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Figma Config 2025参加レポート② 〜Keynote(新機能発表まとめ)〜

Config 2025の1日目に続き、今回は2日目の発表内容をお届けします。
▽1日目の記事はこちら tech.nri-net.com

2日目(現地時間5月7日)の冒頭キーノートでは、Figmaの新しい機能やプロダクトが発表されました。

レスポンシブなレイアウト設計、自由度の高いビジュアル表現、ブランドアセットの効率的な管理、機能的なプロトタイプ作成、さらにはノーコードでWebサイトを公開するところまで、Figmaが“デザインから実装・公開”をシームレスに繋ぐプラットフォームへと進化していく発表となりました。

本記事では、Config 2025で発表された主要アップデートが制作現場にどのような影響があるか、期待とともに振り返っていきます。

※CEOのDylan Field氏らによる発表の様子は、公式YouTubeでも確認できます。 www.youtube.com

Grid:レスポンシブなレイアウト設計がより簡単に

オートレイアウトに「グリッド」が登場。これにより、ギャラリーやBento UIのような複雑な構造も、セルをまたいで自由にレイアウトできるようになりました。

列や行の幅を固定したり、複数トラックにまたがる要素配置も可能で、CSSとの親和性も高く、Dev Modeを通じてそのままコードに落とし込めます。

オートレイアウトと使い分けながら、ページ全体のレイアウト調整に活用していきたいと思いました。
また、カレンダーのような規則的なレイアウトの作成もExcelのような感覚で使いこなせるのも魅力的です。

Figma Sites:Webサイト制作が、ついにFigmaで完結

今回の発表の中でも特に歓声が大きかったのが、この「Figma Sites」。
Figmaのデザインをそのままコピペして、HTMLプレビューを確認しながらWebサイトを公開できるようになりました。

テンプレートやアセット管理、ブレークポイント対応、パララックス効果など、実制作で使える機能も豊富にあり、サイト制作のスピードが加速していくプロダクトの発表でした。

また、今後はCMS機能も搭載されるとの発表もあり、Web制作のワークフローそのものが大きく変わっていきそうです。

Figma Make:デザインに動きをすばやく追加

「Figma Make」は、デザインにプロンプトを入力して機能的な動きを直接構築・公開できるツールです。

デザインをコピペするだけでアニメーションやインタラクションを追加でき、細かい調整はプロンプトやインラインツールバーで直感的に操作できます。

さらに、コード編集もできるため、細かな調整も可能。Figma上でプロトタイプの作成からPoCまで一気通貫で進められる、画期的なプロダクトになりそうです。

3Dゲームも瞬時に作成してしまう様子には驚きました…!

Figma Buzz:ブランドアセット管理がより柔軟に

「Figma Buzz」では、SNS投稿や広告バナーなど、マーケティング用途で保有するアセットをテンプレート化し、管理・配信を効率化できます。

デザインファイルからBuzzへコピペで移行し、テンプレートとして公開するだけで、チーム内での資産活用がスムーズになります。

スプレッドシートとの連携で数千件単位のアセット作成も可能。画像生成・背景除去・テキスト書き換えなどAI機能も搭載されています。

デザイナーではないメンバーでも簡単に作成できるように意識しているようで、「デザインにかかる時間がかなり短縮できそう…」と感じました。(Canvaのイメージ)

Figma Draw:ビジュアル表現の可能性が大きく広がる

「Figma Draw」は、ベクター編集のアップデートが搭載されたプロダクトです。ラッソやシェイプビルダー、パスに沿ったテキスト配置、手描き風ブラシなどが実装され、デザインの幅が一気に広がっています。

線形リピートやダイナミック線、テクスチャ・ノイズ・パターン塗りなど、表現力を強化するアップデートも充実しています。(Illustratorに搭載されているような22の機能が追加)

これらがFigma上で完結し、共同編集で作業できるため、より一層デザイン業務が効率化されていく印象です。

まとめ

Config 2025での発表を通して、Figmaは単なるデザインツールを超え、“Web制作・実装・配信”まで含めたプラットフォームへと進化していくことが明らかになりました。

特に自身の立場(Webディレクター)で見ると、

  • 制作の工数削減
  • 実装チームとの連携効率向上
  • プロトタイプから公開までのスピードアップ

といった面で、現場の生産性を大きく変えるポテンシャルを感じました。

また、今後リリースされるCMS機能も含め、引き続き注目していきたいと思います。

執筆者:Ito Webマーケティング会社でのコンサルティング営業を経て、現在はWebディレクター。上級ウェブ解析士、人間中心設計スペシャリスト。フルマラソン挑戦中。