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BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス vol.3(全5回)

BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールスvol.3 デジタルマーケティングを担当している柿崎です。 全5回で掲載の「BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス」について、 今回は第3回目として、第2回目とは異なるテーマの事例をご紹介します。

第2回目の事例はこちら: BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス vol.2(全5回) - NRIネットコムBlog


<章立て>

事例ご紹介

SFAのような営業管理システムに、販売代理店(以下、販社)のご担当者が営業状況を入力することは少なく、販社の営業状況の把握をデジタルで行うことが困難であるケースをよく見かけます。

今回は、BtoBデジタルマーケティングにおける共通課題の1つである「販路の大半を販社が占めるが、その営業状況の把握が難しい」という点を踏まえたデジタルマーケティングの検討例をご紹介します。

ご紹介の事例について(背景、現状に対して、立てた方針):

背景・現状 方針
販路の大半を販社が占めるが、営業状況が見えない 営業システムにある取引先データを用いて状況を推測
既存事業のフィールドセールスとの連携スキームはある 稼働の鈍い取引先には自社セールスから働き掛け
既存顧客の稼働課題(法人向けサービス利用状況) データで観察、カスタマーサービスでフォロー

構成イメージは以下の通りです: BtoBデジタルマーケティング稼働率向上のためのインサイドセールス構成

登場人物

  • 販売代理店
  • マーケティング担当者
  • お問い合わせ対応を行うカスタマーサービス担当者
  • インサイドセールス業務を行うカスタマーサービス担当者
  • 自社フィールドセールス

デジタルマーケティング構成

  • 当該事業における法人向けサービスサイト
  • 法人向けサービスサイトのコンテンツ
    (サービス訴求、ダウンロード資料、申込、問合せ等)
  • MA、カスタマーサービス(CS)、CRMを包含して構築できるMAツール
    ※CRMは本デジマ用として構築
    ※MA、CS、CRMでリードデータを一元管理することが目的
  • 営業システムのデータ

ポイント:目的に応じた組織と役割

本事例は、「稼働率向上」が目的で設計されたマーケティングです。 稼働とは、「新規申込者の獲得」と、「申込後のアップセル、または、利用の継続」 そして、それらに紐づく「営業稼働」の3つの視点があります。

それらの活動を行うための各々の役割は以下の通りです。

役割のマッピングイメージ:

BtoBデジタルマーケティング稼働率向上のためのインサイドセールス構成

1. マーケティング担当者 コンテンツマーケティングによるリードナーチャリング
  • コンテンツの訪問者や閲覧状況を基にWebサイトの強化を図り、フォーム入力者=リードを増やす。
  • Web申込に至るまでのメールマーケティングを実行する。
  • 新規リードに既顧客が含まれていないかを観察する。
2. マーケティング担当者、自社営業連携 既顧客の動向(デジタル、リアル)を推察し、自社営業に連携してアクションを促す。
  • マーケティング担当者は、リードデータから既顧客を抽出。
  • 販売代理店が動いている先は把握しているため、営業システムを参照し、営業状況が鈍い先については、自社営業にトスアップを促す。
  • 自社フィールドセールスは、トスアップを受けた後に、既存事業の商材と合わせて、顧客先にアクションを取る。なお、自社営業は営業システムに必ず入力するため、トスアップ後の動向は履歴化される。
3. カスタマーサービス担当者 カスタマーサービス担当者による、Webや電話の問合せ対応業務
  • Web、メール、電話によるお問い合わせに対する応対業務(新規、既顧客含む)。
  • MAとCSが同一ツールで包含されているため、リードデータを一元管理して状況把握ができる環境である。
4. テレマ担当者 既顧客のログイン行動から低稼働の顧客にアクション
  • カスタマーサービスの中に、インサイドセールス業務を行うテレマ担当を配置。
  • 法人向けサービスサイトのログイン状況から、Web接触が鈍っている顧客に、メールやコールで働き掛けを行う。
  • 顧客によって、フィールドセールスにエスカレーションを行う。

ポイント:データ活用

今回導入のMAツールは、「稼働向上」を目的としたマーケティング環境構築のために、MA、CS、CRMの3機能を持つツールを選定しています。

選定理由は、「一連の流れを把握しながら、1つの大きなパイプラインを管理できること」にありました。

  • 新規リードの申込獲得までのナーチャリング活動
  • 新規顧客のサービス利用の継続強化のためのナーチャリング活動
  • 既顧客のアップセルやリテンションのためのナーチャリング活動
  • 途中工程で離脱したリードに対するナーチャリング活動

上記活動に基づいたチーム編成と役割をプロットしつつ、各データの位置づけや区分、マージ方法(どのようなデータの紐づけが必要か、有効か)を検討しています。

  • リードデータの区分と、計測方針
  • 営業管理システムデータのマージ設計
  • カスタマーサービスのリードデータ管理と、マーケティング側とのマージ設計
  • インサイドセールスのテレマ側で行うリードデータ管理と、セールス側とのマージ設計

販社のご担当者が、営業管理システムに都度入力いただくことは、実態として難しく、また、インセンティブ制度があっても、簡単な入力しかなく、状況把握には材料が乏しい場合もあるかと思います。

一方で、CRMやSFAには、顧客状況を推測できる何等かのデータが存在していると思います。 完全、全面方位は難しくとも、御見積を提示しているが動きがない、受注したがサービス利用が鈍い、など、何等かの推測はできる場合があるかもしれません。

自社の商流やルールにフィットしない場合もあるかもしれませんが、お客さまに対するサービス提供価値向上のために、データの活用可能性を探ってみてはいかがでしょうか。お問い合わせも受け付けておりますので、何かお困り事がございましたら、ぜひご相談ください。


第4回目、5回目は、MAツールの設計や設定に関する注意事項をアップ予定です。
ぜひ、今後の記事もご覧ください。

これまでの記事はこちら:
第1回目はこちら:
BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス vol.1(全5回) - NRIネットコムBlog
第2回目はこちら:
BtoBデジタルマーケティング MAで実現するインサイドセールス vol.2(全5回) - NRIネットコムBlog


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