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新人が応用情報技術者試験を受けてみて~合格3原則~

はじめに

時は2X23年!新人は、試験の炎に包まれた!

皆さんはじめまして、入社1年目の藤村です。 本記事では、私が応用情報技術者試験(AP)を受験してわかった合格のコツやポイントについて、 これからAPを受ける新人の方に向けてお話しします。 合格のコツは「退く!媚びる!省みる!」の3原則です。

応用情報技術者試験(AP)について

応用情報技術者試験(AP)とは、IPAが実施する情報技術者試験の一つであり、 基本情報技術者試験(FE)の上位に位置する国家試験です。FEに比べて出題内容がより細かくなり、 基礎知識を使った論理的思考力を問われる記述形式の問題も出題されます。 この記述形式の問題がくせ者でありハードルは高いですが、合格できれば、一生ものの国家資格がゲットできます!

詳しい試験内容や形式については ↓ をご参考ください。

www.ipa.go.jp

その1(午前): すぐに分からなければ退く

解ける問題から解いていきます。問題をパッと見て、すぐ分からなければ後回しにします。というのも午前試験では150分間で80問を解く必要があります。単純計算すると1問あたり1.875分で解かなければなりません。計算問題が苦手という方は、計算問題を全て後回しにするのも良いと思います。「時間ゆえに人は苦しまねばならぬ!!」

解答速度を上げるためにも、ひたすら過去問に挑戦することをオススメします。APの午前試験のおよそ半分は過去問と同じです。 合格ラインが6割なので、過去問を素早く解けるようになっていれば合格にぐっと近づくはずです。 何周も解いて慣れてきたら、各設問に時間設定するのも良いかもしれません。

特に過去問道場サイトを利用して、分野別に5年分の過去問を解くことをオススメします。

www.ap-siken.com

その2(午後): 得意分野に媚びる

午後試験は出題範囲が広いので、得意分野に頼りましょう。 午後試験では全11分野のうち、選択必須の「情報セキュリティ」分野を除いて、残り4分野を選択して解答します。出題分野は以下の通りです。

  1. 情報セキュリティ(必須)
  2. 経営戦略
  3. プログラミング
  4. システムアーキテクチャ
  5. ネットワーク
  6. データベース
  7. 組込みシステム開発
  8. 情報システム開発
  9. プロジェクトマネジメント
  10. サービスマネジメント
  11. システム監査

午前対策に加えて11分野全てを対策するとなると、相当な勉強時間が必要となります。その上、午後試験では午前に比べて更に深い知識が必要となるので、全て網羅するのは非常に困難です。

予め勉強する分野を4分野に絞っておきましょう。時間に余裕があれば、多めに1,2分野追加で対策しておくと安全です。 ITパスポートやFEなどの試験勉強の中で、理解しやすかった分野を中心に選択すると良いかもしれません。 得意分野が特に無ければ、まず一通り過去問に目を通してみて、解けそうな分野、解けそうにない分野を見極めます。

対策する分野を選んだら、後はひたすら過去問や模擬試験を解き、長文問題に慣れていきましょう。 模範解答を見ずに自力で解き、文章からキーワードを見つけ出す力、解答を導き出す力を付けることがポイントです。

その3(共通):解いた問題を全て省みる

過去問を解く上で重要なのが、正解した問題も含めて全て振り返ることです。 過去問や模擬試験を解き終わった後は、間違ったところだけ復習してしまいがちです。 間違ったところに重点を置いて復習するのは、もちろん良いことですが、正解した問題の比重を0にしてはいけません。 「正しく内容を理解して正解した問題なのか」、「たまたま正解した問題なのか」、「正解以外の選択肢はどこが間違っているのか」といった点を 踏まえて振り返ることができれば、より効果的です。

特に、午前対策として過去問を何周も解いていると解答の選択肢を覚えてしまう場合もあります。 選択肢を覚えることで午前は突破できるかもしれませんが、午後ではその解答へ至るプロセスや思考力が結局必要になります。 避けては通れませんね。「お前はもう詰んでいる…」

午前、午後一貫した対策になるので、正解した問題も含めて効果的に復習しましょう。 選択肢が無くても自信を持って答えられる状態だと安心です。

おわりに

APを受験してわかった合格のコツについてご紹介しました。あくまで個人の感想にはなりますが、参考にしていただければ幸いです。

「(この問題からは)退かぬ!、(得意分野には)媚びぬ!、(解答結果を)省みぬ!」とならないよう気をつけてください。 APの試験対策はスマホアプリや過去問サイトで空き時間に手軽に勉強できるので、日々コツコツと継続して効率的に勉強しましょう。 とにかく勉強あるのみです。「勉強に逃走はないのだーー‼」

最後に、応用情報技術者試験を取得することは大切ですが、本質的に重要なのは情報分野に対する幅広い知識をしっかりと身につけることです。 身近なシステムで使われている技術や、最新技術の土台となっている技術もあります。 特にマネジメント系分野は、実際に開発プロジェクトに参画するようになって「応用情報技術者試験でやったところだ!!」となることもあります。

次の高度情報技術者試験にも必要となる知識なので、頑張って勉強しましょう。 私も記憶が薄れ始めているので、次の高度情報試験に向けて復習から入ります…。知識を取り戻せ…。

APをこれから受験する皆さんには、私のように試験中に死兆星が見え隠れしないことを祈ります。

※本記事は、2023年4月時点の応用情報技術者試験の内容をもとに執筆にしています。

執筆者:藤村昇矢
新人システムエンジニア