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もしもAWSエンジニアが突然Google Cloudを扱うことになったら

本記事は  Google Cloudウィーク  1日目の記事です。
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こんにちは、栗田です。 最高気温33℃という表記が涼しいと感じてしまうぐらい、暑い夏が続いていて溶けそうです。実際の33℃は全然涼しくないです。

本日からGoogle Cloud ウィークが開幕ということで、現在Google Cloudの仕事が中心になっている私が、AWSをずっと触っていていきなりGoogle Cloudもやることになった話を書いていこうと思います。

Google Cloudエンジニアへの道のりは突然に

私の場合、社会人のキャリアをずっとインフラエンジニアとして過ごしてきました。最初はオンプレを2~3年ほど扱っており、その後AWSを5年ほどやったところで、Google Cloudの案件に入ることになりました。正直予想外の打診で、Google Cloudの経験がなかったため、とても苦労しました。
Google Cloudを始めてもうすぐ1年が経つということで、AWSとGoogle Cloud両方を経験したことによる知見がだいぶたまってきた気がします。とはいえまだまだ発展途上ですが...。

Google Cloudを始めて苦労したこと

同じクラウドだからすんなりいけるよね?なんて甘い話はありません。二刀流への道は程遠かったです。オオタニサンのすごさを思い知りました。
むしろ、AWSを知っているからこその悩みのほうが多かった気がします。

サービス名が聞き慣れない

AWSと同じようなサービスを提供していてもサービス名が異なるものが多いです。
Compute EngineやCloud Storageぐらいなら名前からどんなものかはある程度想像はつくのですが、Cloud Spanner...?Cloud Run...?なんだそれは...美味しいんか...?クラウドって、走るんか...?

  • Compute Engine...AWSでいうEC2
  • Cloud Storage...AWSでいうS3
  • Cloud Spanner...Google CloudのフルマネージドDBサービス。AWSでいうAuroraグローバルデータベース相当。
  • Cloud Run...サーバレス環境でコンテナアプリケーションを開発・デプロイできる。AWSでいうと、App Runner、Fargate、Lambdaに相当。
    ※Cloud Runはつい最近Cloud Functionsと統合されたようです。 cloud.google.com

あととにかくCloud○○というサービス名が多い印象です。AWSもAWS○○とかAmazon○○といったサービス多いですが...。

サービスについては、Google Cloudが提供している、クラウド間の比較表を辞書のように使って覚えていきました。

cloud.google.com

もちろんAWSとGoogle Cloudのサービス名が1対1対応しているわけではないですが、かなり参考になります。

仕組みが違う

プロジェクトやらフォルダやら、IAMの仕組みやら...同じ名前や似たような名前なのに、AWSとGoogle Cloudでは意味が違うものがあり大混乱。

例えばAWSにもGoogle Cloudにも「IAM Role」がありますが、AWSではサービスやアプリケーションに対してリソースの操作権限を付与する仕組みをさすのに対し、Google Cloudでは権限そのものをさします。
AWSでいうIAM PolicyがGoogle CloudだとIAM Roleになります。
じゃあAWSのIAM Roleと同じ機能はGoogle Cloudではなんなのかというと、「サービスアカウント」になります。
ロールって覚えてたのに、アカウント...?
もうこの時点で混乱です。俺があいつであいつが俺で状態。

これに関してはもう正攻法で覚えていくしかありません。ときには諦めも必要です。正直1年ほど経ってもいまだにわけがわからない...となるときもあります。

今後同じ道を歩むことになった人に伝えたいこと

めざせ二刀流!!!

これだけだと吐き捨て台詞みたいなのでもう少し書きます。

ここまで苦労ごとばかり書きましたが、経験があってよかったことももちろんあります。

AWSもGoogle Cloudも同じパブリッククラウドであり、クラウドインフラであることには変わりありません。少なくとも、知識0ではない、といった部分では多少のアドバンテージにはなるのかなと思います。 また、AWSもGoogle Cloudも認定試験がありますが、少なからず基礎知識が重なる部分もあり、勉強していたことは決して無駄にはなりません。

業務で片方しか使っていないよ、という場合、もう片方の知識を補填するには、自分で触ってみたり、資格勉強をしてみたり、といった方法が良いのかなと思います。資格は新しいのが増えたり、更新があったりと、足りないor忘れかけた知識を補う良い機会です。

さて、もうすぐGoogle Cloudの試験を受ける日なので、頑張ろうと思います。
ところでAWS試験の更新期限も近づいている...?新試験もある...?大変だ...。

執筆者栗田茉緒

クラウドを触ったり技術広報したりしている人です。2024 Japan AWS All Certifications Engineers

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