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JJUG CCC 2024 Fallに行ってきた話

NRIネットコムの岩﨑です。前回の新人ブログの執筆から早一年、あっという間に二年目になり、気が付いたら後輩が入って来ていました。光陰矢の如しとはこのことですね。

今回は先日開催された「JJUG CCC 2024 Fall」に参加した話をしていきたいと思います。

本記事に書いてあること

  • JJUGに参加したときの個人的な所感

本記事に書いていないこと

  • 個々のセッションに関する細かい内容

はじめに

JJUG CCCとは、日本Javaユーザーグループ(Japan Java User Group:JJUG)が主催している、Javaに関するカンファレンス(Cross Community Conferences:CCC)です。春(Spring)と秋(Fall)の年二回行われており、日本全国からJavaの技術者が集まる日本で最大のJavaコミュニティイベントとなっています。Javaに関する、と言っても「Javaのアップデートでこんなことができるようになったぞ!」「Javaを用いたプロジェクトでこんなことをした!」などの内容から「Javaとは書いてるけどJavaに限った話ではなくて...」「Javaの話はしません!!」のようなセッションもあり内容は様々です。コロナ禍で一時はオンライン併用でのハイブリッド開催になったものの、基本はオフライン開催でオンライン配信やアーカイブ配信はないため、すべてが現地でしか聞くことができない貴重なセッションとなります。

www.java-users.jp

なぜJJUG CCCに行くのか

筆者がJJUG CCCに参加するのは今回で三回目です。初参加は昨年のJJUG CCC 2023 Fallで、コロナ禍以降初のオフライン開催になった回です。初参加のきっかけは、上司からの勧めと、当時はJava歴が半年でとにかくいろんな知識を吸収したいという気持ちが強かったからでした。二回目は前回開催のJJUG CCC 2024 Springで、ネットコムからも一名登壇しました。登壇者の執筆した記事もありますので是非ご覧ください。

tech.nri-net.com

なぜ参加するのかについてですが、一番の目的は「聞いたことがある話題を増やすこと」です。前述の通り、JJUG CCCはJava技術者向けのカンファレンスです。そのため、Java初心者には難しい内容もたくさんあります。初参加のときはとにかく知っている話題のセッションを聞きにいく、ということをしていましたが、のちのち振り返ってみると「知っている話題で話される内容は既に知っている話が多いなあ」という感想を持ちました。もちろん間違った認識をしていることを正せたり、違う解釈の仕方を聞くことができたりと、知っている話題を聞くことも有用なことではあります。しかし、知っている話題は自分で勉強をして知識を積み重ねることが可能ですが、知らない話題は勉強するという選択肢が発生せず、知る機会が来なければ一生知りえないこともあります。勉強しようとしても勉強するものがない、いわゆる「ぬるぽ参照」をしようとしているようなものですね!!

一回目の参加でこのような感想を持ったため、二回目からは知らない話題も積極的に聞きに行くことを心掛けました。今回もいろんなセッションを聞いてきたので、聞こうと思ったきっかけとともに紹介していきます。

聴講したセッション

基本的にセッションは45分1本、もしくは20分2本が1枠になっていて、10:00から17:30までで6枠あり、それが8部屋用意されています。今回は53本のセッションの中から7本のセッションを聞いてきました。

https://sessionize.com/api/v2/jy9d46o8/view/GridSmart

[10:00~10:45]

先輩社員がどうやって不具合を解決しているのか/opengl-8080

先輩社員がどうやって不具合を解決しているのか #Java - Qiita

筆者がちょうど実装チケットの対応をしている中で不具合がでることが時々あったため、他の人はどうやって解決しているのかな、ということで聞きに行きました。タイトルの通り、開発中に不具合が出たときにどのように不具合の箇所を特定して解決していくか、というセッションでした。自分の不具合解消法があながち間違っていなかったと確認ができたのと同時に、なんとなくでやっていたものを明文化することの大切さを感じました。

[11:00~11:45]

今日から始めよう🚀日本語🇯🇵プログラミング🧑🏻‍💻/山本ユースケ

タイトルに惹かれました。「なでしこ」みたいな話をするのかな、と思っていたのですが、アブストラクトを見たところJavaのコーディングに日本語を使おうよ、といった趣旨の内容でした。「そういえば単体テストに日本語を使っているケースをよく見る気がする、気になる~」ということで聞きに行きました。個人的に印象に残ったのは、英語がネイティブ言語ではない日本人が無理に英語を使わない方が効率が上がる(かも)、開発中だけでも日本語で行い、修正が必要な場合はまとめてリファクタリングすればよい、という部分です。

ソースコードの読み方を理解してコーディングを楽しむ/つりーべる

jjug_ccc_2024_fail_understand_code_reading | ドクセル

こちらも実装する中で「Listのメソッドに同じ名前があるけど...どう違うんだ?」と思った経験があったため聞きに行きました。自分が書いたソース以外を読むときの読み解き方の紹介があり、特にライブラリで用意されているメソッドの中身を読むことは、実装をしていく上で大切だなと感じました。

[13:15~14:00]

役立つログに取り組もう/irof

役立つログに取り組もう - Speaker Deck

最近、運用をしている中でログを見る機会が増えてきたため、そもそもどういったログを仕込めばいいかの参考になるかなと思い聞きに行きました。言葉の定義から考える発表で、Java初心者、ひいてはプログラミング初心者にも「なぜログを仕込む必要があるのか」を理解できるセッションでした。運用でログを見る以外にも、実装中にデバッグをする上でも重要なことだと感じました。

[14:15~15:00]

CI/CDやテスト自動化の開発プロジェクトへの適用/ゆとり

CI/CDやテスト自動化の開発プロジェクトへの適用 - Speaker Deck

CI/CDについて興味があったため聞きに行きました。自動化をすることでどんなデメリットがあるのかや、どういった課題を解決することができるのかなどの話がありました。主にウォーターフォールで開発をする中で、クリティカルパスの日数をいかに短縮するかについての言及があり、普段アジャイルでの開発現場にいる筆者にとってはウォーターフォールでの課題や解決したことによって得られるメリットを知ることができてよかったです。

[15:30~16:15]

Speaker proposalの書き方/Akihiro Nishikawa

How to create better speaker proposals - Speaker Deck

JJUGのようなカンファレンスで登壇するにはCfP(Call for Papers)というものを書いて応募する必要があります。人に伝える文章の書き方を聞いてみたい、ということで聞きに行きました。単に自分が発表したい内容の説明を書けばいいというわけではなく、自分が登壇することで主催者も聴講者もハッピーになるんだということをいかにして表現するかが大事だとわかりました。また、カンファレンスに登壇者として参加することのメリットなど、登壇者の経験を交えたセッションでとても面白かったです。

[16:30~17:15]

最近のSpring Bootの便利機能を復習!/making

最近のSpring Bootの 便利機能を復習! - Google スライド

直近で担当しているプロジェクトでもSpringBootを3系にあげたということもあり、SpringBootのバージョンアップに興味があったので聞きに行きました。筆者自身、Javaを用いて開発することには慣れてきたけどSpringBootの細かい部分は知らない、といった状態なため「聞いたことがある話題を増やす」ことを目的で聞きに行きました。想像通り、SpringBootの新機能の説明ということで「いままでこうだったのがこのように改善した」ということを実演してもらっても「ほぉ~ん、すごいなぁ...」といった感想しか出ませんでしたが、いいんです。次聞いたときに「知ってる知ってる、あの話題のことね!」となっているはずなので。当然、セッションを聞いただけで理解できるわけではないので、自分なりに調べてかみ砕くことが必要かなと思いました。

ここで挙げた7本のセッション以外にも聞きたかったセッションが幾本かあったのですが、アーカイブ配信がないため聞くことはできません。しかし、すべてではないですが個人で資料を公開してくれているセッションも多くあるため、資料を見ることはできます。質問がしたい場合の問い合わせ先も記載されていることもあるので、そこで問い合わせてみてもいいかもしれません。個人で勉強したい際にもおすすめです。

まとめ

ここまでJJUG CCCに参加することに対しての個人的な所感と、実際に聞いたセッションの聞くきっかけと感想を書いてきました。JJUG CCCのようなカンファレンスには企業がブースを出展していることがよくあります。今回も多くの企業が出展しており、自社のサービスの紹介を行ったり、ステッカーやタンブラーを配ったりしていました。そのようなグッズを集めることもカンファレンスの楽しみのひとつかなと思います。また、昼食休憩や小休憩の時間でLT大会が開催されており、一般参加者でも飛び入りで登壇することができます。録画はもちろん発表資料もないため、その場でしか見聞きできない唯一無二のLTとなっています。

最後に、技術カンファレンスはJJUG CCCのような大きなものだけではなく、小規模かつオンラインのみといったようなものも多々あります。規模の大小に関わらず、参加することで何か新しい発見や気付きがあるはずなので、ぜひ興味のあるカンファレンスに参加してみてください。

おわりです。

執筆者:岩﨑崇朗
システムエンジニア