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AWS認定資格ではないけど、AWS実務に役立ったベンダー資格

はじめまして。NRIネットコムの後藤と申します。

現在、私はAWSの設計業務に携わっていますがエンジニアになる前は営業職でした。AWS技術の習得に苦労した経験があるので、その経験を基にAWS実務に役立った資格を紹介します。AWS認定資格が実務に役立つのは当然なので、あえてAWS認定資格以外の資格を紹介します。これからAWSを学ぼうとする人やエンジニア歴浅めの人を対象の読者としています。

結論

CCNAが役立っています。

CCNAとは

CCNAについて説明しておきます。

CCNAとは「Cisco Certified Network Associate」の略で、世界最大手のネットワーク関連機器メーカーであるシスコシステムズ社による認定資格です。 シスコ社製品(CiscoルーターやCatalystスイッチ)の知識だけでなく、IPアドレスや通信プロトコルなどのネットワーク知識についても問われるため、ネットワーク分野の登竜門ともなっています。 IT業界では広く認められている資格であり、この資格を持っておけばネットワークに関する知識について最低限備えていると証明できます。

試験ではネットワークの計算やログの解析、コマンド暗記などの幅広い出題がされます。加えて、公式には非公開であるものの合格最低得点率は80%程度と言われており、受験料が税込み42900円ということからも受験ハードルがなかなか高い試験です。

昇格要件対象や報奨金対象としているIT系企業も多いのではないでしょうか。それほど、この資格に有効性があるということです。

CCNAを通してどうAWS実務に役立つのか

では、CCNA取得を通してAWS実務にどう役立つのか?
それはAWSにおいても必須なネットワーク知識をしっかり理解できることです。

AWSでシステムを作成する際、必ずと言って過言ではないほどVPCというネットワーク系AWSサービスを設定することになります。 VPCの設定内容は多岐に渡るので、都度ググって調べることになると思います。
そこで困るのが、ネットワーク用語ばかりで何を言っているか分からないという現象です。
NATやDHCPなどのネットワーク用語を既に知っている前提で説明されることが多く、分からない単語を分からない単語で説明されるため理解に時間がかかったり、とりあえず覚えるだけになってしまうことがあると思います。

AWS認定資格に合格するためなら、百歩譲って用語の暗記で問題ないですが実務だとそうもいきません。設計構築フェーズではネットワーク知識がないとそもそも仕事にならないですし、運用保守フェーズではルートテーブルやゲートウェイの設定値を見ながら経路制御やトラブルシューティングを行う業務もあります。ネットワーク分野はどの工程でも使う知識になるので、しっかりと理解しておくことが重要なのです。

CCNAの勉強方法

個人的におススメする教材はCCNAイージスping-tというサイトです。CCNAイージスというサイトは「CCNAの教科書」と謳っているだけあって、単元ごとにしっかり解説されています。しかも無料です。とっかかりの教材として使うことをおススメします。
ping-tというサイトについては問題数がかなり多く、無料登録だけでも約400問も利用できます。CCNAイージスで理解して覚えた知識を試す問題集として使うことをおススメします。

この2つのサイトを使って、次の流れをひたすら繰り返せば合格は見えてくると思います。
①CCNAイージスをざっと一周読む→②ping-tで問題集を解く③分からないところは、ping-tの解説とCCNAイージスの解説を見る。④ping-tで問題集を解く

CCNA試験ならではのクセ

試験を受けるうえでのクセがあるので、2つ紹介しておきます。
まず1つ目は通常のCBT試験と違って、一度問題に回答したら戻ることも修正することもできない点です。「後回しにして次に進もう」ができないので慎重に答えていくべきですが、1問あたり1分のペースで進まないといけません。特に計算問題ではかなり焦るので、練習問題のうちからスピードを意識しておくことをおススメします。
2つ目は変な日本語翻訳です。ネット上ではシスコ語と言われています。助詞の「を」や「に」の使い方が間違っていたり、ログ出力結果が日本語翻訳されていることもあったり、読み解く労力が発生します。全問中1/4ぐらいは原文の英語に戻して読んでいた記憶があります。英語のReadingに慣れていないと、ここでも時間がとられます。

試験の難しさに加えて上記のようなクセがあるので、個人的にはAWS-SAP(AWS Certified Solutions Architect - Professional)より難易度高めだと思っています。

さいごに

これからAWSを学ぼうとする人やエンジニア歴浅めの人だけでなく、AWS業務に慣れてきた人にも再学習としておススメです。 勉強してみてはいかがでしょうか。

執筆者: 後藤 涼太
AWSをメインとするクラウドエンジニア
2024 Japan AWS All Certifications Engineers
執筆記事:https://tech.nri-net.com/archive/author/r-goto