本記事は
AWSアワード受賞者祭り
14日目の記事です。
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はじめに👀
こんにちは、現在二年目で普段の業務ではアプリ開発をメインで行っているエンジニアの桑野です。
この度、私は新卒でAWSを全冠し、2025 Japan All AWS Certifications Engineersに選出いただきました。
全冠するくらいなら普段から業務でAWSの経験があるのでは?と思うかもしれませんが、
実は普段の業務でAWSを使用した経験はほとんどなく、LambdaやS3をちょっと触った程度の大初心者です。
ではなぜそんなほぼAWS未経験者が全冠に至ったのか、その理由と背景を本記事で語りたいと思います。
きっかけ🔎
私は配属当初、社内でもクラウド技術に力を入れている部署に配属されました。
クラウド部には、AWSをはじめとする技術領域に対して高いモチベーションを持って学習に取り組んでいるメンバーが多く、当初は圧倒される思いでした。文系出身の私にとっては、クラウドという言葉すら馴染みがなく「何それ?」というレベルからのスタートでした。周囲のレベルの高さを目の当たりにして、果たして自分がこの環境についていけるのか、正直なところ不安を感じていました。
このように、周りを見れば全冠やJr.Champion、TopEngineerとして名前が載るような優秀な先輩方が多くいる中で、当時の私は完全に自信を無くしていました。
とはいえ、こんな私でも何かしらの形で周りに貢献して認められたいという気持ちがあり、この環境において自分の存在価値を見出すにはどうしたらいいかをずっと考えていました。
当時一年目という立場で、経験ベースで自分のスキルをアピールする事は難しく、また自分から積極的に声を上げていけるタイプではなかったため、時間がある一年目のうちにまずは資格取得を頑張って少しでも知識を付けよう!と思ったのがきっかけでした。
部の方針としてAWSの資格取得は推奨されており、会社としての昇格要件資格としても位置付けられているので、挑戦するハードルもそこまで高くなく、まずは最低でも1,2個くらいは取得しようというところからスタートしました。(この時点ではまだ全冠する気はありませんでした。)
全冠までの道のり🏃
配属後に最初に取得してから12個すべてを取り切るまでに要した期間は、約6ヶ月でした。ネットコムでは研修時にCLF(Cloud Practitioner)の受験が必須のため、配属時点で既にCLFは取得済みでした。そのため、配属後はSAA(Solutions Architect - Associate)から本格的な学習をスタートしました。
当時の私は、クラウド部といってもアプリ開発をメインで行っていたので、全冠に対するモチベーションはこの時点では全くありませんでした。実際「資格12個取るなんてすごいな~」と、完全に他人事として捉えていた程度です。
勉強を始めた当初は、実務経験も知識も浅い状態だったのでインプットに時間が掛かり大変だったのを覚えています。
この時点では「アソシエイトレベルの資格を2,3個くらい取得できればいいかな」と考えていたので、SAAを取得してからその記憶が消える前に他の試験も受けるのが得策だろうと考え、SAAに合格した直後に他の試験の予約を入れていました。
実際、SAA取得から2週間後にSOAを取得し、その1週間後にDVAを取得、さらにその1週間後にDEAを取得、という流れで順調に取得を重ねていきました。
2個目を取得したあたりから、「せっかくならアソシエイトは全部取得したい」と思い始め、まずはアソシエイトを全部取得する事を目標にして連続的に試験を受験していきました。
このような流れで、試験を受けているうちに段々と「せっかくここまで勉強したなら取れるだけ取りたい」という気持ちが芽生え、そうしているうちにAWS試験では最難関と言われているプロフェッショナルレベルのSAPやDOPまで取得していました。
今までは意識していなかったものの、SAPを取得できた辺りから急に全冠が現実味を帯び始め、自分の中でも「ここまできたらもう全冠できるのでは?」という思いが確信に変わりました。
そして、ちょうどAll Certifications Engineersの申し込み期限が残り2か月まで迫っていたこともあり、「もうこれは今年度中に全冠まで行くしかない!」とやる気が燃え上がりそのまま全冠を目指して残りの資格を取り切りました。
このように、当初は全冠を明確に意識していたわけではありませんが、試験を受ける過程で少しずつ気持ちの変化があり、次第に全冠に対するモチベーションが高まったことで結果的に全冠を達成する事ができました。
全冠できた要因💬
最初から全冠を目標としていなかったからこそ、結果的に目標を細分化して次々と達成する、というプロセスを回すことができていたと思います。
最初は「アソシエイトを2,3個取得する」が目標でしたが、それを達成すると「次はアソシエイトを全部取得する」に目標が変わり、小さな目標達成を積み重ねる事でその成功体験が自信へと繋がり、もっと挑戦したい!という好循環が連鎖反応的に起きた事で、結果的に全冠という大きな目標を達成できたのだと思います。 細かく目標設定を繰り返す事で、頻繁に目標達成による報酬を得ることができ、そこに快感を覚えると、「もっと欲しい!」と思う心理が働いていたのだと思います。実際、一つひとつの目標をクリアしながら進む過程がゲーム感覚で楽しいと思いながら勉強に取り組んでいました。
加えて、短期間での集中的な取得ができたことも大きな要因だったと思います。 何事もだらだらと時間をかけて取り組むとやる気は維持しづらいですが、後半は全冠の申し込み期限があったため、そこに向けて「なんとしてでも取り切りたい!」という強い意志が生まれました。時間的制約があったことが良い意味でのプレッシャーとなっていたと思います。
また、同じく全冠を目指す同期の清水さんの存在も後押しとなりました。一緒に全冠に向けて資格取得を頑張っている同期が居る事は心強く、とても励みになっていました。(本ブログの前日に清水さんも記事を上げているのですが、私とはまた違った観点でのモチベーションが書かれていて面白いです!まだ見ていない方は是非清水さんのブログも読んでみて下さい!)
このように振り返ってみると、私の全冠達成は一つの合格が次の挑戦への意欲を生む、という連鎖反応によるものだったと感じています。最初から全冠を目指していたら、途中で挫折していたかもしれませんが、最初から全冠をあまり意識せずに小さな目標達成を繰り返したことが、かえって功を奏したのだと思います。
全冠してみて思ったこと🦭
まずは知識面では元々苦手意識のあったインフラ周りの知識を得られたのが大きかったです。 AWSの試験は、AWSに関する事だけでなく一般的なインフラ領域の知識も必要となってくるため勉強しているうちに自ずとCI/CDやITに関する基本的な知識が得られ、研修などで学んだ知識が繋がってくる感覚があり面白かったです。
試験勉強を進める中で、もともと関心のなかった機械学習やセキュリティといった分野にも触れ、それぞれの奥深さや面白さを知ることで、興味を持つきっかけにもなりました。
また、全冠したことで第三者からの信頼を得る事ができたとも感じています。
このペースで資格取得を行っていると、周りの方から期待しているよ、と言っていただけたり、新しく入ったプロジェクトでAWSを使用する事になったとき、上司からせっかくだしやってみる?と依頼していただけたりと、全冠したことで様々なチャンスをいただけるきっかけが出来たと感じています。感情や意欲を表に出すのがあまり得意ではない私にとって、資格取得は自分が少なくとも努力できる人間であることを示すための、武器になってくれると考えています。
また、当初はあまり自信が持てない状態でしたが、少なくとも目標を達成できたという点で自己効力感に繋がり、自分でも意外と頑張れるんだな、という新たな気づきと自信を得られました。
困難そうに見える事でもやってみれば意外とできるという事を身をもって学べたのはとても良い経験だったと感じています。
結果的に、知識や他者評価だけでなく、内面的な感情の変化や気づきを得られたことは思わぬ副産物でした。前者は時間や環境によって揺らぐ一時的なものに過ぎませんが、後者に関しては今後自分の経験として心に残り続けるという点でわりと大きな収穫だったのではと考えています。
さいごに🦖
もちろん、実務経験がなければ現場では通用しないということは私自身も痛感しています。
資格だけでは業務に貢献できないという現実がある一方で、それでも知っている状態と知らない状態の差は大きいとも感じています。
まだ実務ではAWSに触れる機会は限られていますが、今後の業務の中で、今回得た知識を少しずつ使える力へと変えていきたいと思っています。
資格取得の目的は人それぞれです。自身の専門領域を深掘りしたいなら時間をかけてじっくり学ぶのが良いと思いますし、付加価値を得る事が目的であれば短期間で効率よく取得するのも一つの戦略だと思います。
大切なのは、目的を明確にし自分に合った方法を選ぶことだと私は考えています。
私はエンジニアとして将来何を得意な分野としていきたいか、まだまだ模索中の段階です。
だからこそ、若手のうちに色んな分野に興味を持って知っていく中で、ゆくゆくはやりたい事を見つけられたらと思っています。
資格取得もそのきっかけとなれば嬉しいです。