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AWS新認定資格に合格!AWS Certified AI PractitionerとAWS Certified Machine Learning Engineerの試験比較と勉強法

こんにちは、西内です。
全国のAWS資格コレクターの皆さん、お待たせしました。
この度、新たに追加された2つの資格「AWS Certified AI Practitioner」「AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate」のベータ版に合格しましたので、勉強した内容や所感を書きたいと思います。

筆者のスペック

私のAWSやAI分野に関する経験値は以下になります。

  • AWSに関する業務に携わって約3年半
  • 普段はマルチアカウント管理が主な分野
  • 5~6年前に1年ほど機械学習の業務に携わった経験あり
  • 業務でAWSのAI系サービスに触ることは今のところ無い
  • 2023年度、AWS全資格取得

今回取り上げる資格では機械学習に関する知識が問われるのですが、過去に業務で携わったことがあるため、今回の受験では当時の知識・経験にとても助けられました。
とはいえ、バリバリKaggle(データ分析のコンペ)に挑戦してたわけでもないので機械学習に関しては初心者に毛が生えたレベルではあります。

両試験の概要

これに関しては公式サイトを見るのが良いかと思うので、リンクを貼っておきます。

aws.amazon.com aws.amazon.com

後述しますが、試験ガイドを読み込むことは試験に合格するうえで非常に重要です。
問題集等たくさん解かれる方もいると思いますが、試験ガイドを読み込み理解の曖昧な用語やサービス名を調べる方が合格への近道だと考えます。

勉強したこと

まず最初にAWS Skill Builderにて模擬問題を解きました。
ざっくりどの辺のサービスについて聞かれるのか、どういった知識を問われるのかを模擬問題を解く中で把握しました。

AWS Skill Builderは下記からアカウント作成・ログインができ、今回の試験の模擬問題は無料でトライできます。 skillbuilder.aws

機械学習関連の知識が必要ということで、積読していた下記の書籍を読みました。

「Kaggleで勝つデータ分析の技術」
https://amzn.asia/d/fZk3fQi

ただ、本書籍は内容があまり初心者向けではなく内容も難しいので、正直すべての内容をちゃんと理解できなかったかと思います。
それでも試験問題を解くにあたって必要な機械学習の知識を得ることができました。
逆に本書籍の内容を完全に理解できれば機械学習に関する問題は難なく解けるでしょう。

また、Deep Learningに関する知識を補うため下記の書籍も一部読みました。

「深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト」
https://amzn.asia/d/5qZRLBl

最後に、公式サイトの試験ガイドを読み込んで理解が曖昧なサービスや用語を調べなおしました。
実際、私は試験ガイドを読み込む中で分からない用語を調べることによって、試験問題も読み進めやすいと感じたため、このプロセスは試験前には必ず実施するべきかと思います。

両試験に共通して求められる知識

まずはAIに関するAWSサービスの知識が問われます。
具体的にはAmazon SageMakerやAmazon Bedrockです。
上記のサービスに関しては詳細な機能についても理解しておく必要があると感じました。
また、データのETL処理に関しても把握しておく必要があります。
具体的なサービスとしてはAWS GlueやAmazon Redshiftなどです。

また、今回の2試験はどちらも生成AIや機械学習に関する一般知識が問われます。
(問題文や解答にAWSに関する内容が含まれない場合があります)
生成AIであればRAGなどの用語を理解しておく必要があり、機械学習であれば評価指標についての知識が問われます。

さらに、AI分野関係なくAWSサービスのベストプラクティスに関する知識も必要でした。

問題形式に関しては新たなものが今回ご紹介する試験から出題されます。

  • 問題文記載のアーキテクチャを組む際、どの順序で実装したらよいか選択肢を順番に並べる
  • 一つのユースケースが記載されて、それに沿った問題が連続して出題される

文章だと伝わり辛いので、実際にSkill Builderの模擬問題を解くことをお勧めしますが、新たな形式の問題に対して特別対策をする必要はないように感じました。
これまで同様、問題文をよく読み思考すれば自ずと答えが導き出せるでしょう。

AI Practitionerで特に求められる知識

やはり、Amazon BedrockやAmazon Qおよび生成AI分野に関する知識が「Machine Learning Engineer - Associate」より圧倒的に多いと感じました。
生成AIに関する用語(RAGやtemperatureパラメータ)を理解しておくことは必須でしょう。
一方で機械学習分野の問題があまり出ないかというとそんなこともなく、生成AI・機械学習どちらもまんべんなく出題された印象です。

Machine Learning Engineer - Associateで特に求められる知識

こちらは試験名称の通り、機械学習分野やAmazon Sagemakerに関する知識が特に必要になります。
分類タスク・回帰タスクそれぞれの評価指標や、その指標の扱い方を理解しておくことは必須でしょう。
また、データの前処理に関してもテクニックを押さえておく必要があるでしょう。

ベータ版と正式版の違い

2024年9月現在の両試験はベータ版のため、今後リリースされる正式版とは下記が異なります。

  • 問題数が多い(両試験とも全85問)
  • 受験料が安い(両試験とも¥10,000)

問題数に関しては、Professional系の資格でも75問であることを考えるとかなりの量です。
受験する際は長期戦を覚悟しましょう。。。(自分は試験中に問題数に気付きました)

また、今回の試験に関してはベータ版で合格するとEarly Adopterのバッジがもらえます。

ちょっと嬉しい

さらに、合格者には特定のイベント会場でステッカーも配布されるそうです。
pages.awscloud.com

所感

どちらの試験も機械学習の知識は必須!と感じました。
そのうえで、生成AIに関する知識がAI Practitionerでは更に必要とされるという印象です。
AI PractitionerはAWSの生成AI系サービスだけでなく、生成AIの基礎知識を理解するにあたって良い試験と感じました。

さいごに

あんまりAWS資格に関する記事は書かないので、今回が最後かもです。

執筆者西内 渓太

2022年ネットコム入社のクラウドエンジニア。
AWSでのマルチアカウント統制が主な担当分野。
2024 Japan AWS All Certifications Engineers


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