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シンプルなテキストエディタ メモ帳の使い所は?

本記事は  エディタウィーク  1日目の記事です。
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ネットコムの岩﨑です。学生時代はメモ帳でCを書いていました。新人時代に自己紹介の掴みで擦りまくったおかげ(?)で今回のブログウィークに参加することになりました。主題とは別の掴み部分もちゃんと見てもらえてるのがわかると、これからのアウトプットでも少し工夫をしたくなってきますね。新入社員研修が終わり、これから現場に配属されるという新入社員の方々、ぜひ使ってみてください。

さて、今回は『エディタウィーク』ということで、紙とペンに代わるデジタルなツールについて書いていければな~と思っています。筆者が普段の業務で使用しているPCがWindowsということもあり、本記事ではWindowsPCに搭載されているメモツールについて紹介していきます。

はじめに

Windowsには、いくつかのテキストエディタやメモツールが標準で搭載されています。本記事では、メモ帳について焦点を当て、そのメリット/デメリットを紹介し、どのような場面で役に立つかを解説します。

メモ帳(Notepad)とは

「Windowsのテキストエディタといえばなんですか?」と10人に問えば9人くらいは”メモ帳”と答えるでしょう。Copilotくんもそう言っています。

Copilotにヒヤリング

メモ帳はWindowsに標準搭載されているテキストエディタです。プレーンテキスト形式のファイルを扱っており、テキスト編集のみが行えるシンプルなツールです。

メモ帳のメリット

メモ帳のメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 起動が速い
  • PCのリソースをあまり消費しない

1点目の『起動が速い』に関してはいくつかの理由が考えられます。まず、メモ帳はWindowsに標準搭載されているということです。「さっきからずっと言ってるよね、わかってるよ、それが何か関係あるの?」と思うかもしれませんが、非常に関係があります。「メモ帳」というアプリはWindowsが登場したころからあります。つまり、Windowsの登場から今日まで、長い年月をかけながら常にWindowsというOSに最適化され続けているのです。次に、非常にシンプルなデザインであるということです。今、手もとにWindowsPCがある方はメモ帳を起動してみてください。モバイル端末やMacの方は以下をご覧ください。どうです、この引き算の美学を徹底的に追及したデザイン。Windows10の頃と比べるとCopilotの機能が追加されるなどして少しカラフルになったり項目が増えたりしましたが、それでも他のアプリに比べると圧倒的に何もない。だがそれがいい。

メモ帳

2点目の『PCのリソースをあまり消費しない』についてですが、これは他のテキストエディタと比べるととても大きな差があります。筆者が普段から使用している別のテキストエディタとしてVisual Studio Code(VS Code)がありますが、メモ帳と比較すると数倍のリソースを消費しています。エディタだけを起動している場合はPC全体に大きな影響は出ませんが、オンライン会議が主流になった昨今、共有された画面を閲覧しながら裏でブラウザを立ち上げているだけでPCのファンが大きな音を出して回転し始めます。ちょっとメモを取りたい...!というときでもきっとすぐに応えてくれるでしょう。そう、メモ帳ならね。

メモ帳のデメリット

メモ帳のデメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • テキストの編集しかできない
  • テキスト編集の機能に制限がある

1点目の『テキストの編集しかできない』に関して、「テキストエディタなのだからテキストの編集ができればそれでいいんじゃないの?」という声も上がりそうですが、他のテキストエディタと比べると少し物足りなさを感じてしまいます。たとえば、先に挙げたVS Codeはプログラミングを行う上で便利な機能が搭載されています。文字を打っているときに途中で補完してくれるコード補完や、完成したコードに不備があった場合に教えてくれるデバッグ機能など、メモ帳にはできないことをたくさん実現してくれます。

2点目の『テキスト編集の機能に制限がある』についてですが、テキスト編集しかできないのにその機能に制限があるという、なんとも残念な話です。たとえば、メモ帳ではプレーンテキストしか扱えません。プレーンテキストの対のような存在としてリッチテキストという形式があります。リッチテキストは純粋な文字情報だけでなく、文字のフォントや色、サイズなどで文字に視覚情報を付与することができる上に、画像や表を配置することで別の視覚情報も持つことができます。有名なところではMicrosoft Wordなどがリッチテキスト形式のファイルを扱うことができます。

こういうときにメモ帳を使おう

ここまでメモ帳のメリット/デメリットを説明してきました。では、これらの特徴を活かしてどのようなときにメモ帳を用いるとよいかを紹介していきます。

  • 簡単なメモを取るとき

メモ帳は起動が速く、今すぐ何かを書き留めておきたい!といったときに使うと便利です。会議で急に資料に書いていない話が始まってしまった、というときにも「Win-Key -> "note" > Enter」とキーボードを叩くだけですぐにメモを取ることができます。

  • 簡単なテキストの編集をするとき

メモ帳は他のエディタのような多くの機能を持ち合わせていません。しかし、テキストの一部をちょっと修正したいだけであればメモ帳で十分事足ります。

  • 簡単なコードの編集

プログラミングのコードであっても単なるテキストの一種です。ということは、メモ帳で編集できます。冒頭のようにCなどのプログラミングを一からメモ帳で行うのはあまりおすすめしませんが、一部をちょっと変えたいという場合はメモ帳が便利です。

  • 文字コードの確認・変更

ここまで非常にシンプルである(大した機能がない)ことをお伝えしてきましたが、テキスト情報として持っていなければならない最低限の情報は確認することができます。メモ帳の右下に「UTF-8」という表記がありますが、これは文字コードの一種です。必要に応じて文字コードを変更して保存することも可能です。

  • プレーンテキストの作成

「何をいまさら?」と思うかもしれませんが、プレーンテキストを専門に扱っているところがメモ帳の大きな特徴です。メモ帳は複雑な書式を扱えないが故に、大抵の書式をなかったことにしてシンプルな文字情報だけにしてしまいます。メモ帳にペーストした内容を再度コピーしてペーストすることで、本来コピーしたかった文字列のままペーストすることができます。

おわりに

本記事では、メモ帳のメリット/デメリットと活用シーンについて紹介しました。「いろいろ書いてるけど、普段メモ帳使ってるの?」と思われている方もいると思うので、筆者の業務やプライベートでのメモ帳の活用例を列挙します。

  • 業務編

hostsの編集 / .gitconfigの編集 / docker-compose.ymlの編集 / 各種バッチファイルの編集

  • プライベート編

後で見たいリンク集 / ちょっと残しておきたいメモ / 立方体のブロックを積んで建築物や道路を作る人気のゲームのserver.propertiesの編集

大した事に使ってないじゃん!となるかもですが、考えてもみてください、メモ帳ですよ。大層なことに使えるわけないじゃないですか(暴論)。世の中にはメモ帳より便利なテキストエディタがたくさんあります。不便さを感じながらメモ帳を使うよりも、便利な他のツールを使った方が効率がいいですし、余計なストレスを感じずに済みます。しかし、これメモ帳で十分でしょ、というケースも多々あります。そんなときに使うくらいがちょうどいいのかなーと思います。

おわりです。

執筆者:岩﨑崇朗
システムエンジニアのひよこ
過去記事:https://tech.nri-net.com/archive/author/t-iwasaki_nnc