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AWS移行プロジェクトが決まったときに見たい情報まとめ

本記事は マイグレーションウィーク 5日目の記事です。
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はじめに

こんにちは、NRIネットコムの高梨です。初のブログ投稿となります。
今回はマイグレーションWeekということで、クラウド移行(特にAWSへの移行)についてのお話です。

移行を考えるにあたっての大前提として、大変ざっくりした記載になってしまいますが、以下2つがポイントになると考えています。

  1. 移行元(オンプレミス)環境を知る
  2. 移行先(クラウド)環境を知る

オンプレミスの知識とクラウドの知識どちらについても準備をしておかなければ、移行を進めるうちに両環境とのギャップに悩まされることになってしまいます。

この記事では、主に「2. 移行先環境を知る」ことの助けとなるよう、「AWSへの移行プロジェクトが発足します。あとは任せました」と言われてから私が収集した情報や知りたかった情報をまとめていきます。
※EC2など、AWSの主要サービスの知識はあることを前提に記載しています。

AWS移行の考え方を知る

まず重要なのは、移行における基本方針を決めていくことです。 当然様々な考え方があるかと思いますが、AWSへの移行に関してはAWS側から明確な移行戦略の考え方が提示されています。

それがAWSにおける移行戦略(7R) です。AWSは移行のためにとりうる7つの戦略を以下のように定義しています。

名称 概要
リロケート(Relocate) VMwareの仮想環境をそのまま移行する
リホスト(Rehost) OSやアプリケーションをそのまま移行する
(ホストのみAWSに移行する)
リプラットフォーム(Replatform) OSやミドルウェアを変更/アップグレードして移行する
(OS更改やDBのRDS化を行う)
リファクタ(Refactor) アーキテクチャを再設計し、クラウドネイティブに置き換える
(これまでサーバで実行されていた処理をLambdaなどサーバレスサービスで代替する)
リパーチェス(Repurchase) アプリケーションを乗り替える
(SaaS製品への切替など)
リテイン(Retain) 現行環境のまま運用する
(移行しない)
リタイア(Retire) サーバ・アプリケーションを廃止する
(移行しない)

これらの戦略を主軸に、どのような方針で移行していくか(もしくは移行しないのか)を計画していくことが必要となります。
移行プロジェクトを進めていて感じるのは、初めのこの戦略決めがとても重要であったということです。
まず取りうる対応策をすべてお客様に提示したうえで、どの方針が最も適しているかという観点で要件を整理していくことで、その後の対応範囲を明確にできます。
この考え方の詳細はAWS Black Beltにて、大変わかりやすい資料と動画が配布されていますので、詳しくはそちらを参照ください。

AWSの移行用サービスを知る

個人的に最も理解しておきたかった点がここになります。 AWSからは数多くの移行ツールが提供されており、それらを活用することでよりスピーディーかつ簡単に、コストを抑えて移行を進めることができます。 まずはどのようなサービスが存在するのか?というところから調査を始めました。

AWSブログで知る

情報収集時に最初に見たのは以下のAWS JAPAN APNブログです。こちらの記事にはAWS提供の移行ツールがまとめて紹介されています。 簡単な各サービスの説明と利用例も記載されているため、AWSでできることを理解するとっかかりに最適でした。

これだけは押さえておきたい、AWS移行全12ツール一挙紹介! | AWS JAPAN APN ブログ

こちらも最初に把握しておくことで、お客様への移行方式の提示が楽になりました。
利用可否は様々な事情で左右されるかと思いますが、手段として知っておくことで選択肢を広げることができます。

AWS Black Beltで知る

前述した移行戦略(7R) の資料もそうですが、AWS Black Beltには各サービスの詳細機能の説明やクラウド移行など大きなテーマに沿った説明資料などが多くアップロードされています。

以下はBlack Belt資料の一覧ページですが、「移行と転送」というカテゴリーが用意されているので効率的に情報収集できます。すばらしい機能です。
こちらは逐一チェックするのをおすすめします。

サービス別資料 | AWS クラウドサービス活用資料集

AWS料金を知る

最後に、少し毛色が異なりますが移行作業時・移行後のコストについてです。コスト検討は移行プロジェクトでは切っても切れない課題です。
オンプレミス環境とは異なり、クラウドサービスでは使用量に応じて従量課金が行われます。
利用予定のAWSサービスはどのように課金されるのかを把握し、意図しないコスト増加を発生させないように検討が必要です。

最終的には各サービスの料金表ページなどを確認したほうがよいですが、取り急ぎどこにコストがかかるかを把握するには、AWS Pricing Calculatorがおすすめです。

AWS Pricing Calculator

おわりに

最終的にはAWSさんのブログ紹介が大半となってしまいましたが、本記事で少しでもAWS移行に悩む方々の力になれれば幸いです。 新たな情報があれば本記事もアップデートしていきます!