本記事は
育成ウィーク
1日目の記事です。
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2日目
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1. はじめに
こんにちは、入社 4 年目の松尾です。ポケモンのヌオーを愛する男です。
弊社では新卒 1 年目のエンジニアに対して中堅社員を指導担当として割り当て、業務面・成長面を支援する教育制度(インストラクター制度)があります。これに加え私が所属する部では、若手社員がインストラクターと新人の間をつなぐ役割となる「チューター」の配置を2024 年度から開始しました。
今回は育成ウィークということで、私が 2025 年度に務めたチューターとしての経験についてお話しします。

1.1. チューター制度とその役割
チューターという役割はまだ試験的に導入された制度であり、弊社ではその具体的な役割は明確に定義されていません。そのため、各チューターがそれぞれの考え方で新人と向き合い、自分なりのスタンスを模索していく必要があると感じました。
私自身はこの役割を上司ではなく、「歳の近い先輩社員」あるいは「メンター」のような立ち位置として捉えました。評価や指示はインストラクターの役割であり、自分は新人にとって気軽に相談できる相手でありたいと考えたためです。
また、チューターという役割は新人を支援するだけでなく、自分自身が「教える側の経験」を積む機会でもあると感じました。将来的にインストラクターやチームリーダーといった立場に立つことを見据え、自分以外のタスクにも目を配る意識やチーム全体の課題を継続的にフォローする力を身につける上で有意義な経験だったと考えています。

1.2. 自分なりのチューター像
チューターとしての役割で意識的に大切にしていたのが「新人だった頃の自分の感覚」です。
社会人歴を重ねるにつれて業務に対する理解や技術が向上し、かつて苦労していたことも自然と対応できるようになります。しかしその一方で新人との間には前提知識や感じている難しさに大きなギャップが生まれます。
だからこそ自分が新人だった頃の感覚を持ち続け、同じ目線で支援することが、チューターに求められる重要な役割であると考えました。

2. チューターとして心がけたこと
ここからは、実際にチューターとしてどのようなことを意識して新人と向き合ってきたのかについて紹介します。

2.1 立場が持つ圧力を理解する
上司という存在に対して、「少し怖い」と感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
もしそう感じなかったとすれば、それは上司側が意識的にそう思わせないよう努力している結果なのかもしれません。
どれだけ温厚で優しい人であっても、立場が異なるだけでその発言や行動には少なからず圧力が伴います。
私自身、新人時代に指導して頂いていた三歳年上のインストラクターとは関係性も良く、丁寧に指導して頂いていました。 それでもなお「必要以上に気を遣ってしまう」「自分の考えに自信が持てない」「少し緊張してしまう」と感じる場面は少なくありませんでした。
こうした経験から、チューターとして関わる際には立場によって生まれる圧力を前提とし、できる限りそれを和らげる行動を意識しました。

2.2. 先輩の万能感を崩す
先輩という存在は、どこか「何でも出来る人」に見えてしまうものです。 それに比べて自分は何もできない。このまま働いていけるんだろうか...。新人の頃はそんな不安を感じていました。
だからこそチューターとして関わる際には、先輩が持つ「万能に見えてしまうイメージ」を和らげることを意識しました。 具体的には以下のようなことを心がけました。
- 自分の失敗談を共有する
- 新人当時のリアルな心境を伝える
- 過度に自分を良く見せず、等身大の自分として接する
先輩も決して万能な存在ではなく、ただの一人の人間であると感じてもらうことで、新人の不安を和らげることができると考えました。

2.3. 見守る姿勢
日常的なコミュニケーションとして、Slack 等でリアクションを欠かさないようにしていました。 どんなに小さな発信でも反応を返すことで、「ちゃんと見てもらえている」「自分は 1 人ではない」という安心感につながると考えました。
また、タスクが停滞していそうな時や、知らなさそうな情報が出たタイミングで声をかけるよう意識していました。 必要な時に寄り添うことで、安心して相談できる環境を作ることを意識しました。
一方ですぐに答えを提示するのではなく、一緒に考える時間を大切にするよう心がけました。 自分で考え、乗り越える経験が成長につながると考えたためです。

2.4. 適切な距離感
距離感の取り方は非常に難しく、近すぎても遠すぎても良くないと感じています。 相談しやすい関係性を構築することは重要ですが、一方で新人との距離を適切に保つことも大切だと考えました。
そこで、距離が近くになりすぎないよう、以下の点を意識しました。
- 必要以上に話しかけすぎない
- プライベートに踏み込みすぎない
- 砕けた口調になりすぎない
一方で距離が遠くなりすぎないよう、以下の点も心がけました。
- 聞くだけでなく、適度に自己開示を行う
- 相手の発言を否定せずに受け止める
- 話をしっかりと聞く
- 定期的に 1on1 を実施する(後述)

2.5. 定期的な 1on1
月に一度、定期的に 1on1 の時間を設けて対話を行いました。 技術的な内容、社内業務、人間関係のような硬めの相談も扱いつつ、関係構築のための雑談を中心に進めることを意識しました。
また、時には昼食に誘ったりおやつを用意したりすることで、少しでもリラックスして話せる場を作る工夫も行っていました。
自身としても、プライベートで傾聴や 1on1 に関する書籍を読み、積極的にフォローアップ能力を高めることを意識しました。
これまで傾聴してもらう立場でいることが多かったため、実際に傾聴する側に回ってみると、その難しさを強く実感しました。 相手の話を引き出し、適切に受け止めることの難しさを学ぶ貴重な経験となりました。

3. 実際に新人本人に聞いてみた
自分の関わり方がどのように受け取られていたのか知るために、新人本人にインタビューしてみました。

3.1. チューターがいて助かった場面
実際にどのような場面でチューターの存在が役立っていたか聞いてみたところ、以下のような声がありました。
- 質問そのものよりも「質問になる前」の段階での壁打ちしてくれる
- 抽象的な状態でも相談できる
- インストラクターの説明で理解が追いつかない部分をこそっと補足してくれる
抽象的な質問の気軽な壁打ちや、知識のギャップを補足で埋める等、「インストラクターと新人の間をつなぐ役割」を担えていたように感じました。

3.2. 行動・心理への影響
行動や心理的にどのような影響があったか聞いてみたところ、以下のような声がありました。
- Slack で発言した際にいつもリアクションしてくれる
- 発言が苦手でも「見てもらえている」と感じることができ、安心感につながる
- リアクションという小さな反応でも、業務を遂行する上で心理的負担が軽減される
- 自然に適切な声掛けをしてくれる
- 少し力を抜いて話せるような空気作りをしてくれる
- 失敗談の共有など
- 新人の成果発表会等でコメントを残してくれて嬉しかった
日常的な小さなコミュニケーションの積み重ねが、心理的負担の軽減や、発言へのハードルを下げることにつながっていたようで、とても安心しました。

3.3. 距離感・関係性
距離感や関係性に関して聞いてみたところ、以下のような声がありました。
- フランクな雰囲気で、気軽に接することができる
- 良い意味で上司っぽくなく、並走してくれる存在
- 業務連絡でも形式ばり過ぎておらず、緊張せずにやり取りできる
新人にとって気軽に相談できる相手を目標像としていましたが、そうした関係性を築くことができていたように感じました。

3.4. インストラクターとの違い
インストラクターとチューターの違いに関して聞いてみたところ、以下のような声がありました。
- インストラクターと比較し年齢が近く、質問するハードルが高い自分にとって、より気軽に質問しやすい
- 年齢が近いこともあり、新人の頃の感覚に寄り添って関わってくれる
年齢の近さによる心理的な距離の近さが、相談や質問のしやすさにつながっていたように感じました。
(もちろんインストラクターの方の指導があって業務理解が進んでいる前提があり、その上でチューターが「気軽に相談できる側面」を補完する役割として機能していたのではないかと感じています。)

3.5. 新人から見たチューターの存在価値
チューターの存在価値について聞いてみたところ、以下のような声がありました。
- 質問するハードルが高い人にとっては非常に助かる存在
- 気軽に接することができる相手がいることで、安心して業務に取り組める
このような声から、単なる業務支援に留まらず心理的なハードルを下げ、安心して働ける環境を作る存在として価値があると感じました。

4. まとめ
ブログを執筆するにあたって前章で新人本人にインタビューしてみましたが、色々褒めてもらえて自己肯定感が上がりますね。
(部下に褒めさせたみたいな形になってしまいましたが、良好な関係性を築けているはずなので本心だと信じます。)

4.1. チューターから見たチューターの存在価値
チューターの存在価値について、私自身でも考えてみました。
ここまで執筆して改めて感じたのは、「人によって正解が異なる」という点の難しさです。 極端な話ですが、心理的なハードルをあまり感じていない新人にとっては、必ずしもチューターの存在が必要とは限らないかもしれません。 また、インストラクターがチューターの役割まで担える環境であれば、同様にチューターの必要性は薄れることもあると思います。
その一方で、誰かに気軽に相談できる環境や、安心して挑戦できる関係性が求められる場面においては、チューターという存在が大きな価値を発揮するのではないかと感じました。

4.2. チューターを経験して得た学び
社会人 3 年目の当時の私にとって、最も大きな成長のきっかけとなった経験を挙げるとすれば、間違いなくチューターとしての経験です。
これまでの私は、自分のタスクを確実にこなすことに意識が向いていましたが、チューターとして関わることで管理側の視点で物事を見る機会が増えました。 その結果、「チーム全体をどう支えるか」「相手がどのような状態にあるのか」といった視点を持つようになり、見える景色が大きく変わりました。
また、相手の状況を理解しながらフォローすることの難しさと、小さなコミュニケーションを積み重ねる重要性を改めて学びました。
こうした経験を通じて、考え方や視野の広さが大きく変化したと感じています。 今後もこの経験を活かして、チーム全体に貢献できるような関わり方を意識していきたいと考えています。
