齋藤です。
前回のブログはアドベントカレンダーのときだったので、約8ヶ月ぶりのブログです。
今回はGA4ではなく、本日発売したLookerの導入本『データ分析BIツール Looker導入ガイド』に関してお話します。 (GA4の導入が済んでいないよ!という方はぜひこちらの記事もよろしくお願いいたします!GA4のコンバージョン設定の仕方)
このブログでLookerを取り上げるのは初なので、Lookerの紹介を簡単に記載します。
Lookerについて
LookerはGoogle Cloud のサービスの1つで、次世代のBIツールと呼ばれています。次のような機能を持つデータプラットフォームを提供している点で「次世代」と呼ばれています。
- 従来のBIツールと異なり、Looker側でデータを持たないアーキテクチャの実現(参照先のデータベースに対してクエリを実行し返却されたデータを可視化します)
- データ抽出に必要なSQLをLooker側が自動生成するため、SQLを書くエンジニアのリソース不足を解消
- ある指標の抽出条件を定義することでデータガバナンスを強化し、データカオスを防ぐ
- メールやSlackと連携する、データを外部公開する、などデータを可視化して終わりにせずデータ活用までを実現できる
書籍内容について
主要目次は次のとおりです。
- Part1:Lookerの基礎知識
- Chapter1 データ活用とLooker
- Chapter2 Lookerとは
- Part2:データを接続・整形する
- Chapter3 データベースに接続する
- Chapter4 LookMLを理解する
- Part3:ダッシュボードを作成・活用する
- Chapter5 データを探索する
- Chapter6 データを可視化する
- Chapter7 ダッシュボードをシェアする
- Part4:Lookerの高度な活用
- Chapter8 LookMLの高度な活用
- Chapter9 ダッシュボードの高度な活用
- Chapter10 キャッシュ・PDTの管理
- Appendix
- Appendix1 ユーザーのアクセスレベルの管理
- Appendix2 管理機能の概要
Part1では、データ活用に関する企業の課題や課題解決を考えたときにハマりやすいところを、Lookerがどのように課題を解決できるのか、課題解決できるところはどの範囲なのかをLookerの機能・アーキテクチャの紹介を交え説明しています。Chapter2では、Looker内の機能、要素の構成を紹介しています。Lookerにあまり触れたことがない方は、出てくる機能、要素の数が多くそれぞれがどの役割を担っているのか、混乱してしまうかもしれません。そんな時はChapter2に振り返ってみるとよいでしょう。
Part2、3ではデータベース接続からダッシュボードを活用するまでの一連の流れ(データベース接続、LookMLプロジェクトの修正方法、Exploreを使用したデータ探索術、見やすいダッシュボードを作成するノウハウ、ダッシュボードを活用)を多くのキャプチャを交え解説しています。特にChapter6は、表やグラフをただ羅列して作成した「それっぽいだけのダッシュボード」にせず「そのデータは誰が見るのか」、「その人にとって知りたい情報になっているのか」といった効果的な可視化のポイントを踏まえています。これはLookerに限らない考え方なので、レポートを作成するような業務を行っている方は必見です!
Part4はより高度にLookerを使用していく方法を紹介しています。派生テーブルと呼ばれる中間テーブルを 定義する、ダッシュボードに次のアクションを組み込む、より効果的な分析を実現するためにダッシュボードを応用的に使用する方法などLookMLの深掘りをしています。また、複雑なデータ抽出を行ったり、可視化するデータ量が増えるたりするとダッシュボードの表示までに時間が過かかります。Lookerのキャッシュ機能を使用しなるべく早くダッシュボードが表示されるようなパフォーマンスの改善を試みる術をChapter10に記載しています。
著者について
NRIネットコムから齋藤圭祐、大沢大樹、喜早彬の3名と、皆葉京子の計4名のメンバーでの執筆活動でした。
普段は全員が異なるフィールドの業務を行っているメンバーです。フィールドが被らないことで各々の尖った強み・知見をふんだんに書籍に盛り込むことができたのではないかと考えています。
執筆してみて
本書の執筆を通して、Lookerが次世代BIと標榜している理由を感じることができました。 データガバナンスをしっかりできたり、分析したデータをシームレスに活用するところで踏み込んでいたりと、データの可視化や分析するだけにとどまらない機能が盛り込まれています。 いわばデータ活用プラットフォームと呼べるのではないかと思います。
Lookerをご検討されている方、データ活用に課題を感じている方のお力になれればと考えていますので、ぜひ本書をお手にとっていただいたり、お声がけいただければ幸いです!