こんにちは、上野です。
本記事ではGoogle Cloudの認定試験について紹介します。AWSの認定試験に関してはNRIネットコムのブログでも多く紹介されており、取得されている方も多いと思います。私自身も最初はAWSの認定資格を取得し、その後Google Cloudの認定資格を取得しています。私と同じようにAWS→Google Cloudの認定試験を受けるという順番の方もいるのかなと思いまして、AWS認定試験をよく知っている前提でその違いも含めて紹介していきたいと思います。
Google Cloudの認定資格
現時点では、以下のとおり11個の認定資格が存在します。 詳細は公式ページもご確認ください。
私自身は7個の認定を取得しています。(あと4個です。)
区分 | 資格名 | 受験料 | 言語 |
---|---|---|---|
Foundational | Cloud Digital Leader | $99 | 日本語/英語 |
Associate | Cloud Engineer | $125 | 日本語/英語/スペイン語/ポルトガル語 |
Professional | Cloud Architect | $200 | 日本語/英語 |
Professional | Cloud Database Engineer | $200 | 英語 |
Professional | Cloud Developer | $200 | 日本語/英語 |
Professional | Data Engineer | $200 | 日本語/英語 |
Professional | Cloud DevOps Engineer | $200 | 英語 |
Professional | Cloud Security Engineer | $200 | 日本語/英語 |
Professional | Cloud Network Engineer | $200 | 英語 |
Professional | Google Workspace Administrator | $200 | 日本語/英語 |
Professional | Machine Learning Engineer | $200 | 英語 |
Google Cloud認定資格の特徴
AWSとの違いも一部紹介しながら、特徴を紹介していきます。
Google Cloud以外の内容も多く出てくる
どういうことか、具体例でいくつか紹介します。
たとえばMachine Learning Engineerの試験ガイドを読んでみると、特徴量エンジニアリングやデータの評価など、機械学習の一般的な知識も問われます。AWSのMachine Learning - Specialtyも同様に機械学習の一般的な知識が問われますが、Googleではより多く問われた印象があります。
また、Cloud DevOps Engineerでは、サイト信頼性エンジニアリング(SRE)の知識や、Terraform、インシデント管理方法などが問われます。クラウドの試験というよりは、クラウドというプラットフォームでどうDevOpsを実現するかが問われた試験かなと思います。すごく勉強になる試験でした。
また、ベースがKubernetesやGKEになっているサービスが多くある(と推測している)ためか、Kubernetesの一般的な知識もいくつかの試験で問われました。
ケーススタディがある
ケーススタディは、架空の会社の説明や要件があって、その状況を理解して適切な回答を選択するような問題です。会社の説明部分が長くなるのですが、試験ガイドにもケーススタディに出てくる架空の会社の情報は記載されているため、事前に読むと良いでしょう。 以下はProfessional Cloud Architectの試験ガイドですが、事例紹介のところに各ケーススタディへのリンクがあります。もちろん、試験中にもケーススタディの情報は確認可能です。
Professional Cloud Architect 認定試験ガイド | Google Cloud
英語のみの試験が多い
AWSではベータ版以外の試験は基本すべて日本語版の試験が公開されますが、Google Cloudでは全11個中4個が英語のみの試験となっています。私はここがネックになることは感覚的に少なかったですが、Machine Learningの試験は問題文を読むのに苦労しました。ちなみに試験を受けるためにアカウントを作成が必要なのですが、英語/日本語それぞれ別のアカウントが必要になります。
試験料金の支払いがUSドル
AWS試験は日本円支払いのため毎回固定の額を支払いますが、Google Cloudはドルで支払い、クレジットカード支払い時の為替に金額が大きく影響します。1ドル140円だとして、$200の試験だと28,000円ですね。社内で金額申請する場合はその時の為替も気にするようにしましょう。
有効期限が2年
AWSの場合は3年です。この1年がものすごく異なるように感じます。2年だと「あれ、こないだ受けたばっかりなのに・・」という感覚です。クラウドはアップデートが早いので更新が必要なのはよく理解できますが、有効期間はどのくらいがちょうど良いのか難しいところです。
Google Cloud限定グッズが貰える
認定試験に合格すると以下の写真のような限定グッズが貰えます。試験区分ごとに商品が異なるのが面白いです。たとえばMachine Learningでは写真のようなベストがあり、データサイエンティストのような雰囲気を感じます。
試験対策、どう勉強するか
私が経験した勉強方法を紹介します。
Google Cloud Skills Boost(旧Qwiklabs)
コチラから登録して利用可能です。ハンズオン手順と実際のGoogle Cloudプロジェクト環境を払い出してくれる学習コンテンツとなります。基本的にはクレジットを購入して利用する有料のコンテンツとなりますが、不定期でキャンペーンもやっており、無料で利用できる場合もあります。
私はこういったキャンペーンのサブスクリプションを使用して、触ったことないサービスのクエストを進めて理解を深めていました。また、ハンズオンのコンテンツは無料で見えるため、自分で学習用のGoogle Cloudプロジェクトを用意できる方はコンテンツだけ利用して学習を進めるのも良いと思います。料金には注意しましょう。
サービスのドキュメントを読む
新たに知りたいサービスのドキュメントをひたすら読みます。前述したハンズオンと両方見ることで理解が深まります。たとえばCompute Engineだと以下のページです。
このドキュメントとハンズオンを行き来するという学習方法は、AWSと共通のオススメなやり方です。
サービス以外のドキュメントも読む
Google Cloudには、以下のようにGoogle Cloudの直接的な機能紹介ではない素晴らしいドキュメントも多く用意されています。試験区分に応じて、色々なドキュメントを探して読んでみると良いと思います。
- エンタープライズ企業のベスト プラクティス
- Google Cloud security foundations guide
- Google Cloud での Terraform
- コンテナ構築のおすすめの方法
Udemy
Udemyにも試験を想定した問題集がいくつか公開されています。試験対策にはこういった問題形式の学習も有効なので基礎知識がついてきたらやってみることをオススメします。
公式模擬試験
各試験には模擬試験が用意されており、試験ページにリンクが用意されております。無料で20問受けることができ、解説も付いているので実力試しとして使いましょう。
書籍
公式の試験ガイドもありますが、私はそちらは読まずに以下の本をGoogle Cloudを触り始める際に入門として読んでいました。
最近では他の本も多く出ているので、自分が気に入った1冊を入門として読むとGoogle Cloudの概要が掴めると思います。
試験の難易度は?
特にAWSの認定試験と比べてどうなの?という方も多いかと思います。試験区分や前提知識によって変わるところなので一概には言えないところもあるのですが、AWSのSolution Architect ProfessionalやAdvanced Networkingなどの難しい認定に比べると、比較的Google Cloudの認定試験は取りやすい印象でした(全部受けたわけではないのですが)。Google Cloudのサービスや機能が、AWSと比べてシンプルに見えるので、試験も必然的にシンプルになるところもあるのかなと考えています。
さいごに
概要レベルにはなりますがGoogle Cloudの認定試験についてまとめてみました。AWSの認定試験をすべて取って次はどうしよう?と悩んでいる方、Google Cloudはどうでしょうか?私もまだ未取得のものがあるので機会を見て頑張っていこうと思います。