はじめまして、神崎です。「Google マーケティング プラットフォーム(GMP)」の利活用コンサルティングと、テクニカルサポートを担当しています。AWS チームの勢いに負けじと記事を書いてみます。
次世代版の Google アナリティクス「Google アナリティクス 4」
昨年10月に「Google アナリティクス 4(GA4)」という次世代版の Google アナリティクスが正式リリースされました。
第4世代の Google アナリティクスということから GA4 と名づけられたようですが、下図のツイートを見ると Urchin 時代から大きな変貌を遂げていることがよく分かります。
Google Analytics
— Google Analytics (@googleanalytics) 2020年10月15日
How it started: How it's going: pic.twitter.com/i4EaOyg2BF
GA4 は従来の Google アナリティクス「ユニバーサル アナリティクス(UA)」とは異なり、「アカウント>プロパティ>データ ストリーム」の3階層で構成されており、計測用の ID(測定 ID)は「G-XXXXXXXXXX」という形式で「データ ストリーム」ごとに発行されます。
※上図例ではアプリとウェブを別のプロパティで計測していますが、同じプロパティで計測することも可能となっています。このことから、以前は「アプリ+ウェブ」プロパティと呼ばれていました。
UA は下図のように「アカウント>プロパティ>ビュー」の3階層で構成されており、計測用の ID(トラッキング ID)は「UA-XXXXXXXX-X」という形式で「プロパティ」ごとに発行されていたため、構成の違いにとまどった方もいらっしゃるかもしれません。
現在 Google アナリティクスの管理画面からプロパティを作成すると、標準で GA4 プロパティが作成されるようになっています。 一方で、多くの方はまだ UA プロパティを利用しており、まさに過渡期と言えるような状況になっています。 サードパーティのサービスは GA4 に対応していないものもまだ多く、プロパティを作成したものの「UA-XXXXXXXX-X」ではなく「G-XXXXXXXXXX」という「測定 ID」が発番され、使いたいサービスとの連携が上手くいかなかったという声もよく耳にします。
そこで、本記事では「GA4 プロパティを作成する方法」と「UA プロパティを作成する方法」をそれぞれご紹介します。
GA4 プロパティを作成する方法
GA4・UA 問わず、Google アナリティクスのプロパティは「管理>+プロパティを作成」より作成できます。
「プロパティを作成」画面が表示されたら、任意の「プロパティ名」「レポートのタイムゾーン」「通貨」を設定の上、「次へ」を押下してください。
続いて、任意の「ビジネス情報」を設定したら「作成」を押下してください。
下図のような画面が表示されたら、GA4 プロパティの作成は完了です。
Webサイトの計測を行いたい場合は、上図「ウェブ」を押下して、下図のように「ウェブ ストリーム」を作成してください。
※現時点では「ウェブサイトの URL」と「ストリーム名」は変更できないので、慎重に設定してください。
「ウェブ ストリーム」の作成が完了すると、下図のように「G-XXXXXXXXXX」という「測定 ID」が発番されます。
ソーシャルログインや 3Dセキュア(クレジットカードの本人認証)の機能を持った Webサイトを運営している場合は、それらのドメインが「参照元 / メディア」などで計測されないよう、「タグ付けの詳細設定>除外する参照のリスト」に設定を追加しておくとよいでしょう。
例えば、3Dセキュアのドメイン「acs.cafis-paynet.jp」を含むドメインを除外したい場合は、下図のように設定して「保存」を押下してください。
「除外する参照のリスト」の詳細については、下記のヘルプページをご参照ください。 support.google.com
また、GA4 プロパティを作成したら、「管理>データ設定>データ保持」より「イベントデータ保持」を「14 か月」に変更しておくことをおすすめします。
「データ保持」の詳細については、下記のヘルプページをご参照ください。 support.google.com
その他にも、場合によっては「ドメインの設定」や「内部トラフィックの定義」「データフィルタ」の設定なども必要になりますが、今回は割愛します。
UA プロパティを作成する方法
UA プロパティを作成したい場合は、「プロパティを作成」画面で任意の「プロパティ名」「レポートのタイムゾーン」「通貨」を設定の上、「詳細オプションを表示」を押下してください。
「ユニバーサル アナリティクス プロパティの作成」をオンにしたら、任意の「ウェブサイトの URL」を設定の上、「ユニバーサル アナリティクスのプロパティのみを作成する」を選択して「次へ」を押下してください。
※「Google アナリティクス 4 とユニバーサル アナリティクスのプロパティを両方作成する」を選択すると、GA4 プロパティも作成されます。
続いて、任意の「ビジネス情報」を設定したら「作成」を押下してください。
下図のような画面が表示されたら、UA プロパティの作成は完了です。 「UA-XXXXXXXX-X」という「トラッキング ID」も確認できます。
ソーシャルログインや 3Dセキュア(クレジットカードの本人認証)の機能を持った Webサイトを運営している場合は、下図のようなセッションの分断を防ぐために、「参照元除外リスト」を活用しましょう。
例えば、3Dセキュアのドメイン「acs.cafis-paynet.jp」を除外したい場合は、「管理>トラッキング情報>参照元除外リスト」の「+参照の除外を追加」より、「参照元除外リスト」に「acs.cafis-paynet.jp」を追加してください。
「参照元除外リスト」にドメインを追加してからは、それらのドメインの前後でセッションが分断されなくなるため、真にコンバージョンに貢献している流入元はどこなのか、正確に把握できるようになります。
「参照元除外リスト」の詳細については、下記のヘルプページをご参照ください。 support.google.com
また、UA プロパティを作成したら、「管理>トラッキング情報>データ保持」より「ユーザーデータとイベントデータの保持」を「自動的に期限切れにならない」に変更しておくことをおすすめします。
「データ保持」の詳細については、下記のヘルプページをご参照ください。 support.google.com
その他にも、場合によっては「クロスドメイン トラッキング」やビューの「フィルタ」の設定なども必要になりますが、今回は割愛します。
まとめ
「GA4 プロパティを作成する方法」と「UA プロパティを作成する方法」をそれぞれご紹介しました。 現時点では UA プロパティの方が使い勝手が良い部分も多いですが、今後は GA4 プロパティの機能拡張も続々と行われ、いずれは GA4 プロパティが主流となっていく見込みです。そのため、当面の間は GA4 プロパティと UA プロパティの平行運用がおすすめです。 今は UA プロパティだけ...という方も、ぜひ GA4 プロパティの導入にもチャレンジしてみてください。