初めまして。NRIネットコムに入社し2年目になる、新人デザイナーの馬場です。
Webのコンテンツ制作を生業としているチームで、様々な会社のWebサイトやUIデザインを制作しています!
私が入社し実際の業務に参画するようになったのは、着任してから3ヶ月後です。
ではその3ヶ月間は一体何をしていたのかというと、日々研修を受けていました。
研修といってもお金を払って外部の講師に教わるものではなく、私が所属しているチームで実際に活躍しているデザイナー・ディレクターが直々に講師となり考えた、オリジナルな内容の研修でした。
なので、研修といえど実務に近いリアルな業務を体感することができました。
ほぼ知識ゼロの新人を一人前のデザイナーとして育て上げていくカリキュラムとして、「デザイン研修」「ディレクション研修」「HTMLコーディング研修」の3つの項目で構成されていました。 今回はその中でも「デザイン研修」の内容にフォーカスし、順序立ててご紹介させていただきます。
1.デザイン書籍や動画を見て基礎知識をインプット
実際に手を動かす前段階として、デザインに関する教本を読んだり、デザインツールの使い方を動画で視聴し基礎知識をインプットしました。
- 尾沢 早飛『デザインの基本ノート 仕事で使えるセンスと技術が一冊で身に付く本』SBクリエイティブ株式会社(2018)
- 境 祐司、小浜 愛香、森本 友里、野田 一輝、北村 篤志、有吉 学ー共著『Webデザイン・スタンダード 伝わるビジュアルづくりとクリエイティブの最新技法』株式会社エムディエヌコーポレーション(2019)
こちらの2冊をデザイナーの先輩から推薦していただきました。
本は、より大事な内容のページには付箋が貼られた状態で受け取り、その部分を中心に読み進めていきました。
ただ本を読んで終わりではなく、読み終えたあとに簡単な一問一答形式のテストを先輩と行います。本の内容はもちろん、これからの業務やデザインに関するお話などをしてコミュニケーションもとることができました。
上記2冊はどちらも比較的図や写真が多く、かつ内容もたっぷりでコンテンツ的にかなり充実しているため、知識がなくともスラスラと読むことができました。
初心者でも分かりやすい内容で、今でもよく読み返してはお世話になっています。
私が所属しているWebデザイン事業部から出している書籍の中でも、Webデザインやアプリケーション、UIに関して分かりやすく解説されています。
www.amazon.co.jp
次に動画視聴では、Adobeが提供している「Adobe XD Trail」というサイトで学習をしていきました。
xdtrail.com
XDの初歩的な使い方から少し応用的なところまで、動画を見ながらハンズオンで学び、しっかりと使い方をマスターすることができました。
XDを全く触ったことのない私が動画で学んだだけでしたが、この後実際にデザインを制作する研修でも問題なく使うことができました。
以上で、書籍や動画から学ぶ研修は終了です。
手を動かす技術的なことも必要ですが、基本から学ぶには本や動画から得る知識も大切だと感じました。
2.世の中にあるバナー・LPデザインを模倣
続いては実際にデザインを制作する研修です。
といっても、いきなり1から自分でデザインを考えるのではなく、まずは世の中に出回っている素敵なバナーやLPのデザインをトレースしていきました。
初めからオリジナルの画像を作るのではなく、模倣から取り組むことで様々なデザインパターンを学んだり、要素の配置などの工夫に気付いたり、またツールの使い方に慣れたりという効果があるそうです。
プロが作った様々なデザインを真似て、制作においての工夫の仕方や情報の見せ方など、ノウハウを得ました。
できるだけトレース元のデザインと全く同じになるように模倣をし、練習を繰り返すことで、色彩感覚や細部にまでこだわる目を養うことができたと思います。
また、IllustratorやPhotoshop、XDなどのデザインツールも数をこなすことで操作にはどんどん慣れていきました。
全てテイストの違うデザインであったため、模倣ではありますが楽しみながら制作でき、いろんなターゲット層へ向けたデザインを体験することができました。
3.新規LP・Webアプリケーション制作へ
トレース作業で基礎を学んだ後は、ついに1から新規デザインを作成していきます。
先輩が過去に制作した案件をベースに本番と同じように、ディレクターが作成したワイヤーフレームを元にデザイン作成に取り組みました。
制作課題は、LP(ランディングページ)とWebアプリケーションの2種類がありました。
LP制作課題では、デザインに関する学びはもちろん、加えて申し送り・デザインコンセプトの書き方が最も勉強になったと感じました。
色・モチーフなど、なぜこのデザインにしたのか、工夫したところについて理由を明記する。理屈を言語化する訓練になりました。
Webアプリケーション制作課題ではLP制作とは違い、装飾をあまりせずに情報の強弱をつける難しさを実感しました。
初めてのUI系デザインで悩むことも多くあり、実際に完成したものは、全体的にワイヤーフレームに色を付けただけのようなメリハリのない単調なデザインでした。
個人的にデザイン研修の中で一番難しかった課題でしたが、苦戦したからこそ得られた新しい知識は膨大でした。
失敗しても、先輩方がFBでUIデザインの基本から改善点まで丁寧に教えてくださったので、苦手意識を持つことなくこの課題は終わりました。
これらの新規デザイン制作課題は、読書や模倣課題で得た知識やスキルを実践できる、実務に向けた良い練習となりました。
3ヶ月間の研修を終えて
以上、新人デザイナーが入社後スキルアップした研修3stepでした。 このような流れで研修に取り組んでいるうちに、いつの間にか実務への準備が整っていくのを感じました。
Step1以外の全ての研修で共通していたことですが、
「本番と同じ気持ちで取り組む」
「気付き・分からなかったこと・制作意図などをしっかりと記載する」
「制作物を提出後、レビュー会を行う」
以上の3点がより大切であると改めて思いました。
まず、どの研修も実務に近い環境で本番と同じ姿勢で取り組んだことで、デザイナーの業務内容が明確にわかり、仕事に対するイメージがつきやすくなりました。
こういった進め方のおかげで、その後のOJTでもスムーズに業務を行うことができました。
デザインを提出する際には「気付き・分からなかったこと」を文字に起こし詳細に記載することで、自分の知識に何が不足していて、何を苦手としているのか気付くことができます。
また、制作意図や申し送りなども本番同様しっかりと記載することで、デザインを提出する際にディレクターやコーダーの方にどんなことを伝えなくてはならないのか、デザインコンセプトはどのように書くのかの練習にもなりました。
提出後には、先輩方が制作物に対してのコメントを記載してくださり、レビュー会を行いました。
良いところとダメなところ、それぞれ「なぜそう感じたのか」「どのように修正すると良くなるか」を細かく説明していただきました。
この流れを何度か繰り返し行うことで、着実にデザインのスキルアップに繋がりました!
今でもたまに、研修で学んだことを思い出しながら仕事をするときがあります。
今回改めて振り返ってみて、研修の頃の方が丁寧にやっていたこともあったので初心を忘れないことも重要だと思いました。(デザインデータのレイヤー整理など…)
今後も多くのことを学んでいき、素敵なデザインをつくれる一人前のデザイナーを目指し頑張っていきます!
最後までご覧いただきありがとうございました。