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AIが広告を作る時代へ!Microsoft広告の最新の動向と今後の展望

本記事は  デジマウィーク2024  4日目の記事です。
📊  3日目  ▶▶ 本記事 ▶▶  5日目  📈

こんにちは。デジタルマーケティングコンサルタントの太田千尋です。

Microsoft広告は、2022年5月から日本でのサービス提供が開始されました。

サービス開始から2年経過した今、急激にアカウント数が増えているMicrosoft広告の動向と今後の展望について解説していきます。

Microsoft広告とは

Microsoftが保有するブラウザのEdgeや検索エンジンのBing、ポータルサイトのMSN、メールソフトのOutlookなどの製品やサービスを利用しているユーザーに対し、広告を配信することができます。

最新の動向

日本国内の月間Edgeのユーザー数は3,300万人、Bingの国内月間月間検索数は7億、MSNの月間訪問者数は6,130万人で、これらのプラットフォームで「サイト閲覧」「メール利用」「検索」を行うオーディエンスにリーチすることが可能です。

また、日本におけるブラウザーのシェア(PC)は、2020年10月から2024年10月までの期間で21.01%です。

ブラウザーシェア(PC)
引用Desktop Browser Market Share Japan | Statcounter Global Stats

そして、日本における検索エンジンのシェア(PC)は2020年10月から2024年10月までの期間で15.82%です。

Edgeのデフォルトの検索エンジンであるBingの利用者数は年々増え続け、2022年の2月にはこれまで検索エンジンのシェア(PC)で2番手にいたYahoo!を追い抜き、Googleの次に利用される検索エンジンとなりました。

検索エンジンのシェア
引用Desktop Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats

どのような効果が期待されるか

Microsoft Edgeの利用者増加によるビジネスパーソンへのリーチ拡大

MicrosoftのブラウザであるEdgeは、Windows 10のリリースと同時に標準ブラウザとして搭載されるようになりました。 Windows10は多くの企業で利用されており、Microsoft Edgeがデフォルトブラウザになっていることが多いです。 そのため、Microsoft広告は、ビジネスパーソンが日常的に利用する環境に直接リーチできます。

また、Bingの検索ユーザーは、BtoB企業の社員や経営者が多い傾向にあります。 ビジネス関連のキーワードで検索するユーザーにピンポイントで広告を表示できるため、BtoBマーケティングに最適です。

高精度なターゲティング機能で製品・サービスの宣伝に効果的

Microsoft広告の管理画面
Microsoft広告は、企業名・業界・職種・役職でのターゲティング機能が備わっています。

特定の企業名や業界に属するユーザーへ広告を配信することが可能できるため、競合他社の顧客へのアプローチや、特定の業界に特化した製品・サービスの宣伝に効果的です。

また、役職に基づいたターゲティングも可能です。 例えば、経営層やIT部門の担当者など、より具体的なターゲットに絞り込んで広告を配信できます。 より確度の高いユーザーに広告を届けることができるため宣伝効果が期待されます。

Microsoft 広告の主なメニュー・特徴

大きくわけると、検索広告とネイティブ広告の2つがあります。

1.Microsoft検索広告

検索広告のイメージ画像
検索エンジンのBingの検索結果ページに掲載される「検索連動型テキスト広告」と「検索連動型ショッピング広告」があります。

検索広告には画像表示オプション・マルチ画像表示オプション・動画表示オプションがあり、商品の写真を掲載することで、ユーザーの購買判断を促すこともできます。

ショッピング広告の例
ショッピング広告は、商品広告を写真や値段、販売店名などを表示してユーザーの購買を促進します。

検索結果のナビゲーションウィンドウにある「画像」「動画」「ショッピング」にも表示でき、広告の視認性が高いフォーマットのためCTRが高い傾向にあります。

2.ネイティブ広告

ネイティブ広告とは、記事(コンテンツ)と広告がシームレスに融合している広告です。

Microsoft広告では、「PaidSearchAds」と「ContentsNativeAds」の2種類が提供されています。

ブランドセーフティを重視したMicrosoft オーディエンスネットワーク(MSAN)*と、その他パートナーサイトに配信されます。

*MSANはMSN、Outlook.com、Microsoft Edgeなどの主要なサイトのことです。

なぜ今Microsoft広告をはじめるべきか

環境の変化とMicrosoftサービスの拡大に対応するため

Microsoft Rewards
Bingのシェアを拡大する取り組みのひとつとして、積極的にMicrosoft Rewardsプログラムを推進していくことも予測されます。

Microsoft Rewardsプログラムは、Microsoftが提供している無料のポイントプログラムです。

Bingを使ってインターネット検索をしたり、Microsoft Edgeブラウザを使うことで、ポイントが貯まる場合があります。

Microsoft Rewardsプログラムで貯まるポイントがコンビニなど身近なお店で利用できるようになれば、Bingでの検索行動の増加が期待できます。

将来的にはMicrosoft広告アカウントがないとMicrosoftサービス面に広告が配信できなくなることが予測される

Yahoo!広告掲載メディア一覧
引用Yahoo!広告 ネットワークパートナー|LINEヤフー for Business

現在、BingとMSNはYahoo!広告のネットワークパートナーとして契約を締結しており、Yahoo!広告アカウントがあればBing・MSN面に配信が可能です。

しかし、将来的にはMicrosoft広告アカウントのみに限定することが予測されます。

競合他社がMicrosoft広告を開始することで他社に上位表示を奪われる可能性もあるため、Yahoo!広告のみ開設している方は注意が必要です。

また、Yahoo!広告の管理画面でBing面への予算調整は仕様上できないようになっています。

その為、Bing広告の予算調整を行いたい方はMicrosoft広告アカウントを開設する必要があります。

生成AI「Copilot」でMicrosoft 広告が変化することが予測される

生成AICopilotとは?

Microsoft広告管理画面上に表示されるCopilot

マイクロソフトでは、生成AIを使った機能をCopilotというブランドを展開しています。

「Copilot」は、「Co(補助的な)」+「Pilot(操縦士)」という意味で、パイロットである人間のお仕事をサポートするツールです。

Microsoft広告アカウントからCopilot にキャンペーンのサポート方法などのサポートを依頼することができます。

また、Microsoftは2023年9月22日に「Compare & Decide Ads(比較・決定広告)」と呼ばれる新しい広告フォーマットの発表を行いました。

Compare & Decide Ads(比較・決定広告)とは?

引用:Transforming Search and Advertising with Generative AI | Microsoft Advertising

たとえば、Copilotに「安全性が高く、燃費の良いSUVを探して」と依頼すると、チャット内に車種の関連データをすべて簡潔な表にまとめ、クリックするとその車を紹介するWebサイトに飛ぶような企画が進行されています。

しかしながら、Compare & Decide Adsの正式なリリース時期については、現時点では明確な情報が出ていません。

マイクロソフト広告担当副社長のキヤ・セインズベリー・カーターの記事によると、2024 年初頭に、Compare & Decide Ads をクローズド ベータ版としてリリースする予定であることが発表されています。 一般ユーザーへの完全な公開時期については、今後のアナウンスを待つ必要があります。

広告主側にメリットはあるのか?

引用:Transforming Search and Advertising with Generative AI | Microsoft Advertising

Microsoft Advertising Platform の Copilot では、新しく画像を生成したり、推奨の見出しや説明文を生成することができます。 これにより、ブランドのコンセプトにあったトーン&マナーを微調整することができ、制作費の削減が期待されます。

Microsoft広告をはじめよう

Bingの利用者数は年々増え続け、Googleの次に利用される検索エンジンとなりました。

利用者数の増加やMicrosoft広告のメリットに気づいて広告配信を始める広告主もどんどん増えているので、競争率は日に日に高くなっています。

また、Microsoft広告は、Google広告やYahoo!広告に比べて競合が少なく、クリック単価が低い傾向にあります。

まだ低いクリック単価を望める今のうちから、ぜひ Microsoft 広告の配信をはじめてみてください。

執筆者太田千尋デジタルマーケティングコンサルタント