテンツSEOを行うことが本来の目的と一致しているのかを問う部分でもあり、自社・他社・市場という3C分析の現状把握を通して、その後に続く作業を効率良く進めるための準備と言えます。
調査内容については、利用している調査ツールやサイトの状況によっても異なるため、一例になります。
順番としては、まず自社分析をしっかりと行った上で、競合サイトとの比較、全体を見るための市場調査という流れが効率的です。
SEO対策は相対評価のため、自社だけではなく、競合となる他社サイトも必ず気にする必要があります。競合サイトに勝たないと上位表示は見込めません。
(ちなみにここで言う競合サイトとは、サイト上の競合であり、実際の事業としての競合ではありません。もちろんそれはそれで気にしておく必要はありますが。)
現状の上位競合サイトを分析し、どのような情報がどれくらいあるのか、自社との類似点・相違点はどこにあるのか、実際のライバルサイトの記事をじっくり見て分析しましょう。
またこの時点で、どのような読み物系のコンテンツを作るのかも、全体像を決定しておく必要があります。
【STEP2】対策キーワードの選定
対策キーワードが決まってない場合、自社サイトの検索キーワードから、トピックやテーマの沿った対策キーワードを絞り込むのが一般的で、自社サイトの検索キーワードはGoogle Search Consoleの「検索結果」から確認が可能です。
ここでの絞り方は、今後どのようなコンテンツにしていきたいかの方針にもよりますが、検索順位が高かったり、流入が多いキーワードだけを選ぶのではなく、検索ボリュームが小さくても、ライバルとなる競合が少なかったり、自社サイトで扱いたいキーワードであれば、是非対策キーワードに加えてください。
また、キーワードは、現時点では順位があまり良くなったとしても、1位を狙おうという気持ちで次の工程に進むようにしてください。
というのも、Google検索で1位になったキーワードのCTR(クリック率)は、1位が約10~40%と調査会社によって幅があるものの、10位は約1~2%程度しか無いという予測は共通しており、仮に1ページ目に表示されていたとしても、1位とそれ以外ではCTRに大きな差があります。
参考として、2021年にseoClarity(seoクラリティ)が公開したCTR調査結果になります。 www.seoclarity.net
【STEP3】ターゲットユーザーの想定
ターゲットユーザーとは、どのようなユーザー像が訪れるのかの想定を立てておくことです。似たような意味合いで、より具体的に対象を限定したものをペルソナと呼びますが、だいたい同じようなイメージと説明した方が分かりやすいかもしれません。
ターゲットユーザーは、共通して分からない疑問についての答えを求めてやってきている人物ということになりますが、ユーザー像を作り込むことで、ターゲットが明確になり、良質な記事ページ作りへとつながります。
【STEP4】構成の検討
記事を作成する前に、記事コンテンツの設計となる構成案を作っておくとライティングを行う時も効率的です。
また、チームで分業する場合、ライティングのみ別の人物が対応するケースもあるかと思いますが、その際も構成案があれば、認識齟齬も起こりにくくなります。
ここでは、構成案で決めておくべきことを更に細かく記述します。
1.対策キーワードの確定
メインキーワードとする対策キーワードについて記載をします。
1記事に対し1キーワード(単語)に限定する必要はありませんが、一貫性のあるテーマを持たせ、競合サイトとも差別化できると良いでしょう。
2.共起語の確認
共起語は、作成する記事内で一緒に使われやすいキーワードのことを言います。
対策キーワードの上位競合サイト内にあるキーワードがそれにあたり、競合同様に文章内に盛り込むことでSEO効果が期待できます。
構成案のタイミングで事前に確認しておくと、文章内に盛り込むべき内容理解にも役立ちます。
3.サジェストワードの確認
サジェストワードは、検索エンジンの検索窓に文字を打ち込んだ際、予測として表示されるキーワードのことを言います。
キーワード予測はGoogleではアルゴリズムによって表示されており、ここに『〇〇の方法』『〇〇やり方』『〇〇とは』などが多ければその内容のユーザーニーズが高いことが把握できます。
サジェストワードとよく似たもので関連キーワードと呼ばれるものもあります。
関連キーワードは、検索エンジンで検索した後に、検索結果ページの下に出てくるキーワード候補で、中身はサジェストワードとだいたい類似していることが多いです。
また、最近では「他の人はこちらも質問」という項目もキーワードによっては検索結果ページに出てくるようになりました。
海外ではPAA(People Also Ask)と呼ばれている機能になり、Webサイトにアクセスする前に回答を得ることができるため、ユーザーにとっては大変便利な機能になります。
検索ページ結果は、Googleが考える良いページのヒントが多く確認できます。しっかりと目を通しておきましょう。
4.ゴールの想定
記事ページを読み終わったユーザーが、どうなっていてほしいかのゴールも想定します。
ユーザーの疑問が解決されればよいだけなのか。次のステップとして、問合せもしてほしいのか、カスタマージャーニーのように可視化しておくと、その後のプラン設計にも役立ちます。
5.titleタグ(タイトルタグ)・descriptionタグ(メタディスクリプションタグ)の最適化
titleタグとdescriptionタグは、Google検索結果ページに表示される文言です。
この文言を見て、検索ユーザーがクリックするコンテンツを選択するため、大変重要なものとなります。
デバイスやブラウザにより、表示される文字数は多少異なりますが、titleタグは、全角で30文字前後となります。そのため、対策キーワードなどユーザーに読んでほしい部分は、確実に読んでもらうよう、なるべくタイトルの最初の方に入れておく必要があります。
descriptionタグは、一般的にtitleタグの下に表示されている文章になりますが、必ずしも表示されるというわけではなく、別のテキストがGoogleにより抽出されることも良くあります。
ただし、内容はクローラーにも読まれているため、Google評価向上のためにはしっかりと記述はしておいた方が安心です。
6.hタグの最適化
h1~h6は、重要度別に見出しとして使います。
ユーザーが読みやすいように、文章を適切に区切り、区切った文章について内容をまとめた見出しを付ける必要があります。
titleタグ同様に、クローラーに内容を理解してもらう目的もあるため、hタグ内にも対策キーワードや共起語を配置しておくとGoogle評価の向上にもつながります。
ただし、あまり長すぎる見出しは、かえって要領がつかめなくなるため、最適な文字数を心がけましょう。
hタグの時点で、文章全体の骨組みがある程度決まってきますが、Googleはページの上部ほどを重視する傾向があるため、重要な内容順に上から書いていくような構成をイメージしていくと良いです。
7.文章の検討
hタグを考えた後は、その中の記事の概要を記載します。
記事作成自体は次の手順で行うため、どういった内容を書くのかがわかるような箇条書きレベルで十分ですが、ここでは質の高い内容がしっかりと伝えられ、かつ情報の網羅もできているか吟味する必要があります。
作図やリンクが必要な場合は、文章のどこに入れるのかの指示や、詳細も補足として入れておくと良いです。
またこの段階で、それぞれの文章の文字数についても検討し、コンテンツ全体でも合計何文字程度のサイトになるのかの見当を付けておくと、自分以外のメンバーが見ても、コンテンツ全容のイメージがしやすくなると思います。
【STEP5】記事作成
構成の検討が終わると、いよいよ記事作成に入ります。
内容については、既に構成案に要件が記載されているので、集中してライティングに入ることができます。
ここでは、記事を作成する上で課題となりやすい点について解説します。
共起語の含有率はどの位が良い?
共起語の含有率は、上位競合サイトの含有率を参考にしつつも、自然な文章になるようにしてください。
前後の文脈に関係の無いタイミングで共起語が出てきたり、何度もコピペしたかの様に反復表現を用いると、ユーザーが読みにくさを感じるだけではなく、Googleからも低評価を受ける可能性があり注意が必要です。
文字数はどの位が良い?
文字数は、Google検索順位に関係無いとも言われますが、コンテンツSEOであれば専門性があり、ユーザーの検索ニーズをしっかりと満たした特徴であるため、結果的に文字数はそれなりのものになるのではと思われます。
そのため、ベンチマークとしては、対策キーワードの上位競合サイトを基本的には参考にするのが良いです。
ただし、ここでも「大切なのは、ユーザーにとって良い記事ページを作ること」で、ユーザーニーズに対しての情報が重要であり、文字数は結果でしかありません。
画像はどういうものが良い?
ユーザーは、テキストばかりで構成された記事ページだと読みにくさを感じます。
ユーザビリティの観点からも、飽きることなく訪問者の意識をページ上につなぎとめ、滞在時間や読了率の向上のためにも、戦略的に画像を使っていきたいところです。
特に作図に関しては、視覚的な補助としても役出しますが、Google評価としてもリッチリザルトで採用されたり、画像検索される可能性もあります。
Googleレンズなど画像検索サービスの技術発展が目覚ましい点からも、画像の重要性は今後ますます上がりそうです。
気を付ける点としては、GoogleのUX指標であるCore Web Vitals(コアウェブバイタル)の観点を忘れずに、ページの読み込み速度やページ表示に影響が出ない範囲で追加することくらいでしょうか。
Core Web Vitalsについては、以下のGoogleサイトに説明があります。 developers-jp.googleblog.com
画像のaltタグ(代替テキスト)については、Googleの高度な分析(AI解析)により、入ってなくても現状問題は無さそうです。
ただし、Googleもaltタグは推奨しており、クローラーに画像の内容を理解してもらいやすくなりますので、入れておくに越したことは無いです。
また最近では、動画についても5Gなどのネットワークの進化もあり、需要はますます増えつつあります。
画像よりも伝わる情報量が多く、YouTubeとの相乗効果も見込めますので、状況によって使い分けができると良いです。
書き方で気を付けることはある?
基本的な話となりますが、難しい言葉を使わず、分かりやすい文章になるように心掛けましょう。
誤字脱字は言うまでもありませんが、代名詞の多用や長文過ぎる一文も読みづらくなるので極力避ける必要があります。
スマートフォンで斜め読みするユーザーのためにも、部分的に読んでも意味がわかるように気を付けたいです。
何から手を付ければ良いのかわかりにくいコンテンツSEOも、5つのSTEPで、記事作成までのイメージがつかめていただけたでしょうか?
次回は、コンテンツSEOのメリット・デメリットについてと、効果検証によるチェック方法、プラスαでやっていきたい施策について解説を予定しています。
ぜひ次回もご覧ください。