本記事は
Designers Week 2022春
9日目の記事です。
💐
8日目
▶▶ 本記事 ▶▶
10日目
💐
はじめまして。Webデザイナーの馬場です。
NRIネットコムで証券等金融系や流通系ほかさまざまなサイト・アプリのデザイン制作に日々勤しんでおります。
今回はサイトデザインと共に制作依頼をいただくことがあるコンテンツやサービスのロゴについて、役割や効果を上げるための考え方について解説していきます。
ロゴのはじまり
起源は古代メソポタミア文明まで遡ります。所有者などを示すために使用された「円筒印章」に図や文章が書かれ、そこから様々な情報が得られていたことがはじまりと言われています。
ロゴがブランドの役割として用いられた原点は、放牧している牛などの家畜の所有者を識別するための「焼き印」だったそうです。
識別のためのマークが、商品としての判断基準となり、消費者へ印象を植え付けるツールとなっていきました。 人間が文字よりも絵や図の方が記憶しやすく、文字を読まずとも伝わることが、ロゴの発展の要因と言えます。
ロゴの種類や形状
一言にロゴと言っても色々な種類があり、掲載場所や用途によって適したものが変わってきます。
企業名、商品名などの文字をモチーフに図案化・装飾化したものがロゴタイプ、 企業、団体、個人、サービスなどを象徴する意匠、マークのことがシンボルマーク、ロゴタイプとシンボルマークを組み合わせ図案化したものがロゴマークになります。
- シンボルマーク+ロゴタイプの横並び
コンテンツのロゴや商品ロゴは横並びで作成することが多いです。
コンテンツのロゴは高さに制限があるWebサイトのヘッダに配置したり、商品ロゴであればコンテンツページ内でのバランスとマークとしての働きよりも名称の可読性を優先するため横並びの形状が向いています。
- シンボルマークの下にロゴタイプを配置した縦並び
Webページを最初に開いた時に印象つける効果でロゴを表示させたり、ローディングページなど表示領域がある程度広く、デザインされた文字の視認性が保たれる箇所に使用されます。
ロゴの役割とは?効果とは?
ブランドイメージの認知度向上
人間は視覚から受ける情報が8割とも言われています。
どれだけ印象に残るか、良い印象を与えられるかはデザインの表現にかかっていると思います。
ロゴの認知度が上がれば、競合他社の商品が並ぶ中でも差別化がはかれます。良い印象を与えることでブランドそして企業のイメージアップにつながっていきます。
コミュニケーションツールとして
ロゴはコミュニケーションツールとしての役割もあります。
社内のプロジェクトチームでチームロゴを作成するとします。 揃いのTシャツや社内広報のアピールなどに活用することで、チームの一体感が生まれ、士気が高まります。 相乗効果によりプロジェクトの成功へと導く大切なツールとなり得ます。
効果的なロゴを作成するためには
まずはコンテンツやサービスのコンセプトを理解し、クライアントが掲げる理念に合致した考えのもと、進めていきます。 それらをベースにして言語化していきます。 言語化することで頭の中が整理され、具体的なイメージが湧き、方向性が定まり、形にしやすくなるからです。
シンボルマークは瞬時に印象に残るようにあまり複雑にしません。 コンテンツではシンボルマークをファビコンとしてそのまま利用することもあるので シンプルなデザインで、いかに印象に残させるかが重要になってきます。
ロゴタイプはゴシック、明朝、丸文字など、言語化されたイメージに合った書体を元に形を調整していきます。文字の太さや間隔のバランスの取りかたでも与える印象は変わってきます。 文字自体に装飾をつけ、ブランドのイメージを表現することもあります。
同じロゴでも色が変われば当然イメージも変わってきます。 色を決める時もコンセプトをもとに言語化した情報から想起すると決定しやすくなります。
ロゴは権利も大事!
せっかく魂込めて作っても、類似するものがあったりすると模倣と思われかねないのでチェックはしましょう。
・特許庁 Toreru商標検索 https://search.toreru.jp/
・Google画像検索 https://images.google.com/
ロゴは制作者に著作権が発生します。 著作権を譲渡するには契約書を締結し、著作権者をはっきり明記させます。 他者に勝手に使用させないよう商標登録することも可能です。 ロゴマークとロゴタイプで権利が変わってくるので取扱いには注意が必要です。
引用: https://topcourt-law.com/intellectual-property/copyright_logo
まとめ
ロゴは限られた大きさの中で、企業が伝えたいコンセプトや思いを表現し、認知度を向上させることに大きな効果があります。 街を見渡すだけでもいたるところにロゴは存在します。 昔ながらの店名の書体がおしゃれだったり、印象に残るようなロゴを見つけたりします。 そこに込められた企業側の思いや、形にしたデザイナーの考えを楽しみながら想像したり、自分なりに解釈してみるのもデザイナーとしてのトレーニングになりますし、次の制作に活かせるのではないでしょうか。