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音楽をNFT化して出品してみた

はじめに

はじめまして!入社1年目の堀山です。

突然ですがみなさん、NFTってご存じですか?
「何か耳にしたことはあるけど、実際よく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そうですよね、私もその一人です。
以前からNFTについては興味を持っていたものの、なかなか学ぶ機会を設けられずにいました。
そこで今回は実際に「NFTアート(音楽)」を作ってみることを通して、NFTへの理解を深めようという試みになります。

NFTに興味のある方はぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。

NFTとは

まずNFTとは何なのかについて簡単に知っておく必要がありますよね。
総務省がNFTについて説明しているものを見つけました。

非代替性トークン(Non-Fungible Token。以下「NFT」という。)は、「偽造・改ざん不能のデジタルデータ」であり、ブロックチェーン上で、デジタルデータに唯一性を付与して真贋性を担保する機能や、取引履歴を追跡できる機能を持つものとされている。NFTにより、原本の唯一性・真正性の証明、プログラム可能性による二次流通時でも作者が収益を得られるような設計が実現可能となることが期待されており、NFTを活用した社会課題解決や共生社会実現に向けた取組も進められている。
総務省|令和5年版 情報通信白書|Web3の応用事例
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd131120.html

なかなか難しいですが、 「唯一性を付与」・「真贋性を担保」・「取引履歴を追跡できる」 このあたりがNFTのポイントのようですね。

こうした特徴を活かし、NFTは先述したアートにとどまらず、ゲームやスポーツの世界など幅広い分野に広がりを見せているようです。

今回は技術や仕組みについて詳しく学ぶというのは本筋ではないため、
より技術的な部分を知りたいという方はこちらをご参照ください。
tech.nri-net.com

では早速NFTアートを作り、出品するための準備に入っていきたいと思います。

NFTアート出品までの流れ

まずは流れを確認していきましょう。(こちらは一例です)
NFTアートを出品するまでの流れを6つのStepに分けてみました。

Step1 : 暗号通貨取引所の口座開設をする
Step2 : 仮想通貨を購入する
Step3 : ウォレットを作成する
Step4 : 仮想通貨をメタマスクへ送金する
Step5 : NFTマーケットプレイスにて音楽をNFT化する
Step6 : いざ出品!

この順序に沿って実際に出品をしてみましたので、これから見ていきましょう。

Step1 : 暗号通貨取引所の口座開設をする

NFTを出品するにはガス代と呼ばれる手数料がかかり、それは仮想通貨で支払う必要があります。
そこでまずは暗号通貨取引所にて口座を開設し、仮想通貨を購入するための準備を行います。

さまざまな取引所がありますので、お好みの場所で口座開設をしましょう。

ちなみに私は今回SBI VCトレードを利用してみました。

簡単に口座開設時の手順も記載しておきます。
①メールアドレスとパスワードの登録
②電話番号での認証
③氏名、生年月日、住所等の個人情報を入力
④出金口座情報の登録
⑤スマートフォンでの本人確認

Step2 : 仮想通貨を購入する

開設の申し込みから数日後、無事に開設完了の連絡が来ましたので、実際に仮想通貨を購入していきます。
今回はETH(イーサリアム)という仮想通貨を試しに約3,000円分購入してみました。(日本円を入金→ETHを購入)
↑ここでETHを選択したことを後々後悔することになるのですが、それはまた後ほど…


SBI VCトレードでは、入出金タブから入金を行う金融機関と入金額を入力することができます。

↓購入できたようです!

私が購入をしたタイミングでは1ETH = 376,700円でしたので、 約3,000円で購入できたのは0.0079ETHでした。
1ETHの価格が高すぎて何だかとても少なく思えてしまいますね…

Step3 : ウォレットを作成する

無事に仮想通貨を購入することができましたが、
NFTアートを出品するためには今購入した口座から専用の財布(ウォレット)へ送金をする必要があります。
そこで今回私はMetaMask(メタマスク)というウォレットを利用してみることにしました。

メタマスクはChromeの拡張機能としても用意されており、簡単にダウンロードすることができます。

chromewebstore.google.com

メタマスクの作成手順は下記の通りです。
①「新規ウォレットを作成」をクリック
②パスワードを設定し、シークレットリカバリーフレーズ(12単語のフレーズで構成されており、ウォレットと資金への「マスターキー」となるもの)を確認


これでメタマスクの作成も完了です!

Step4 : 仮想通貨をメタマスクへ送金する

続いて取引所にて購入した仮想通貨を作成したメタマスクのアドレス宛に送金します。

ここで一つ注意ポイントです!
先ほど仮想通貨を購入しましたが、購入から7日間は入出金をすることができません
当然メタマスクへの送金も行えませんので気をつけましょう。
私はそれを確認しておらず、なぜ出金できないのかと焦りました…

SBI VCトレードでの実際の手順を確認していきます。

①トレーダーモードにログイン
SBI VCトレードには基本的な機能のみに厳選したシンプルモードと
細かい機能も備えたトレーダーモードの2種類があります。
メタマスクへの送金はトレーダーモードで行う必要がありますので、シンプルモードでログインしている場合にはトレーダーモードへ切り替えましょう。

②出庫アドレスの登録
まず行うのが出庫アドレス(送り先)の登録です。
先ほど作成したメタマスクのアドレスを登録していきます。

初めにトレーダーモード内の「出庫アドレス登録」をクリックします。

新規登録を選択すると、以下のような登録画面が表示されますので入力していきます。

  • 暗号資産:送金する仮想通貨を選択
  • アドレス:送金するメタマスクのアドレスを入力(※下で解説)
  • アドレス名称:自由です

アドレスはメタマスクにログインし、ページ上部のアカウント名の下の部分から確認することができます。
カーソルを持っていくとクリップボードにコピーすることができます。


アドレスの登録が完了したら、メタマスクに送金していきましょう。
先ほど選択した「出庫アドレス登録」の一つ上にある「暗号資産出庫」をクリックし、出庫情報を入力します。


ここでは出庫する暗号資産の種類や数量を入力できます。
出庫アドレスは先ほど登録したアドレスを使用します。

手続きが終わると登録したメールアドレス宛に確認メールが送信されますので、メール内に記載のURLをクリックし、出庫予約を完了させましょう。

出庫予約完了の翌日、出庫完了のメールが届きました。
メタマスクを確認してみると、送金したETHが反映されています!
無事に送金できたようです。

Step5 : NFTマーケットプレイスにて音楽をNFT化する

いよいよ最終段階です。
自分の作成した音楽をNFTにし、NFTマーケットプレイス(NFTを売買するためのプラットフォーム)に出品していきます。

今回はOpenSeaというNFTマーケットプレイスを利用してみることにしました。

opensea.io

まずは右上のログインをクリックします。
次に何で接続するかを聞かれますので、メタマスク(MetaMask)を選択しましょう。

あとは指示に沿って進めていけばアカウント登録とログインが完了します。

その後、プロフィールの編集ができるようになりますが、必須ではないため今回は割愛させていただきます。

それでは準備が整いましたので、自分の音楽をNFT化していきましょう。
今回NFTを作るために用意したのは下記2点です。

  • 自分の作った音楽をMP4形式にしたもの
  • コレクションのロゴにする画像

まずトップの「作成」をクリックし、「NFTをミント」を選択します。

この「ミント(Mint)」とは「鋳造する」という意味で、NFTを新しく発行することを指します。

続いて「コレクションを選択」をクリックします。

「新しいコレクションを作成する」をクリックすると、ロゴ画像を設定する画面に切り替わりますので、
こちらに自らで用意した画像をアップロードします。

順調かと思いきや、ここでまさかの事態発生です。

こんなところに落とし穴!!

NFT化するためにはガス代(手数料)がかかるとStep1でお伝えしました。
ガス代はコレクションを作成する際にも発生するのですが、そのガス代がこちらです。

0.027ETH…!?(私が購入したのは0.0079ETH)
3倍以上です…さすがにそこまでのガス代は私には払えません。

どうしよう…と悩んだのですが、一つ解決方法を見つけました!
それが「使用する仮想通貨を変える」という方法です。
そこでETHよりもガス代を安く抑えることができる通貨、MATIC(ポリゴン) を利用することにしました。

ということでStep2からやり直しです。
気を取り直して頑張っていきます!
(ちなみにMATICの価格ですが、購入時は1MATIC = 152円でした)

ETHと同じ流れでメタマスクにMATICを送金し、OpenSeaにログイン!
今度こそ本当に準備完了です。

↓MATICでのガス代がこちら(ETHと全然違いますね)

ETHでは1万円ほどかかるはずだったガス代がMATICでは20円程度で済みました。

そしてまずはコレクションの完成です。

続いてNFTを作成していきます。
「NFTを作成」をクリックすると先ほどの画面に戻ってきますので、
左側の部分にMP4化した自分の音楽をアップロードしていきます。

アップロードが完了しましたら、右側の必須項目の入力をしていきます。(供給とは「そのNFTをいくつ作成するか」ということです。2以上にすると複数作成されます。)

そこまで完了したらいよいよNFTを作成していきましょう。
右下の作成ボタンをクリックします。

再びガス代が発生しますが、MATICなので安心です。(かかったガス代は約0.08MATIC = 約12円)

そしてついに!自分の作った音楽をNFTにすることができました!嬉しいです!(なぜか画像が表示されていませんが…)

Step6 : いざ出品!

最後に作ったNFTを出品していきます。
先ほどの画面の「アイテムを出品」をクリックし、出品のページに移動します。(プロフィールからも遷移可能です)

ここでは販売の方式や価格、販売期間等を決めていきます。
販売方法は

  • 固定価格
  • オークション形式

の2つから選ぶことができます。

入力が終わりましたら、いざ出品です!

↓できました!
https://opensea.io/ja/collection/case-closed-1 (購入お待ちしております笑)

おわりに

長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ガス代が高すぎて支払えないトラブルもありましたが、なんとかNFTを作成・出品することができました。
これからもさまざまな技術に興味関心を持ち、楽しみながら学ぶ姿勢を大切にしていきたいと思っています。
みなさんもぜひオリジナルのNFTを作って出品してみてください!

執筆者:堀山皓平 システムエンジニア