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不安でいっぱいな人のためのre:Invent参加手引

こんにちは、システムエンジニアの檀上です。 普段は顧客の社内システムの要件調整・基本設計などを担当しています。

さてこの度、アメリカ ラスベガスで開催されたAWS re:Invent 2024に参加させていただきました。 参加をさせていただくことになったものの、過去のre:Invent参加録を見たところ、「一日3時間睡眠が普通」「毎日2万歩から3万歩歩く」「アドレナリンと気合で乗り切れる」みたいな恐ろしい記事をたくさん見かけました。

私はそんなに長時間労働にはなっていない普段の業務でも、体力的にも精神的にもいっぱいいっぱいです。なんとかやってます。毎日が日曜日とは言わんからせめて週休3日になってくれといつも祈ってます。 そんな私がAWS re:Inventを乗り切れるのか非常に不安になっていました。

しかし、その不安をばねに色々と準備したところ、なんとか1週間無事に乗り切ることができました。 そこで、「これよかったよ!」「こうしたほうがよかった」というTipsを共有します。

「AWS re:Inventに参加したい。でも自分みたいな体力・ガッツが少なめの人間でも大丈夫なのかな。やめとこうかな。」 と考えている方にもぜひ行ってほしいと思っているので、その背中を押せる記事になればと思います!

現地の気候について

気温について、ラスベガスは東京と同じくらいの緯度で、日本の都市と気温はあまり変わりませんでした。 会場は暖かく、外は寒いため、温度調節のできる服装が良いと思います。私は屋内では極暖ヒートテック、薄手のセーターを着て、屋外ではいつも冬に来ているアウターを着て、寒ければウルトラライトダウンベストを足すという方針で丁度良かったです。

湿度について、日本の12月は湿度60%程度ですが、現地は湿度20%程度です。湿度対策として下記を実施して、喉は壊さずにすみました。

  • 寝るときは濡れマスクをつける。
  • 部屋ごとにエアコンが設定できる場合はエアコンを切る。
  • 水分を多めにとるように意識する。(会場では無料で水筒に水を補給できます。)
  • のど飴を常にリュックに入れておき、喉がいがいがしてきたら食べる。
  • 顔・体の保湿グッズは日本だとやりすぎなくらいがちょうどいい。
    • 私は体の保湿が不足していたためか、後半は乾燥や摩擦によるじんましんや持病のアトピー性皮膚炎が再発しました。服は数着だけ持っていきごしごし洗って干していたため、服がごわごわしていたのも一因な気がしています。肌が弱い方は、洗濯用の袋を購入して持っていくか、荷物は増えますが日数分の服を持っていった方が良いと思いました。
    • 同僚は、後半は顔に化粧水を塗っただけでピリピリすると言っていたので、顔もちゃんと保湿したほうが良いです。

現地は砂漠のど真ん中です

現地での食事について

各会場で朝食(7:00-9:00)と昼食(11:00-13:00)が食べられます。会場のご飯は野菜も多く、かつ無料です。ここでしっかりご飯を食べましょう。 原材料はすべて公開されているわけではないですが、各会場の細かい材料が見れるページが用意されています。(会場入り口の看板にQRコードがあります)

私はナッツ類全般・タコなどの一部魚介などにアレルギーがありますが、会場のビュッフェ前に置いてあるメニュー表にかなり詳しく材料が書いてあるため、それを読んで判断していました。 強いアレルギーをお持ちの方は、会場のスタッフに質問すれば答えてもらえるかもしれません。(すみません、私は実践できませんでした。)

現地の食事だけではつらくなり、出汁のきいた日本のご飯が食べたくなる可能性があります。 メイン会場のVenetianにあるジャパンサポートデスクでは、味噌汁・日本茶・割りばし・紙コップ・お菓子などを無料で提供してもらえたそうです。行ってみると何かいただけるかもしれません。 また、ラスベガスのホテルには部屋にケトルがないため、トラベルケトルを購入して持参しました。お湯を使うインスタント食品を持っていく場合は用意しておきましょう。 電子レンジはないため、電子レンジ必須のインスタント食品は諦めましょう。

現地での休憩について

疲れたときは会場のソファで休憩したり、素直に部屋に戻って休憩しましょう。仮眠をとるのもよいです。 現地に行く以外の方法でセッションを見る方法もあるので、適切に利用しましょう。キーノートはオンラインで視聴できますし、セッションによっては各会場にあるContent Hubという部屋でリモートで上映されている場合もあります。

また、各会場にReflectionRoomという部屋があり、祈りを捧げたり、ヨガをしたり、休んだりする人のための暗い静かな部屋として提供されています。私は最終日にここで1時間ほど休みました。

処方薬、市販薬の持ち込みについて

基本的には持っていって問題ないです。機内持ち込みもできました。市販薬としては、胃薬、整腸剤、頭痛薬、痛み止め(解熱剤)あたりがあると安心です。

空港で止められた時のために、処方薬は医師による処方箋(とその英訳)、市販薬は箱ごと持参し、薬が正当に処方されたもの・成分に問題がないものだと証明できるようにしておく必要があります。 私は出発数日前に風邪をひいたため、すぐにかかりつけ病院に行き1週間分の薬(錠剤と吸入器)を処方してもらい持ち込みました。

参考リンク:海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて|厚生労働省

歩数について

会場は本当に広く、会場間・部屋間の移動が大変です。歩数を減らすため、できるだけ同じ会場内の移動のみになるようにスケジュールを組みました。 例えば、朝Venetian(メイン会場)で朝食をとり、キーノートを現地で聞く。→MGM(別会場)までバスで移動して昼食をとり、セッションを1~2個聞く。と言った具合です。

また、GameDayやWorkshopなどの2,3時間かかる長めのセッションをとるとその分細かい移動はしなくて済む、、かもしれません(その分、頭を使って疲れますが)。 私はキーノートとWorkshopを中心に予定を組み、1日14,000歩程度に歩数を抑えられました。

毎日夜にストレッチをして、足を休める湿布を貼って寝ていました。1日サボったところ翌日明らかに辛かったので、絶対にやった方が良いです。

会場の1つ、Mandalay Bayの外観です。ホテルの周りの木の大きさでスケールが大きいことが分かります。。

睡眠時間について

日によりますが、セッションの終了時刻は、早い日は18:00頃、遅い日は21:00頃です。 会場ではディナーは提供されないため、ホテルに戻ってご飯を食べたら部屋に戻るのは遅くて23:00頃。それからシャワーを浴びたり、その日の整理・翌日の準備をしていたら、0:00を超えて就寝となる場合も多いです。 また起床時間について、例えば2日目のキーノートは8:00開始で、現地で翻訳機を受け取ろうと思うと1時間ほど前から並ぶことになり、起きるのは6:00頃ということになります。 このため、何も考えないと「1日の睡眠時間は3時間です!」というような猛者ムーブが必要になってしまいます。

下記のような方針を立てると睡眠時間が確保できるのではと思います。

  • 翌日早朝のセッションがある場合は、前日のセッションは早めに切り上げる。会食が設定されている場合は別日に調整する。
  • 夜遅い用事がある場合、翌日朝のセッションは宿泊ホテル近くの会場にする。
  • 疲れたときは部屋に戻って仮眠をとる。疲れた状態でセッションを聞くと何も入ってきません。

私は結局平均睡眠時間5時間弱でした。かなりしんどいですが、ギリギリやっていけるレベルでした。

睡眠時間が少なめなのは業務の宿題がある状態だったせいです。。ちゃんと宿題を終わらせてから出張していれば、平均6時間弱確保できたはずでした。

自分のやる気と体力について

あれもこれもと欲張ると、なかなか成果が得られません。 なので、「私はこれを勉強して/経験して帰るんだ!」という目標を決めておくといいと思います。

私は、一緒に参加した同僚が私から見てAWSのエキスパートばかりだったので、「私はいったい何をすればいいのか」と悩みました。 そこで、私は普段AWSを業務で触らないので、1日最低1つはワークショップに参加して実際にシステムを作ってみる、という目標にしました。 逆にそれ以外は休憩やコミュニケーションに費やしてもいいと考えていました。

また、サプリにも頼りましょう。私はアリナミンを持っていき、毎日飲んでいました。

やる気を回復できるような、自分なりのリラックスグッズを持っていくのもよいと思います。 私は3日目に急に気力が0になってしまったのですが、お味噌汁といつものカフェオレを飲んで、大好きなパズルゲームを少し楽しんだら気力が回復しました。

おわりに

私は実際に現地に行って良かったなと思ったことが3つあります。

  1. 1週間業務を離れて、技術やアーキテクチャ、エンジニアのキャリアパスについて考える時間がとれた
  2. 語学やクラウド技術など、もっと勉強していたらもっと興味のある分野の話が聞けたな、と感じ、学習意欲が湧いた
  3. 学習した技術を自分の業務に活かすならどうするか?を考えることがあり、担当システムの今後の開発計画についてアイデアが湧いた

日本にいてもできるやろ!と言われたらそうかもしれませんが、普段の業務に追われている中でこうしたことに取り組むのは難しいのが実情です。 こういったきっかけを作れたという意味でも、今回参加できて本当によかったです。

「行ってみたいけど、色々と不安です」という方も、ぜひぜひ一歩を踏み出してみてください!

執筆者:檀上未来
システムエンジニア。人の話を聞くことが好きです。