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はじめに
Hello!Bonjour!こんにちは!入社1年目の喜多です。
最近は、趣味の古着屋巡りで運命の一着に出会えず、気づいたら涙がこぼれています。
普段はGA4 をはじめとしたGoogle マーケティング プラットフォームのテクニカルサポートを担当しています。
さて本記事では、Google Cloud認定資格「Generative AI Leader」の試験対策についてまとめています。 皆さんの資格取得の参考になれば嬉しいです。
Generative AI Leaderについて
「Generative AI Leader」は、技術的バックグラウンドに関係なく、生成AI(Generative AI)を戦略的に用いてビジネスの変革やイノベーションを推進するリーダー人材を認定することを意図したGoogle Cloud認定資格の一つです。
試験では、主に以下の4つの分野に関する知識が問われます。
| 分野 | 概要 | 比重(目安) |
|---|---|---|
| 1. 生成AIの基礎 | AI/MLの基本概念、LLM、Diffusion Model、Foundation Modelの種類、ビジネス活用事例。 | 約30% |
| 2. Google Cloudの生成AIサービス | Gemini、Vertex AI、Agent Builder、RAG機能など、Google Cloudが提供する生成AI関連サービスの機能とユースケース。 | 約35% |
| 3. モデル出力改善の手法 | ハルシネーション(幻覚)などのモデルの制約、プロンプトエンジニアリング、ファインチューニング、グラウンディングなどの対策。 | 約20% |
| 4. 成功に導くビジネス戦略 | 生成AI導入時のベストプラクティス、影響の測定、責任あるAI(Responsible AI)の概念。 | 約15% |
受験した際の個人的な体感では、「モデル出力改善の手法」の分野が多く出題されていた気がします。
詳しくは以下が参考になると思います!
Generative AI Leader | Learn | Google Cloud
Generative AI Leader資格取得の動機
私がこの資格を取得しようと思った理由は、生成AIの本質を理解しようと思ったからです。
私は、日々の業務や日常生活で生成AIを「何気なく」利用していましたが、「何気なく使っている」状態に強い違和感を持ちました。
同時に、「これほど便利な生成AIは、一体どのような仕組みで動いているのか?」「ビジネスをどのように変える戦略的な背景があるのか?」という興味も湧きました。
これらの理由から、生成AIの体系的な知識と戦略的視点を獲得するために、本資格の取得を決意しました。
試験対策について
私は、主に下記3つの試験対策を行いました。
①用語のインプット
②模擬試験を解く
③間違えた問題について、Geminiなどに聞く
Google Cloudに一定の理解がある方は、②と③の対策のみで十分かと思います。
1.用語のインプット
資格勉強を始めるとき、「過去問演習だけで合格」などの記事を鵜呑みにして、早々に模擬試験に取り組んでみました。しかし、何を問われているのかがさっぱり分からず、問題を解くことができませんでした。
そこで、Google Cloudの知識がなかった私は、模擬試験を受けてわからなかった用語を一覧化し、用語の意味を調べてインプットした後に模擬試験に取り組むことにしました。
用語のインプットは、全体像をざっくりと把握する程度で構いません。
私が実際にインプットした用語一覧です。↓
| カテゴリ | 用語 | 概念(ざっくりとした意味) |
|---|---|---|
| 1. 生成AIの基礎 | ||
| 基盤モデル | Gemini | Googleが開発した、テキスト、画像、音声などを同時に扱える(マルチモーダルな)高性能な基盤AIモデル群。 |
| 基盤モデル | Gemma | Googleが開発した、オープンソースとして公開されている軽量で高性能な基盤AIモデル群。 |
| 機械学習 | 教師あり学習 | 「問題と正解のペア(ラベル付きデータ)」を与えて学習させる手法。 |
| 機械学習 | 教師なし学習 | 正解を与えず、データそのものに潜むパターンや構造を発見させる手法(例:クラスタリング)。 |
| 機械学習 | 強化学習 | AIが環境の中で試行錯誤し、報酬(評価)を得ながら最適な行動を学習する手法。 |
| データ形式 | 構造化データ(Structured data) | データベースの表形式(行と列)など、あらかじめ構造が定義されているデータ。 |
| データ形式 | 非構造化データ(Unstructured data) | 形式が定まっていないデータ(例:文書ファイル、画像、音声、動画など)。 |
| データ形式 | ラベル付きデータ(Labeled data) | 正解(ラベル)が付与されたデータ。「教師あり学習」に必要。 |
| データ形式 | ラベルなしデータ(Unlabeled data) | 正解が付与されていないデータ。「教師なし学習」などで使用される。 |
| 概念 | Generative AI | 新しいコンテンツ(テキスト、画像、コードなど)を独自に創造・生成できるAI技術。 |
| 概念 | Agent | 特定の目標を達成するために、自律的に計画を立て、一連の行動を実行するソフトウェア(AI)。 |
| 概念 | RAG | 外部の知識ベースから情報を検索し、それを基に回答を生成することで、正確性を高める手法。 |
| 画像生成 | Imagen | Googleが開発した、テキストから高品質な画像を生成する専門モデル。 |
| 動画生成 | Veo | Google DeepMindが開発した、テキストから高品質な動画を生成する専門モデル。 |
| 動画ツール | Google Vids | Google Workspace向けのAIを活用した動画作成・編集ツール。 |
| 2. Google Cloudの生成AIサービス | ||
| プラットフォーム | Vertex AI | Google Cloud上で、AI/MLモデルの構築、デプロイ、管理を統合的に行うためのプラットフォーム。 |
| Vertex AI | Vertex AI Model Garden | Vertex AI上で利用できる、Googleやサードパーティの様々な基盤モデルが集められたカタログ。 |
| Vertex AI | Vertex AI Model Registry | 開発・トレーニングされたAIモデルのバージョン管理やデプロイ管理を行うための集中リポジトリ。 |
| Vertex AI | Vertex AI Search | 企業内データに対するRAGや検索機能を、Vertex AI上で簡単に構築できるサービス。 |
| API | Document AI API | ドキュメント(書類、帳票など)から、非構造化データや半構造化データを取り出して解析するためのAPI群。 |
| API | Cloud Vision API | 画像の内容を解析し、ラベル付け、顔検出、テキスト抽出(OCR)などを行うためのAPI。 |
| AI エージェント プラットフォーム | Gemini Enterprise | 企業における複雑な業務プロセスを、AIアシスタント(エージェント)の支援を受けながら実行できるAIプラットフォーム。 Google WorkspaceやMicrosoft 365などの複数のシステムをまたいだタスクの実行や、サードパーティーのAIエージェントの統合も可能。 |
| カスタマーサービス | Contact Center as a Service | クラウドベースでコンタクトセンター(コールセンター)の機能を提供するサービス形態。 |
| カスタマーサービス | Conversational Agent | ユーザーと自然な対話を行うことを目的としたAIエージェント(例:チャットボット、音声アシスタント)。 |
| カスタマーサービス | Agent Assist | 顧客対応を行うオペレーターをリアルタイムでAIが支援し、回答候補や関連情報を提供する機能。 |
| 3. モデル出力改善の手法 | ||
| プロンプト技術 | Few-shot Prompting | AIに対して、望むタスクの具体的な例を数個示してから、本題の質問をする手法。 |
| プロンプト技術 | Role Prompting | AIに「あなたは優秀なCEOです」のように特定の役割を与え、その立場から回答させる手法。 |
| プロンプト技術 | Prompt Chaining | 複数のプロンプトやAIモデルを連鎖的に実行させ、複雑なタスクを段階的に解決する手法。 |
| パラメータ | Token Count | AIが処理・生成する最小単位(単語や文字の一部)の数。コストや処理速度に関わる。 |
| パラメータ | Temperature | AIの出力のランダム性や創造性を制御するパラメータ。値が高いほど予測不能になる。 |
| パラメータ | Top-p | 出力候補となるトークンを、確率の合計が特定の値(p)になるまで絞り込む手法。 |
| パラメータ | Top-k | 出力候補となるトークンを、確率が高い方からk個に絞り込む手法。 |
| パラメータ | Safety setting(Filter) | AIが不適切、有害、または機密性の高いコンテンツを生成するのを防ぐための設定やフィルター。 |
| パラメータ | Output length | AIに生成させるテキストの長さ(トークン数など)の上限を指定するパラメータ。 |
| 4. 成功に導くビジネス戦略 | ||
| 課題 | Data Dependency | AIの性能や出力が、学習に使われたデータ(品質や量)に強く依存している状態。 |
| 課題 | Knowledge cutoff | AIが学習を完了した特定の日付。それ以降に発生した出来事については知らないという制限。 |
| 倫理・課題 | バイアス(偏見) | 学習データに偏りがあることが原因で、AIの出力にも偏りが生じてしまう問題。 |
| 倫理・課題 | 公平性 | AIシステムが、人種や性別などの属性に関係なく、すべての人に対して公平な結果をもたらすこと。 |
| 課題 | ハルシネーション(幻覚) | AIが事実ではない情報をもっともらしく生成してしまう問題。 |
| プロセス | Human In The Loop(HITL) | AIの処理プロセスの中に人間が介入し、結果のレビューや修正を行う仕組み。 |
| セキュリティ | Secure AI Framework | AIシステムの設計、開発、デプロイメントにおいて、セキュリティとプライバシーを確保するための枠組みやガイドライン。 |
| 戦略 | Gen AI strategy | 組織における生成AIの導入、活用、およびイノベーションを推進するための全体的な戦略や計画。 |
| 戦略 | Strategic focus | 生成AI戦略の中で、特に優先順位が高く、集中的に取り組むべき分野。 |
| 戦略 | 責任あるAI | AIの倫理、安全性、公平性といった側面を重視し、社会に貢献する形で利用するための原則。 |
| 戦略 | 探求・調査 | 生成AIの新しいユースケースや技術の可能性を試行錯誤しながら見つけ出す段階。 |
※用語の意味は、公式の学習ガイドと模擬試験の解答解説を参考に作成しています。
2.模擬試験を解く
次に、公式の模擬試験とUdemyの模擬試験に取り組みました。 公式の模擬試験は20問程度でした。Udemy の模擬試験は、3つあり、各55問用意されています。公式の模擬試験だけでは演習数が少なく、試験対策としては不十分だと思います。
3.間違えた問題について、Geminiなどに聞く
間違えた問題は、Geminiなどでわからなかった用語について調べて理解します。
ここからは、「模擬試験を解く→間違えた問題の復習」を2~3回繰り返します。
最後に
私はこの試験対策を実践した結果、一発で合格することができました。
得点は開示されていませんが、試験を終えた感触として、正答率は80〜90%程度だと感じています。
また試験当日は、全設問への解答を20分程度で完了させ、10分程度をケアレスミスがないかの見直しに充てました。 この見直し時間の確保も合格に欠かせない要素だと思います。
この記事が、皆さんのGenerative AI Leader資格取得の参考になれば幸いです。 今後もGoogle Cloud認定資格取得に努めたいと思います。