NRIネットコム Blog

NRIネットコム社員が様々な視点で、日々の気づきやナレッジを発信するメディアです

「Copilot」のデジタル広告への活用方法について

本記事は  デジマウィーク2024  3日目の記事です。
📊  2日目  ▶▶ 本記事 ▶▶  4日目  📈

こんにちは、佐藤(栞)です! 昨年のデジマWeekに引き続き、2度目のブログ執筆です。

前回は「Web広告の結果を効果的に報告する3つの方法」について執筆しましたが、
今回は、今話題の「Copilot」のデジタル広告への活用方法について執筆します。
Copilotについて初めて知る方や、知ってはいるけど具体的にどうデジタル広告へ活用したらいいか分からない、という方でも分かりやすいよう解説していきます!

※本記事執筆にあたって生成した画像については、GPT-4の大規模言語モデル(LLM)をベースにし、2024-10-21,22(JST)に生成したものを利用しています。

はじめに

インターネットの普及に伴い、デジタル広告の重要性は日に日に高まっており、特に若い世代に効果的にアプローチする手段として非常に重要なものとなっています。
デジタル広告は、ターゲット層を絞った配信ができるため、効率的なマーケティングが可能です。
また、クリック数や資料請求数などのKPI指標をリアルタイムで把握でき、広告の最適化を図ることができます。

「Microsoft Copilot」(以下Copilot)とは、Microsoft社が提供する生成AIツールです。
Copilotは、文章を生成する「GPT-4」、コードを生成する「Codex」、文章から画像を生成する「DALL-E3」などの技術を利用しています。
このCopilotをデジタル広告運用に用いることで、より効率的に広告の最適化を図ることができ、工数の削減や成果の向上が見込めます

Copilotとは?

Copilotには下記4つの種類があり、それぞれ利用環境や費用等が異なります。

  • Microsoft Copilot(無料、Bingから利用可能)
  • Microsoft Copilot in Windows(無料、タスクバーから利用可能)
  • Microsoft Copilot Pro(個人向け、有料)
  • Copilot for Microsoft 365(法人向け、有料、各Microsoftアプリからも利用可能)

Copilotの主な機能と特徴は以下の通りです。

テキスト生成

文章の下書きを作成したり、言葉の表現方法を提案します。

Microsoft Copilotによるテキスト生成

画像生成

文章を入力することで、画像を生成することができます。プレゼンテーション用のグラフやイラストの作成に活用することが可能です。

Microsoft Copilotによる画像生成

リアルタイム検索

Bingを活用し、最新の情報をリアルタイムで検索し、その結果を要約した回答を得ることができます。

Microsoft Copilotによるリアルタイム検索

また法人向けCopilot for Microsoft 365では、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsなどのアプリケーションと統合されており、Teams会議の議事録を自動で生成したり、Outlookでのメールのドラフトを作成することが可能です。
社内環境にあるファイルやメール、音声データなどからも情報を集約してくれるため、業務効率化や業務内容に沿った具体的なサポートを手厚く行ってくれます。
会議の議事録作成やその内容を要約をしたいとき、社内での各種申請手順や過去のメールのやり取りを探したいとき、などの工数と煩わしさが激減します。

Microsoft 広告プラットフォーム向け Copilotについて

CopilotはMicrosoft広告のプラットフォームでも活用ができます。 about.ads.microsoft.com

以下、Microsoft 広告プラットフォーム向け Copilotにおける主な機能と特徴です。

アセットの推奨機能

AIによる推奨機能を活用して広告キャンペーンを作成したり、各アセットのパフォーマンス向上に寄与できる推奨事項を確認・反映することができます。
こちらの機能を用いると改善点をすぐ見つけることができ、またどう改善すればパフォーマンス向上がどれくらい見込めるか、という点まで明確にわかるため、調査にかかっていた時間が大幅に削減されました。

入札単価と予算に関する推奨事項
キーワードとターゲティングに関する推奨事項
広告アセットでは、入力した最終ページURLと強調したい内容をもとに画像や広告見出しの提案をしてくれるので、効果的な広告をスピーディーに出稿することができます。
広告アセットは最終ページURLと関連した内容であることが望ましいので、AIによる関連度の高い画像・広告見出しを提案してくれることで広告スコアも上がり、運用成果改善に直結します。
広告アセットの提案内容(NRIネットコム クラウドソリューションの例)
ただ、Copilotによる提案内容の活用の仕方には気を付ける必要があります。
上記の画像例の通り、サイトに掲載されている画像が不本意な箇所で切り取られしまう場合もあります。AIによる提案内容を100%信用して利用してしまうのではなく、人の目を通して利用可否を判断することを推奨します。

対話型チャット

Microsoft広告の機能について、チャット形式で質問し、回答を得ることができます。
最新の機能情報を知りたいのに、ブラウザで検索すると過去にPV数が多かった記事ばかり検索結果に出てきてしまうことも少なくありません。
Microsoft広告のことはMicrosoft広告のCopilotに聞くことで、最新かつ正確な情報が得られ、広告機能を正しく活用することができます。

対話型チャットによる入札戦略の質問

ただ下記のように、実際に入稿されているキーワードや広告におけるパフィーマンス改善について質問をしても、方針は示してもらえますが具体的な提案まではしてくれません。
あくまでプラットフォーム上の機能の活用方法について、回答が得られるものとなります。

キーワードや広告などの入稿内容まで踏み込んだ質問

画像作成

キャンペーン内容に則した画像をAIにより生成することができます。
下記Microsoft広告プラットフォーム向け Copilotのホームページに記載があるように、テキストを入力することで画像の生成ができるものとなります。
https://about.ads.microsoft.com/ja/tools/productivity/copilot-in-microsoft-advertising#image-creation


これらのCopilotの機能を活用し、Microsoft広告の作成・運用を任せてしまうことができます。
広告見出しを考える際、どんな言い回しが効果的か、最適な文字数はいくつか、など、人や商材によって異なる部分をAIが考えてくれるので、時間の節約にもなりますし、効率的に効果的な広告を作成することができます。
また広告効果は時間の流れにより変わっていくものであり、そのメンテナンスにも時間を要しますが、Copilotによるアップデートを加えることで、手間をかけずに常に最新の状態にしておくことができるので、かなり有用です。

まとめ

上記でご説明したCopilotの機能を活用することの利点として、AIによる学習と提案による生産性の向上や、属人化の解消、Microsoftが保持するファーストパーティデータを用いたオーディエンス設計によるターゲット精度の向上などが挙げられます。
ですが気を付けなければならない点として、AIによる提案内容が広告主のブランドイメージとかけ離れてしまう場合があったり、AIの多用によるブランドイメージの低下に繋がる場合があります。
また、Copilotへ秘匿情報を含む指示をしてしまう可能性もあるため、インターネット環境に接続している際にはセキュリティリスクやプライバシー保護における懸念についても考える必要があります。

このような注意事項やリスクを認識し、回避策を考えたうえでCopilotを活用すれば、競合他社との差別化や業務効率の最適化に大きく貢献できると考えています。
是非今のうちにCopilotを導入し様々な場面で活用することで、デジタル広告運用のさらなる効率化に踏み出しましょう!

執筆者:佐藤栞 SE経験4年、現デジタルマーケティングコンサルタント