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『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』という書籍が出版されました!

本記事は  技術書著者Week  1日目の記事です。
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こんにちは、神崎です。私が執筆した『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』という書籍が、2022年7月21日に出版されました。

『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』は、2019年に出版された『徹底活用 Google アナリティクス』に続いて執筆した、2冊目の Google アナリティクスにかかわる書籍となります。『徹底活用 Google アナリティクス』は従来版の Google アナリティクス「ユニバーサル アナリティクス(UA)」に焦点を当てた書籍となっていました。一方『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』はそのタイトルのとおり、次世代版の Google アナリティクス「Google アナリティクス 4(GA4)」に焦点を当てた1冊になっています。

この記事では、『徹底活用 Google アナリティクス』と『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』それぞれについて、著者として私個人が考えたことをつらつらとつづっていきたいと思います。

徹底活用 Google アナリティクス

『徹底活用 Google アナリティクス』は、UA にかかわる書籍としては最後発組でした。タイトルこそ『徹底活用 Google アナリティクス』ですが、Google アナリティクスについて解説している書籍は市場に数多く出回っていたことから、私個人としては差別化のために「Google マーケティング プラットフォーム」(企画当時は「Google アナリティクス 360 スイート」)全体について書くということを強く意識していました。

この目論見があたったのかどうかは分かりませんが、当時はお褒めのお言葉を数多くいただき、大変嬉しかったのを覚えています。著者一同初の書籍執筆ということでそれはもう大変でしたが、弊社内でも教育資料として大活躍し、あの時頑張って良かったなと今でも思います。お手にとっていただいた方、本当にありがとうございました。

プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4

当初は2、3年後に機能が出そろってから、『徹底活用 Google アナリティクス』の GA4 版を書く想定でした。しかし、各所で様々な声をお伺いする中で、「今こそ、Google マーケティング プラットフォームのセールスパートナーとして培ったノウハウの整理・発信が必要なときなのでは」と考え執筆したのが、『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』です。

『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』の目次は下記のとおりです。『徹底活用 Google アナリティクス』のように「Google マーケティング プラットフォーム」全体について書くというよりは、(もちろん Google タグ マネージャーについてもしっかり掲載していますし、Google オプティマイズや Google データポータルなどのプロダクトとの連携についても説明していますが)「GA4 についてとにかく詳しい本を書く」ということを意識しています。

タイトル
Chapter1 Google アナリティクス 4 とは
Chapter2 Google アナリティクス 4 のレポートを確認する
Chapter3 Google アナリティクス 4 の「広告ワークスペース」でアトリビューション分析を行う
Chapter4 Google アナリティクス 4 の「データ探索ツール」でデータを詳細に分析する
Chapter5 Google アナリティクス 4 の利用を開始する
Chapter6 Google タグ マネージャーの利用を開始する
Chapter7 ユーザーの権限管理を行う
Chapter8 イベントの計測設定を行う
Chapter9 コンバージョンイベントの計測設定を行う
Chapter10 ユーザー ID・カスタム定義・コンテンツグループの計測設定を行う
Chapter11 e コマーストラッキングの設定を行う
Chapter12 Google アナリティクス 4 プロパティに Search Console をリンクする
Chapter13 Google アナリティクス 4 プロパティに Google 広告アカウントをリンクする
Chapter14 Google アナリティクス 4 プロパティに Google オプティマイズコンテナをリンクする
Chapter15 Google アナリティクス 4 プロパティのデータをデータポータルで可視化する
Chapter16 Google アナリティクス 4 のデータを BigQuery にエクスポートする
Appendix1 整形した URL を計測する
Appendix2 Google タグ マネージャーの「タグ」「変数」「トリガー」

読者の皆さまが迷わないよう『徹底活用 Google アナリティクス』と同様に、『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』には多数の画面キャプチャとサンプルコードを盛り込んでいます。その結果、企画時は 300 ページほどの想定だったものが 464 ページとなりました。また、Appendix として掲載を予定していた「グローバルサイトタグ(gtag.js)で計測を行う」「正規表現について」「お役立ち情報」の3章は、出版社である SBクリエイティブ株式会社様のサポートページに掲載していただく運びとなりました。この点については自身の見積りの甘さを猛省するばかりですが、増えたページ数の分だけ分かりやすい書籍になったのではと考えています。

私自身もお客様の GA4 導入・活用を支援し続けていますが、その道中は決して平坦なものではなく、日々悩み弊社内で議論・検証し、ときには Google 社にも問い合わせながら対応を進めています。その中で分かった、皆さまがはまりやすい(下手したら、本格的に活用するまではまっていることにすら気づかない)であろうポイントについても、『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』には掲載しています。

たとえば、GA4 ではすべてのデータを「イベント」という形で計測しますが、その「イベント」の名前をつける際には気をつけるべき点がいくつかあります。その一例として、下記の開発者向けの Google 社公式サイトに、「イベント名」は英数字とアンダースコア(_)のみを含め、先頭を英字にする必要がある旨の記載があります。

developers.google.com

下記のように「イベント名」に日本語・半角スペース・ハイフン(-)などを使用すると、「コンバージョン イベント」や「オーディエンス」の設定時にエラーが発生することを確認しています。

不適切なイベント名
チャットボットクリック
chatbot click
chatbot-click

また、UA の「除外する URL クエリパラメータ」や「デフォルトのページ」の設定を再現する方法のように、知っていると GA4 をより便利に利活用することができる内容についても、『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』には多数掲載しています。

以上のように、『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』は単なる手順書・設定書に留まることなく、私がこれまで培ってきたノウハウをページ数が許す限り掲載しています。はじめて Google アナリティクスに触れる方はもちろん、UA からの移行を進めている方もぜひ手に取っていただければ幸いです。

※初版第1刷発行のデータをもとにした立ち読み版が下記から確認できます。もしよろしければ、ご参照ください。

r.binb.jp

さいごに

先日「GA4 移行待ったなし!2023年7月のユニバーサルアナリティクス計測停止までに GA4 の移行をどうすべきか、デモを交え GA4 と UA の違いを徹底解説」というウェビナーを開催し、『プロが教えるいちばん詳しいGoogle アナリティクス 4』のさわりの部分だけ概説しました。1時間程度の内容になっておりますので、もしよろしければ以下の動画もあわせてご参照ください。


https://www.youtube.com/embed/Hdy9cQwltyc

正直なところ、GA4 はまだまだ手放しで絶賛できるようなプロダクトではないと思います。しかしその一方で、(プライバシーに配慮しつつ、足りないところは機械学習で補うことができる点などから)現代にフィットしたプロダクトでもあると考えています。Google アナリティクスの類似プロダクトは数多くありますが、世界有数の最先端企業でありプラットフォーマーでもある Google 社ほどのスケール感をもって、時代にあわせた保守・改善を続けていけるプロダクトは、それほど多くはないのではないでしょうか。今後も Google マーケティング プラットフォームのセールスパートナーとして、積極的に GA4 にかかわる情報発信を行い、Google 社へのフィードバックも続けていく所存です。また、日本国内における GA4 の導入・利活用を盛り上げていければと考えておりますので、本記事の読者の皆さまのお力になれそうなことがあれば、ぜひお声がけいただけますと幸いです。

執筆者神崎健太

Google マーケティング プラットフォームを中心としたデジタルマーケティングテクノロジーの利活用コンサルティングおよび、テクニカルサポートを担当しています。


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