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基本情報技術者試験と応用情報技術者試験を振り返る

皆さんはじめまして、3年目の黒木です。

NRIネットコムのブログにはAWS認定資格に関する記事が豊富にあり、最近では高度情報処理試験のコツについて紹介した記事もあります。資格Weekということで今回はあえて、IT業界の資格として登竜門となる基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)について振り返ります。

tech.nri-net.com

これからFE・APの取得を目指す方に向けて、あくまで私個人の感想になりますが参考程度に読んでいただけたらと思います。

FE・APについて

情報処理試験の中では低~中位置に位置づけられ、IPAが公表している統計情報によるとFEは20代前半、APは20代中盤あたりといった比較的若い方が多く受験しているようです。

IT系の試験としては登竜門と言える資格ではありますが、「IT資格の中では役に立たない」「別に取らなくてもよい」といった意見をよく見聞きします。確かに、AWSやLPICなどのような一部サービスや技術に特化した試験の方が、学習した内容がそのまま実践に役に立つ場面は多いと思います。

しかし、情報処理技術者試験は何を目的とした試験なのかを考える必要があります。情報処理技術者試験全般についてですが、IPAでは以下の通り記されています。

情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、ITに関係するすべての人に活用いただける試験として実施しています。特定の製品やソフトウェアに関する試験ではなく、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く総合的に評価しています。

(引用元: 試験の概要 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

FE・APの試験範囲はテクノロジーだけでなく、マネジメントから企画経営、法務まで求められるIT関連の知識が非常に広いです。どの内容も日本でITに関わるなら最低限これを知っておいた方が良さそうだと感じるものが多い印象でした。即時的に学びが実践に生かされるというものではありませんが、長い目で見ると役に立つ場面が増えてくるような試験だと思います。むしろここで問われている知識がないと、下手したら見識が浅いとも思われてしまうのかもしれません。そう考えると、ここで一通り体系的に学べるのはいい機会ですし、資格として形にできるのは自信にも繋がります。

勉強方法

FE・APの出題範囲は重複する部分が多く、学習する内容についてはあまり違いはないように感じました。そのため私の勉強方法としてはどちらの試験も同じように行いました。

テキストを読む

まずはどのような知識や用語が出題されるのかを押さえておく必要があるため、テキストを1冊決めて1周読みました。情報系を専攻してたのである程度の前提知識はあったものの、やはり触れない分野に出てくる内容についてはわからないことばかりでした。APの勉強の際はFEで学んだ内容とほとんど重複していたため、かなり読み飛ばした部分もありました。

ちなみに私が使用したテキストはそれぞれ以下になります。

gihyo.jp

gihyo.jp

ひたすら過去問を解く

あとは過去問を解くだけでした。過去問については過去問道場を利用しました。午前試験の選択問題は移動中など隙間時間にひたすら多く解きました。午後試験は分野ごとに時間を計りながら解いてました。初めの頃は時間がかかっても良いのですべての問題に回答するようにしていました。試験が近づくにつれ、すぐに答えられない問題を切り捨てるようにして徐々に実践的に学習していました。教本を見つつ、各分野で5〜6年分の過去問を解きました。

www.ap-siken.com

取得後

FEを取得したのは2021年春期(FEは当時まだ現在のAPと同様に年2回開催でした)、APを取得したのは2022年春期になります。それから1~2年の間の経験でFE・APで学んだ知識がどのような形で実務に役立ったか、試験の3つの分野ごとに振り返ります。

テクノロジ系

当然かもしれませんが、テクノロジについて学んだ部分は普段の業務内に多く登場している実感があります。 私はAWSを中心とした開発と運用をしており様々なAWSサービスを用いるため、データベースやネットワーク、セキュリティなど前提となる基本的な知識を理解しておくことでクラウドにも入りやすい部分があったと思います。オンプレミスの経験がない自分にとっては何がクラウド化されたのか、オンプレミスの場合はどのような機械が使われて構成されるのかなどイメージすることに役立ちました。

テクノロジ分野について職種ごとに異なるとは思いますが、IT系の技術者であれば大半の内容は知っておくべきことだと感じました。

マネジメント系

この分野はこれから役に立ちそうだと思ってます。今のところプロジェクトを回す立場ではないため、この辺りの知識を活用するのは年次的にまだ先になるかと思います。

ストラテジ系

内容的には法務や財務、企画経営などITに関わる分野の中でも現段階では中々関わりにくい分野のようでした。ここら辺は社会人として知っておくと良い知識のように思いました。

おわりに

FE・APについて振り返って整理してみました。

IT資格の登竜門とはいえ、取得するの大変だったなぁとしみじみと思い出しながら書きました。後から考えると、試験範囲はそれほど違いはないため、自信があればいきなりAPに挑戦してみても良い気がします。逆に、FEを取得すればAPの勉強では午後の過去問を解くことに多く時間を割けるので段階的に取得してもよいと思います。

ITに関連する業務をするなら、FE・APは取っておいて損はないです。これから取得を考えている方、すでに勉強中の方は頑張って下さい!