本記事は
インストラクターウィーク
3日目の記事です。
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はじめに
こんにちは。髙橋です。
昨年度、私はインストラクターという役割を務めていました。 弊社では入社1年目の新卒エンジニアひとりひとりに経験豊富な中堅社員を割り当てて、1年間そのエンジニアのお世話係を担当する制度があります。この制度のことをインストラクター制度と呼んでいます。
私はエンジニアとして5年以上働いていますが、いわゆる「新人育成係」を担当するのは初めてでした。インストラクターを1年間担当した中で私が意識したもの・実施したものをご紹介します。
コーチング・傾聴力
インストラクターになると決まったタイミングで、会社から研修受講の案内がありました。研修の内容はコーチングに関するものでした。研修の内容を要約すると以下のようなものでした。
- 他者から相談や質問を受けたとき、相手の話が終わるよりも前に回答を喋り始めていないか確認すること。
- 人は相談を他者に説明しているうちに自身の悩みに対する理解が深まる(対話の中で理解を深める)。
- 相手の相談に対する解答がわかったとしてもすぐに答えを言わないこと。「こうしたらどうなるだろう?」という質問を繰り返すことで相手自身が答えを見つけるよう促す。
これらの内容は、コーチングの基本であると同時に、新人教育においてとても重要なポイントでした。
今まで私は人になにか聞かれたら「それは〇〇ですね」「その件は知見がないのでわかりません」と一問一答スタイルでバシッと答えることが多く、意識して対話を続けるようなことはあまりしたことがありませんでした。しかし、コーチングの研修を受けたことで私はこれまでの自分の考え方を改めることにしました。新人がなにか相談・質問を持ってきたらまずは相手の話を最後まで聞き、相手が話し終わってから自分の見解を喋るようにしました。また、新人自身が自ら答えにたどり着くような質問をしてみることにもチャレンジしました。(ただしこれはとても難しく、意図した通りにいかないことが多いです…)
※業務が繁忙で自分に余裕がないときは傾聴を意識することが難しいときもありますが、なるべくそうならないよう心がけています。
1on1
毎日夕方に30分間の1on1を実施しました。
この1on1は議題の有無に関係なく必ず実施する運用としています。
新人の仕事の進捗や困ったことを聞いたり、あるいは雑談をしたりします。時には大きなホワイトボードを使ってシステム構成図やフローチャートを描きながら新人のお悩みを解決します。この取り組みのお陰で、その日困ったことや悩み事などをすぐに質問できる環境を提供することができました。
当初は新人が2年目社員になるまでの期間限定開催のつもりで実施していましたが、「新人期間が終わってもずっと開催してほしい」と言ってくれたので2年目になってからもずっと毎日1on1を継続して実施しています。結構ウケが良かったみたいです。
余談:私の育成ポリシー
新人育成をするにあたり、私は以下のポリシーを持っていました。
「新人の成長のために教育やサポートをすることはできるが、成長すること自体は新人自身にしかできない。」
自分がどんなに教育の名手であっても、「成長」は本人がするものであり、私が干渉できるものではありません。RPGゲームでは敵を倒して経験値を積めばレベルが上がりますが、新人に経験値を積ませても勝手にレベルが上がるわけではありません。人間のレベルアップ(=成長)は新人自身が自らに知識を定着させることでのみできるものです。「新人がなかなか成長してくれない」という悩みを毎年よく聞きますが、他人の成長を自分がコントロールすることはできないのです。
とはいえ、インストラクターのサポート如何によって成長スピードは大きく変わります。自分は前述したコーチング・傾聴・1on1などでサポートを行いましたが、ここはインストラクターによって色の出るところかなと思います。
さいごに
以上が私がインストラクターとして新人を育成していたときの考え方や実践したことです。 新人育成はとても難しいですが、とても有意義な経験になりました。