NRIネットコム Blog

NRIネットコム社員が様々な視点で、日々の気づきやナレッジを発信するメディアです

パートナーさんと頑張るチーム活性化

本記事は  【Advent Calendar 2024】  8日目の記事です。
🌟🎄  7日目  ▶▶ 本記事 ▶▶  9日目  🎅🎁

こんにちは、システムエンジニアの檀上です。 普段は顧客の社内システムの要件調整・基本設計などを担当しています。

私はいま10名強のチームのチームリーダーの役割を担っており、チームはネットコムメンバーとパートナーメンバーがいますが、自由な会話が生まれにくい状態だったことが私の悩みでした。

レビューや相談にあたり、チームのコミュニケーションの活性化は必要不可欠です。 このため、チーム活性化について、社内研修を受講したり、本を読んだりと色々と知識を得ようとしました。 しかし、「会社が違う」という壁が思ったよりも厚く、学んだ知識をそのまま活かせないことが多かったです。

そこで、「会社が違うメンバーがいるチームを活性化させるには?」について、考えたことや実践したことを共有します。 自社メンバーだけではないチームを率いることになった方の助けになれば幸いです。

なお当記事内では、同じチームの構成員の中で所属会社がネットコムとは異なる方を「パートナーさん」と記載します。

自分のチームの特性を理解する

まずは自分のチームの特性や、制約条件を整理してみましょう。

例1:メンバー構成の確認

チームのパートナーさん内の組織構成はどうでしょうか?複数の会社の方がいらっしゃいますか? また、各パートナーさんとの契約はどうなっているでしょうか?

これらは基本のキです。法律や契約は守らなければいけません。分からなければ上司に聞きましょう。

例2:真の意思決定者との会話ルートの確保

チーム内で「この人に聞けば安心」という人(ここでは真の意思決定者と呼びます)は誰でしょうか?

真の意思決定者と他のメンバーとのつながりを強くし、気軽にやり取りできるようにしておけば、お互いに「あの人に聞いてみよう/話してみよう」と気軽に話しかけられるようになるはずで、それが狙いです。特定のメンバーから他メンバーへの知識継承のハードルを下げて、かつ特定のメンバーに依存しない複数のコミュニケーションパスがあるチームにしたくてこの方法を考えました。

世間のグッドプラクティスを収集する

例1:社内の別チームのメンバーにヒアリング

組織には暗黙知というものがあり、これを分かっていないと、社内メンバーからのサポートが得られない可能性があります。

隣のチームが自分たちと全く違う方法で仕事をしていたらと考えてみてください。もし隣のチームが良くない状況だとわかっても、サポートが難しいと感じるはずです。

そこで、できるだけ近い関係性の別チームのメンバーに、これまでのやり方や、やって良かった施策などをヒアリングし、参考にしました。

今までのやり方と全く異なる方法をとるのは自分も周りもしんどいですが、いままでのやり方を少し変える程度だと全員動きやすいはずです。

例2:他社事例や基礎の習得

自分たちと近いチームだけではなく、全く違うチームのやり方にもヒントがあるかもしれません。

私はAGILE STUDIOさんが開催されているアジャイルカフェを聞いて、他の会社の方がどのようにチーム活性化に取り組んでいるのかを学びました。

また、書籍を読んで基礎を習得するのも良いと思います。書籍はかなり知識の提供量が多いので、吸収できる情報量の多い媒体だと思います。

パートナーさんと価値観を共有する

プロジェクトを進める中で、「今回の対応の流れ、不安だなぁ」「なんでこんな設計になってしまったんだろう」などの不安な気持ちになることがありました。この場合は、なぜ不安に思ったのかを自分の中で深堀りして、その考えをパートナーさんに共有しました。

共有するときは、以下の3点に気をつけています。

  • 不安に思った点の説明は具体的に。ざっくりした内容だと、説明を受けた側はどの点について話しているか分からず、不安になってしまいます。
  • 「こうしてほしい」と言う話は抽象的に。共有したまさにその事項だけではなく、今後いろいろな対応に適用させて欲しいからです。
  • どのようなチームにしたいか、どのように仕事を進めてほしいかの話は少し間隔を空けて何度も共有します。私のプロジェクトでは、四半期か半年に一度くらいが丁度良いと感じています。

ふりかえりを工夫する

自分のプロジェクトはアジャイルな開発方針を採用しており、定期的にふりかえりを実施しています。しかし、以前は発言が特定の人に偏ったり、特定の意見しか出ない状況でした。これを解消するため、以下の4つを実施しました。

  • ファシリテータを当番制にして、「自分ならどうやってふりかえりを進めるか?」をパートナーさんにも考えてもらうようにしました。
  • 全員常にカメラオン・マイクオンにしてもらい、話しやすい雰囲気を作りました。メンバーに対して質問することがありますが、質問して何秒か経ってからマイクをオンにして発言、だとかなりテンポが悪く、質問した方も答える方も余計に緊張する気がするためです。
  • 言い出しっぺの法則が発動しないよう気を付けます。言い出しっぺの法則とは、「最初に提案した人間が実行するべき」という理念のことです。「こうした方がいいかも」と言う意見が出たら、まずチーム内でタスク共有に使うツールにタスクを登録し、別のタイミングであらためてタスクの担当者を割り振ります。
  • ネットコムメンバーとパートナーさんはslackでやりとりをしています。雑談専用のslackチャンネルを作成し、日々の設計・開発時の呟きや、素朴な疑問などをきっかけにそこで会話しています。

常に改善する

チームの状況はどんどん変わっていくため、メンバーが同じだったとしても、ベストなやり方はなかなか分からない上にどんどん変わっていきます。私は1年ほど前にここまでに書いたことを実施し、状況を見て更に少しずつ仕組みを変えていきました。

例1:chatチャンネルの作成

他チームでひとり1つtimesチャンネルを作るのが上手く行っていたため、自分のチームで試しにやってみましたが、誰も呟かない状態が続いていました。

そこで、チームに1つだけchatチャンネルを作り、社員が積極的にそこで感情をつぶやくようにしました。すると、自分のチームにはこのやり方が合っていたらしく、パートナーさんもいろんな場所で互いにコミュニケーションをとってくれるようになりました!

例2:ふりかえり周期の短縮

もともとふりかえりは数ヶ月(1リリース)に一度でしたが、1ヵ月(2スプリント)に一度に変更しました。しかし、それでも1ヵ月前のことを思い出すのに時間がかかるため、2週間(1スプリント)に一度に変更しました。

すると、思い出すための時間が不要になり、ちょっとしたひらめきも共有できるようになりました。

最初から急に2週間に一度にしてもうまくいかなかったかもしれません。最初に記載した、やり方は少しずつ変える方が良いと言う原則に沿ったことで上手くいったのだと思います。

おわりに

同じ会社・同じ組織のチームだと、こまめな1on1のような直接的な手段や、組織変更のようなトリッキーな手段も使えますが、 違う会社の方と協業する場合はそういった手段は使えないことが多いと感じました。 基本的な手段を繰り返し少しずつ実施することがより大事になってきますので、少しずつ改善していけたらいいなと思います!

執筆者:檀上未来
システムエンジニア。人の話を聞くことが好きです。