本記事は
生成AIウィーク
4日目の記事です。
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こんにちは。デジタルマーケティングコンサルタントの太田千尋です。
2025年1月21日(火)LINEヤフー株式会社はYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)で広告クリエイティブ制作の効率化を目的に、 生成AIを活用した画像の自動生成機能を提供開始しました。 www.lycbiz.com この機能を活用すると画像の背景などを自然に補完し、異なるサイズの画像を生成することができます。 また、複数のサイズの画像を用意する必要がなくなるためクリエイティブ作成の工数削減が期待できます。
本記事では、画像生成手順・実際に画像生成AI機能を使った検証結果・生成AIの広告活用についてご紹介します。
画像生成手順
1.Yahoo!ディスプレイ広告にログイン。サイドメニューから「広告」を選択し、「広告作成」をクリック

2.作成したい広告の種類を選択。
画像生成AI機能は、2025年2月時点でバナー広告とレスポンシブ広告で利用できます。
広告タイプごとに生成可能なアスペクト比は以下のとおりです。
- バナー広告で生成可能なアスペクト比→1:1、6:5、16:9、1:2
- レスポンシブ広告で生成可能なアスペクト比→1:1、1.91:1
3.ファイルを選択またはドラック&ドロップで画像をアップロード
4.リサイズを作成したい画像の「AI拡張」ボタンをクリック後、追加ボタンを押すと画像の生成が開始されます。

画像生成AI機能を実際に使ってどのように拡張されるのか検証してみた
検証①イベント訴求のテキストが含まれた画像
元画像
AI拡張後の画像
元画像は1600×900ピクセルの画像でしたが、画像生成機能により640×640ピクセルのサイズが生成されました。
しかし、犬の画像が新しく生成されてしまい、猫の日に関連した画像ではなくなってしまいました。
文字化け等は起こっていませんが、意図したクリエイティブではないため、このまま使用することは難しいかと思います。
検証②背景にぼかしが入っている画像
元画像
仲良しのスコティッシュフォールドの無料の写真素材 - ID.89886|フリー素材 ぱくたそ
AI拡張後の画像

元画像は800×533ピクセルの画像でしたが、画像生成機能により1200×628ピクセルのサイズが生成されました。 しかし、2匹のスコティッシュフォールドの背後にいる猫の顔が変化したり、左側に顔が不自然な猫が新しく生成されました。 このような画像をそのまま広告として配信してしまうと、ユーザーに違和感を与えてしまう可能性があります。
検証③背景が真っ白で文字が入っていないシンプルな画像
検証①②の結果からシンプルな画像であればAI拡張機能をうまく使って画像をリサイズできるのではと仮定し、検証してみました。
元画像
可愛い子猫の無料の写真素材 - ID.2154|フリー素材 ぱくたそ
AI拡張後の画像
元画像は800×533ピクセルの画像でしたが、画像生成機能により1120×630ピクセルのサイズが生成されました。
猫の足に変化がありますが、ほとんど違和感のない画像が生成できました。
検証の結果、文字・背景・画像など複数の要素が含まれている画像よりもシンプルな画像のほうがAI拡張機能を使用しやすい事が判明しました。
画像生成AI機能の注意すべき点

画像生成AI機能の利用は1アカウントにつき1カ月最大30回です。30回利用すると翌月まで利用できなくなります。 未使用回数は翌月に繰り越せません。管理画面上に残りの回数が表示されるため確認してから使用しましょう。
キャンセルすると生成された画像は保存されません。画像を保存しない場合も利用回数は1回にカウントされます。
アスペクト比を拡張する画像には著作権など他者の権利を侵害する内容が含まれないようにしましょう。
生成された画像は必ず確認しましょう。検証①②で生成された画像のように不自然な画像に変化したものは修正が必要です。 また、必ずしも企業やブランドイメージに沿った画像が生成されるわけではありません。 ブランド棄損のリスクを回避するためにも確認してから使用しましょう。
生成された画像は広告審査の承認を保証するものではありません。広告掲載基準に準拠していない場合は必ず修正しましょう。
生成AIの広告活用について

また、野村総合研究所が2023年10月に行ったアンケート調査では、生活者が感じているAIのデメリットとして「個人情報の漏洩」「情報の信頼性」「情報の人為的な操作」等が挙がっています。

AIは効率的ですが、すべての意思決定をAIに任せると人間の感覚に合わない広告が出てしまうことがあります。 それは、AIの学習データによっては偏りを持つ可能性があるためです。 AIはあくまで「より良い広告を提供するためのツール」として活用し、生活者の気持ちを最優先に考えることが、結果的に広告の効果を最大化することにつながるのではないかと考えます。
*1:本記事で生成した画像は、Yahoo!広告 生成AIサービス利用規約に合意の上、2025/2/18-2/19に生成しました。