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    AIネイティブ時代の学び直し- AI学習はじめの一歩

    本記事は  AI・MLウィーク  3日目の記事です。
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    こんにちは小山です。 AIに関するアプリを作っていましたが諸般の事情によりお蔵入りとなりました。 さらに右手を骨折し、泣きっ面に蜂の今日この頃です。

    さて本日はAIについてのお勉強です。 これは、猛スピードで進化するAI技術(RAG、LLM、MCP)についていけず、立ち尽くす中年エンジニアこと私ですが、まだまだエンジニアとして現場に立ちたいという気持ちがある以上今のままでは良くないという危機感があり本記事を執筆しました。

    本記事を書いた目的として AIは急速な進化を遂げていますがまだまだ発展途上であり、若手もベテランも皆等しく手探りで学習を進めています。 基礎用語と今のAIにできることを正しく押さえれば、自分のように業務でAIを触ったことがない中年エンジニアでもAIネイティブ人材になれると信じています。 本記事では社内チャットボット構築をするという架空の事例ベースに基礎用語や概念を解説します。


    1. 企画・設計フェーズ:AIの「モデル」と「コスト」を決める

    チャットボットを作る最初のステップは、どの「モデル」を採用するかを決めることです。

    • LLM(大規模言語モデル)
      • 意味: ChatGPT(OpenAI)やClaude(Anthropic)、Gemini(Google)などの、言葉を扱うAIの本体です。
      • 現場での会話: 「今回のボット、モデル(LLM)はGemini 1.5 Proでいきましょうか」
    • トークン(Token)
      • 意味: AIが文字を処理する単位。1文字≒1トークンではありませんが、文字数が多いほど増えます。
      • 現場での会話: 「社内Wikiを全部読み込ませるとトークンを消費しすぎるので、コスト計算が必要です」

    2. 開発フェーズ:社内データを「記憶」させる

    標準的なLLMは、会社の「独自ルール」や「マニュアル」を知りません。 基本的にはインターネット上に公開されている情報を基に一般的な回答を生成します。 そのため、独自の内部データを繋ぎ込みより組織に特化した情報をインプットすることで必要な回答を得られるようにします。

    • RAG(検索拡張生成 / ラッグ)
      • 意味: AIに社内ドキュメントという「カンニングペーパー」を渡して答えさせる仕組みです。
      • 現場での会話: 「最新のJiraチケットの内容を回答させたいので、RAGを構成しましょう」
    • ベクトルデータベース(Vector DB)
      • 意味: RAGを支える特殊な書庫。文章を「意味の近さ」で検索できるように数値化して保存します。
      • 現場での会話: 「ナレッジ活用なら、PineconeやVertex AI SearchをDBとして使いましょう」

    3. テストフェーズ:精度と「嘘」をチェックする

    AIはもっともらしく嘘をつくことがあります。これをテストフェーズで炙り出します。 また、AI活用において最大の難所が冪等性担保です。 同じプロンプトを入力しても回答が変わることがあるので、開発フェーズでの設定をチューニングし直すことも多くあります。

    • ハルシネーション(嘘つき現象)
      • 意味: AIが事実に基づかない情報を生成すること。
      • 現場での会話: 「回答のハルシネーションがひどいので、RAGの参照元を絞り込む調整が必要です」
    • プロンプトエンジニアリング
      • 意味: AIへの「指示の出し方」を工夫すること。
      • 現場での会話: 「『要件定義の専門家として答えて』と一文加えるだけで、精度が劇的に変わります」

    4. 運用・高度化フェーズ:ボットを「自律」させる

    ただ答えるだけでなく、実際に仕事をさせる段階です。 AI活用は実際の運用に入ってから問題や課題が見えることも多くあります。このため、個人的にはテストフェーズよりも早い段階で、ユーザFBを獲得することをおすすめします。こちらの方がプロダクトの品質が上がるような気がしています。(多くのユーザに活用してもらうことで意図せぬ挙動検知が早くなるため)

    • AIエージェント
      • 意味: 指示を待つだけでなく、自分で計画を立ててツールを使う個体。「Jiraを確認して、ドキュメントを作って報告する」といった作業を完遂します。
    • エージェントAI(Agentic AI)
      • 意味: 複数のAIエージェントが連携して、複雑な業務フローを回す「仕組み・設計思想」のこと。
      • 現場での会話: 「回答するだけのボットから、修正作業まで行うエージェントAIへ進化させましょう」

    5. まとめ:わからないならわかるまで噛み砕く

    急速な進歩とともに学習コストも高くなりがちなAI領域ですが、ビジネスシーンにおいて大事なのはいかに・どう活用するか/できるかというポイントです。 身近な困りごとをAIでどう解決するかを考えながら学習すると面白いかもしれません。

    執筆者:小山
    AWSメインのクラウドエンジニア
    旅と海が好きなバックパッカー