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オールエンジニアのDNAで取り組む営業・マーケティングDX

本記事は  マネージャーWeek  3日目の記事です。
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NRIネットコムのDSX推進部で副部長を務める山田輝明です。デジタルマーケティング事業を担当しています。このデジタルマーケティングと同時、また延長線上で進めているオールエンジニアのDNAで取り組む営業・マーケティングDXについて今回はご紹介いたします。

NRIネットコムの31年

NRIネットコムは2022年度、創業して31年目を迎えています。システム開発事業からスタートしたNRIネットコムは、31年前はシステム開発という領域で、どんな方針で進んでいくのか、という点で今ほど数多くの選択肢はなく、がむしゃらにひたむきにシステム開発を進められる時代でした。しかし、システム開発企業を取り巻く環境はこの31年で大きく変わりました。

ユーザー接点とシステム開発領域での大きな変化

現在、システム・デジタルの領域は常に新しい変化を求められます。この領域における変化の中で、ユーザーがシステム・デジタルと接点を持つという意味で、個人的には2007年のiPhone発売が大きな転換点だったのではないかと思います。PCを準備することなくカラーの液晶画面でインターネットに接続できる。しかもiOSという基盤では、システムに疎くても簡単に好きなコンテンツに到達できるアプリという仕組みが提供されました。
この変化は今のデジタル世界に大きな影響を与えたと思います。

このユーザー接点の大きな変化と時をほぼ同じくして、システム開発のインフラ側でも大きな変化がありました。クラウドインフラのサービス提供開始です。
iPhoneはあくまで個人ユーザーの接点の改革ですが、企業におけるシステム開発領域ではクラウドサービスの提供が大きな変化をもたらしたと思います。 今世界最大のクラウドビジネス規模を誇るAWSのサービス開始が、2006年です。

その後、この16年でこの新しい大きな変化を追い風として、システム開発、ITの領域では数多くの企業が立ち上がり、色々な意味でNRIネットコムとしては競合とされる企業が乱立しました。NRIネットコムも良い意味でNRIグループという看板だけではなく、NRIグループの中でも特徴を持ったサービスの提供を求められる時代となりました。

31年の歴史でのビジネス変革

NRIネットコムは31年前の1991年に創業しましたが、時を同じくして、日本最初のホームページが1992年に公開されたり、インターネットの商用化時代に入りました。その後、システム開発以外の新しい分野として、いわゆるホームページ制作等のWeb制作分野でも少しずつお客様からの要望を受け、サービスを開始し、事業として拡大していきました。そんな中、先程もご説明した2006年にAWSが提供開始され、2007年にiPhoneが発売されました。

これらの流れの中、NRIグループとしても選択と集中が進み、グループの中でWeb系のシステム開発会社であるNRIネットコムとNRIウェブランディアの2社が合併。Web系のシステム開発会社という要素をさらに強めました。

その後、2009年前後からさらなる事業改革を進めています。2009年にはWeb制作と今となっては切っても切れない関係である、サイト分析ツールのGoogleアナリティクスに関するサービスを開始、これが今のデジタルマーケティング事業のきっかけとなりました。また、2011年には今では多くの書籍も出版させて頂いているAWSのサービスを本格開始しました。

以上の流れを汲み、2022年現在、NRIネットコムでは、クラウド・システム開発、Webシステム・アプリ制作、デジタルマーケティングといった大きく3つの事業が会社の柱になっています。

オールエンジニアのDNAを持つ企業における変化

NRIネットコムには、ご紹介した歴史、事業の変遷に加えて、設立時から引き継がれている制度があります。NRIネットコムでは、システムエンジニアだけではなく、Webデザイナーでもディレクターでも全社員が入社後、システムエンジニアと同様にシステム開発の仕組みを学習、習得する機会を得られるという制度です。設立時から長らくは基本的に社員は全員システムエンジニアとして採用していました。今でも設立時の制度は引き継がれており、社員の考え方や発想には、入社後に習得したシステムエンジニアのDNAが備わっています。
システムエンジニアのDNAを持つ社員同士であるというメリットは、同じ言葉で同じ目線で新しい開発のカタチや、技術について語り、検討、議論ができるということです。これは、常に新しい情報やサービスを期待されるシステム・デジタル事業の領域での当社の優位性と言えると考えています。

オールエンジニアのDNAを持つというメリットをもう少し例を挙げてご紹介します。
システム開発においては、ウォーターフォール型、プロトタイピング型、アジャイル等、様々な開発手法があります。システムの特性、予算、外部環境、その技術が成熟しているか等によりこの開発の進め方を決めるというのが一般的であり、エンジニアはプロジェクトの内容を把握する際におおよそどういった開発手法で進めればよいかイメージがついています。

この考え方は、システム開発ではない社内プロジェクトでも非常に役に立ちます。例えば、社内の座席のレイアウト変更のプロジェクトを進める場合、メンバーで集まって話し合う際にこのプロジェクトは、どんな方式で進めるほうが早く、より効率的に進められるか、話し合わずとも、おおよそ各メンバー頭の中に事前にイメージが出来上がっています。レイアウトを一部ずつ順次入れ替えていくウォーターフォールに似た進め方が良いのか、一気に全レイアウトを変更する方法が良いのか、はたまたそもそもレイアウト変更をストップしたほうが良いのか。
こういった、いわゆるプログラムで言う条件分岐が自然と頭の中で展開され、条件分岐の際の課題ポイントやプロジェクトを進める手法のイメージも各担当者それぞれにイメージがついています。よってそのイメージを元に最初から本質的な議論ができたりします。

事業計画等を立案する際も同様です。事業計画の場合は、システム開発におけるプログラムの分岐のイメージとバスタブ曲線がわかりやすい例になると思います。どのビジネスを拡大すればその他へも好影響を与えるか、どちらに進めば最良の結果が得られるのか、どんな活動を繰り返せばいいのか、課題が多く発生するタイミングは?ポイントは?等とシステム開発でいつも使う考え方でメンバーが発想するため、解決策、結論に早期に到達することができるのです。

話を戻すと、通常、システム開発の会社では営業が案件を獲得し、その後に開発側に引き継ぐ流れがあると思いますが、オールエンジニアのDNAを備えるNRIネットコムは、お客様のシステム開発要望には全員で全力で応えます。これはお客様に選ばれる長所でもあり、逆にある意味では違った側面もあります。

違った側面という意味では、各事業を展開する社員は自分の開発の仕事をこなしながら営業もやる、というのがNRIネットコムのスタイルです。しかし、開発やビジネスが活況で山場を迎える時など、どうしても新規の営業活動や、既存のお客様への営業的なフォローが個人に依存してしまうという点は課題でした。

そこで今急速に全社で取り組んでいる活動が、営業・マーケティングDXに関する取り組みです。まずは、NRIネットコムの今のビジネス展開についてご紹介し、その後にそのオールエンジニアのDNAで取り組む営業・マーケティングDX活動についてご紹介します。

勝ち続けるための営業・マーケティングDX

2009年前後から進めてきた事業改革、新サービス提供は、様々なお客様からの応援も受け、おかげさまで順調に事業として成長してきました。時代の流れにも事業がなんとかフィットし、まだまだ課題も多くあり、お叱りを受けることもありますが、お客様からありがたい感謝のお言葉を頂戴することもあります。2022年10月現在、社員数も500名規模となり社員はさらなる成長に向けて技術力、デザイン力、サービス力を高めています。

今のNRIネットコムは、クラウド・システム開発、Webシステム・アプリ制作、デジタルマーケティング領域という、この3つの領域全てを一気通貫で提供できる点が最大の強みです。 しかしふと、競合企業を見つめると、クラウド・システムの専門会社、Webの専門会社、デジタルマーケティングの専門会社と、3つの領域でそれぞれの競合も存在します。

まず営業・マーケティングDXの活動として始めたのが、この競合分析です。
いみじくも今から3年ほど前、2019年にコロナが世界的な流行を見せ、日本の企業活動も苦戦を強いられる状況が始まりました。そんな中、各事業の競合を見つめるとコロナ禍での積極的な営業活動の状況が浮かび上がりました。
テレワークを強いられる中、ウェブを活用したリモートでのウェビナー営業活動です。以下は当時のクラウド・システム、Web、デジタルマーケティングの競合企業のウェビナーの年間の実施回数です。

2020年度 競合企業のウェビナー開催数(NRIネットコム調べ)

クラウド・システム開発、Webシステム・アプリ制作、デジタルマーケティングの領域で競合となる企業は、コロナ禍でも数多くのウェビナーを実施し、積極的な営業・マーケティング活動を展開していました。

こういった競合の状況も横目で見つつ、NRIネットコム社でも2021年から積極的に自社開催のウェビナーを3つの事業領域で展開を始めています。
また、営業・マーケティングのDX化というからには、お客様へのアプローチ、アプローチ後のフォロー状況などもデジタル化し、可視化する必要があります。
NRIネットコムでは、お客様向けにBtoBの営業DXソリューションを提供しています。例えばウェブサイトの訪問データをGoogleアナリティクスで分析し、ホームページ問い合わせ、ウェビナー参加、お客様との打合せ履歴等のデータ等と合わせてHubSpotやその他のマーケティングオートメーションのサービスに集約、BtoB営業の高度化を図るソリューションです。このソリューションを自社でも利用しています。全員がデジタルマーケティングやWeb系開発、システム開発を得意としているため、自社への導入も自分たちですぐにできるという点は外部環境への対応という意味で大きなメリットです。
現在はこのソリューションを全社展開し、ウェブサイト、ウェビナー、直接訪問の議事録データ等をプラットフォームに集約、営業活動に生かしています。

営業・マーケティングのDX化プラットフォームイメージ

オールエンジニアのDNAを持つからこそクラウド・システム開発、Webシステム・アプリ制作、デジタルマーケティングのビジネスで培ったノウハウを自社の営業・マーケティングのDX化にもそのまま活かした活動と言えます。

これらのデータの活用の方法としては、マーケティング・インサイドセールス・カスタマーサクセスといった役割を徐々に立ち上げ、オールエンジニアのDNAを持つからこそできる営業・マーケティングDXとはどうあるべきか、といった観点で試行錯誤を繰り返しながら進めています。

今後も、クラウド・システム開発、Webシステム・アプリ制作、デジタルマーケティングの領域でそれぞれの得意領域を活かしつつ、全員営業共業プロセスの確立に向けて、NRIネットコムをご愛顧いただくため、またNRIネットコムのお客様企業の成功のために全社で取り組んでいきます。
営業・マーケティングDXの面でもまた、NRIネットコムブログをお読みいただいている方々、お客様の皆様に役立つ情報、ノウハウを公開してまいります。
引き続き最新情報をご期待ください!