本記事は
Designers Week 2022春
2日目の記事です。
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はじめまして。NRIネットコムでWebディレクターをしている加藤です。
コーポレートサイトやサービスサイトに従事してきた今までの経験から、コンテンツSEOについてお話ししたいと思います。
コンテンツSEOとは、ユーザーに有意義な記事コンテンツを作成することで、検索エンジンの検索結果で上位表示させ、集客につなげる手法です。
特にここ数年では、Googleの分析精度が格段に上がってきたこともあり、注目されているSEO手法と言え、始めてみたいけれど作り方が分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事は、初心者の方でもわかりやすく、コンテンツSEOの考え方や注目されている理由、記事制作までの具体的な手順、そしてメリットやデメリットについての解説を全3回に分けてご紹介予定です。
あくまでも個人の見解とはなりますが、皆さんのモチベーションにつながるような興味深い内容をお伝えできればと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
今回は第1弾として、コンテンツSEOとは一体何なのかという根本的な疑問の解決を目指します。SEO・コンテンツマーケティングとの違いや、どうしてGoogleがコンテンツSEOを重視しているかを、今までのGoogleの経緯を振り返りつつ、順を追って説明します。
コンテンツSEOとは?
コンテンツSEOとは、検索ユーザーに有意義で良質な記事コンテンツを作成して継続的に発信し、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果で上位表示させ、集客につなげるSEOの手法です。
(ちなみに、日本のブラウザシェアはGoogleとYahoo!がほとんどで、Yahoo!もGoogleの検索結果を利用しているため、検索エンジンと言えば実質Google検索のことになります。)
主にオウンドメディア内の「ブログ(コラム)」「FAQ(質問集)」「用語解説」といった読み物系のコンテンツで使え、良質な記事ページを増やしていくことで、そのページだけでなくサイト全体の評価も高めていくことができ、集客数の増加だけでは無く、ブランディングにも効果的に活用することが可能です。
内容が技術やスキル・専門知識・ノウハウに特化していることからも、潜在顧客を獲得する非常に有効な手段とも言えますね。
Google検索のアルゴリズムも高度化されていることから、コンテンツSEOの重要性はこれからますます高まっていくことが予想されます。
検索アルゴリズムの仕組みについては、以下のGoogleサイトに説明があります。
SEOとの違い
SEOは、Search Engine Optimizationの頭文字を取った略称で、「検索エンジン最適化」を意味します。
SEO全体の目的としては、「Googleなどの検索エンジンに分かりやすいWebサイトを作り、検索エンジンからの集客を増やすこと」になるので、コンテンツSEOはSEOの集客対策の1つと言えます。
SEOは、外部施策と内部施策(テクニカルSEO)の2つがあると良く言われますが、そのどちらにも含まれないのがコンテンツSEOです。
外部施策と内部施策は既に対策検討済みで、更に上を目指したいと考えた時に、コンテンツSEOが候補になるというイメージです。
SEOについては、Googleが初心者向けに解説をしているページがあり、是非一度見ていただくことをおすすめします。
コンテンツマーケティングとの違い
コンテンツマーケティングは、ユーザーに有益なコンテンツを作成し発信することで、ファンとなる集客を増やし、最終的にはCV(コンバージョン)へと結び付けていく、一連のマーケティングの手法です。
コンテンツSEOは集客が目標のため、コンテンツマーケティングの手法の1つと言えます。
また、コンテンツマーケティングは自社サイトに限らず、SNS、YouTube、メールマガジンなど、様々な媒体を活用します。
更に言うと、SEOもコンテンツマーケティングも、Webマーケティングの一部ということになります。
コンテンツSEOはなぜ必要?
コンテンツSEOが注目されている背景には、Googleの分析精度が上がってきたことがあります。
精度が上がった結果、ユーザーに有益な情報をしっかりと表示した記事ページのみが上位を占めるようになり、認知度の拡大とブランド価値向上にも貢献するようになりました。
また、広告に依存することの無い集客施策として、前向きに情報発信を検討する企業が増えたためと考えられます。
純粋にユーザーが満足するページを作れば、成果として上位に表示されるため、ある意味非常にシンプルで分かりやすいですね。
Googleの根底を知る
ここで、Googleの掲げる理念についても、触れておきたいと思います。
以下のGoogleサイトに「Google が掲げる 10 の事実」について説明があります。
全てがコンテンツSEOに限定した内容ではありませんが、Googleの理念が端的に書かれており、大変共感できる内容ばかりです。
つまりは、このGoogleの考え方にマッチした記事ページでないと上位に行くことはできないと言えます。
特に大切な部分としては、1つ目に掲げられた
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
ではないでしょうか。 ユーザーの悩みをより早く解決できる記事ページをGoogleは求めています。
ブラックハットSEOとは
Googleの分析精度が今よりも良くなかったSEO対策の時代についても、触れておきたいと思います。
2012年以前のSEOは、ユーザーに良質なコンテンツを提供するよりも、小手先のテクニックを用いて検索順位を無理やり上げる「ブラックハットSEO」と呼ばれる手法が横行していました。
「ブラックハットSEO」の代表例としては、自作自演の不自然な被リンクの大量設置、コメントスパム、隠しリンク、隠しテキスト、キーワードスタッフィング、ワードサラダ、クローキングなどがあります。
Googleは対抗策として、2011年にペンギンアップデート、2012年にパンダアップデートと2つの大きなアルゴリズムアップデートを実施し、その結果、低品質なページはみなペナルティを受けて下落しました。
余談ですが、現在のコンテンツSEOの手法は「ブラックハットSEO」の対義語として、「ホワイトハットSEO」と呼ばれることもあります。
Googleコアアップデートに備える
Googleは定期的にコアアップデートを行っており、その都度アルゴリズムの変動により、ペナルティまではいかなくとも、業種やサイトの構造によってはキーワードの順位にも少なからず影響が出ているのが現状です。
コンテンツを作る担当者としては、順位が不安定なものは極力避けたいものですよね。
ここでブレてはいけないことは、「大切なのは、ユーザーにとって良い記事ページを作ること」です。
Googleはユーザーファーストを謳っているため、ユーザーにとって良い記事ページを信じて作り続けることこそが、Googleへの対策とも言えます。
その前提の上で、アップデートの度に変動する、Googleアルゴリズムに左右されない安定したページ作りのため、特に気を付けていきたい3点をあげたいと思います。
1.YMYL領域は避ける
YMYL領域とはYour Money or Your Lifeの頭文字を取った略称で、お金や健康などのジャンルを示すGoogleの品質評価ガイドラインに定められた項目です。
YMYL領域においては、特に厳しい品質の基準が設けられており、Googleに認められたドメインのみが上位表示されています。
そのため、評価される記事を作成することが難しく、Googleの評価基準に満たないページを作成した場合、サイト全体への低評価にもつながる恐れがあります。
その領域で勝負できるだけの優位性が無い場合は、敢えて直球での勝負は避ける方が無難です。
事前にキーワードの検索結果を確認し、検索結果が大企業や官公庁、有名メディアばかりが表示されるとYMYL領域の可能性が高いため、キーワードの再検討を行いましょう。
2.E-A-Tを意識する
E-A-Tは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取った略称です。
近年、E-A-Tを意識したコンテンツ作りは重要と言われており、キーワードとコンテンツのテーマが乖離することなく、しっかりとE-A-Tが考慮された内容で作り込まれていることが求められています。
どのような指標をもとに、それらの評価をされているかはGoogleのみぞ知るところですが、内容としては言葉通りとなり、専門性と権威性と信頼性のある記事を目指しましょう。
専門性は、記事ページを作る以上あって然るべきですが、権威性や信頼性は、サイト全体のもともとのドメインパワーや、キーワードの種類にも起因するかと思います。
なるべく自分自身が経験した一次情報を記載し、引用や出所が明らかなものに関しては明記し、専門家の監修が必要なら行うなど、可能な範囲で行ってください。
3.マルチユースでリスク分散
SEOを考慮して作った記事コンテンツは、FacebookやTwitterやInstagramなどのSNS、YouTube、メルマガとも相性が良く、是非拡散をしていきましょう。
SEOに力を入れている会社は、総じてSEO以外も頑張って運営している例が多いため、既に対応されているかとも思いますが、SEO以外からの流入もできているページにしておくことは、リスク分散にもなると考えられています。
SNSでの拡散が広がれば自然なメンション(被リンク)も増える結果となり、逆説的ですが、Google検索以外からの流入経路が多くあることは、巡り巡ってGoogle評価につながります。
Google検索順位は何をもとに評価されているか
Googleは独自のアルゴリズムをもとにページを評価してページに順位を付けています。
Googleの公式サイトでは、ページエクスペリエンスについても丁寧に解説されており、関連性が同程度のページが多数存在する場合の検索ランキングにおいては、ページエクスペリエンスが一段と重要とのコメントが出されています。
中でもCore Web Vitals(コアウェブバイタル)という指標は、ユーザーの重要なニーズとして注目が集まっており、「LCP:Largest Contentful Paint(読み込み時間)」「FID:First Input Delay (インタラクティブ性)」「CLS:Cumulative Layout Shift (ページコンテンツの視覚的な安定性)」については、Google Search Console(Googleサーチコンソール)からも確認することが可能です。
Core Web Vitalsについては、以下のGoogleサイトに説明があります。 developers-jp.googleblog.com
Googleの求めるサイト像について理解が深まったところで、次回は、コンテンツSEOの具体的な作成手順について解説を予定しています。
引き続き、よろしくお願いします。
※2022年4月12日に公開した記事ですが、内部指摘により修正して2022年5月9日に再度公開しました。