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    文系出身の新卒インフラエンジニアがAWS認定資格取得を始めた理由とふりかえり

    はじめに

    はじめまして。NRIネットコム2025年入社の三浪です。

    私は文系出身で、入社時点ではITに関する知識はほとんどありませんでした。入社後に資格取得や学習を重ね、現在はインフラエンジニアとして、主にAWSを用いた設計や開発に携わっています。

    「AWSに興味はあるけれど、どこから勉強すればよいかわからない」

    私自身も、AWSを業務で扱い始めた当初は右も左も分からない状態でした。そうした状況の中で学習に取り組み、4ヶ月間でAWS認定資格を4つ取得しました。

    このブログでは、AWS資格取得に取り組んだ背景や学習の進め方、文系・未経験の立場で感じた課題をまとめています。これからAWSの学習を始める方にとって、ひとつの参考になれば幸いです。

    資格取得を目標とした理由

    前述の通り、入社したての私はAWSに関する知識がほとんどありませんでした。 ネットでAWSについて検索してみたものの情報量が多すぎてどこから手を付ければいいかわかりませんでした。

    そこで、

    • 学ぶべき概念が明確で、出題範囲が整理されている
    • 学習の進捗が合格という形で可視化される
    • 体系的に学べる

    という理由で「資格」を学習の起点にし、AWSの勉強を進めました。

    受験したAWS認定資格

    学習順 資格 概要 受験月
    1 CLF AWSの全体像とクラウドの基礎(主要サービスの役割・料金・責任共有モデル) 2025/07
    2 SAA AWSでシステムを設計するための基本(冗長化・バックアップ・セキュリティ設計) 2025/09
    3 SOA AWS運用の基本(監視・ログ設計・トラブルシュート・自動化/IaC) 2025/09
    4 DVA 開発者視点でのAWS活用(サーバーレス・CI/CD・権限/IAM) 2025/11
    5 SAP AWSの高度な設計判断(複雑要件でのトレードオフ・移行/ガバナンス) 2025/12

    各AWS認定資格を受験した後は、以下のように感じ方が変わりました。

    Cloud Practitioner(CLF)— 入門

    クラウドの利便性を自分の言葉で説明できるようになり、AWSの主要サービスが「何のためにあるのか」も整理できました。全体像がつかめたことで、以降の学習で知らないサービスに出会っても「これはどの領域の話か」を判断しやすくなりました。

    Solutions Architect – Associate(SAA)— 設計

    冗長化やバックアップ、基本的なセキュリティ設計など、システムを止めないための設計思想を身に付けることができました。選択肢が複数ある設問でも、「要件に対してどれが妥当か」を理由付きで考える習慣が今後の学習に大いに役に立ちました。

    SysOps Administrator – Associate(SOA)— 運用

    運用の視点が増え、監視やログ設計を「何を観測し、どう検知するか」から考えられるようになりました。また、IaC(Infrastructure as Code:インフラをコードで管理する考え方)の必要性も実感しました。

    Developer – Associate(DVA)— 開発

    開発者視点でAWSを捉えられるようになり、サーバーレスやCI/CDの前提を理解できました。特にCI/CDは、概念として知るだけでなく、検証環境で実際にパイプラインを構築・実行できるようになりました。

    Solutions Architect – Professional(SAP)— 上位設計

    複雑な要件での設計判断や、要件を満たす選択肢が複数ある中でコストや運用面まで含めて最善の選択肢を選ぶ重要性を痛感しました。

    これまでの資格は順調に合格できましたが、SAPについては結果は不合格でした。ただ、課題を認識できたことは大きな収穫でした(詳細は後述の「感じた課題」にまとめています)。

    学習法

    ここでは、4ヶ月で4つの資格に合格するまでに実際にやっていたことを、知識面(インプット)と行動面(習慣化・実機での定着)に分けてまとめます。学習時間の目安としては、平日30分〜1時間、休日2〜3時間をベースに進めていました。

    知識面(インプット・アウトプットの進め方)

    知識をつけるという観点では以下のような流れで行っていました。

    1. 公式の試験ガイドに目を通す
    2. 教材(オンライン学習サービスなど)を使用して模擬試験を受ける
    3. 理解が浅いサービスを復習する

    最初に公式の試験ガイドで出題範囲と登場サービスを押さえ、学習の全体像を作りました。

    次に模擬試験を使って自分の理解が浅い領域を炙り出し、間違えた問題を起点に復習していく、という流れで学習していました。

    復習は、まず解説記事で概要を掴み、必要に応じてAWS公式ドキュメントなどの一次情報で補強していました。 記事だけでは整理しづらい場合はAIにも質問しましたが、参照先を公式ドキュメントに限定して根拠URL付きで要点をまとめ、曖昧さを潰してから次の模擬試験に戻るようにしました。

    行動面(習慣化・実際に手を動かした理解の定着)

    行動面で意識したのは次の2点です。

    1. 学習を習慣化する
    2. 出題範囲のサービスに触れる

    習慣化については、通勤電車で数問だけ模擬試験を解く、趣味である筋トレの休憩時間に試験でよく出るサービス名と設定を思い出すなど、既存のルーティーンに学習を紐づけるようにしていました。

    また、配属直後に先輩社員から与えられたAWS学習課題で扱ったサービスや設計が試験にも出ることが多く、実際に手を動かすことが理解と定着に直結することを学びました。

    例えばCloudFormation(CFN)で環境を作ってみたとき、テンプレートを直して再デプロイするだけで構成を再現できることや、複数のリソースを一度に作成・削除が行えることから、IaCの利便性を実感しました。

    同じように、DVAの学習では検証環境でCI/CDを一度組んで動かしてみたことで、ビルド〜デプロイの流れや権限まわりの動作を理解することができました。

    ふりかえり

    学習の成果

    資格取得を通じて知識を身に付けるという観点以外で得た成果は以下の2点です。

    1. AWSを理解するための軸ができた
    2. 自己効力感の高まり

    「軸」については、あまり知らないサービスに触れるときに、

    • 設計するときはどのようなサービスと組み合わせるのか
    • 運用する際はどのように監視システムを作るのか
    • 開発で扱う権限はどのようなものが必要なのか

    といった観点で考えられるようになりました。

    また、情報系のバックボーンがなくても資格取得で得たAWS知識を軸にすると、先輩の話や業務の理解度が上がることを実感しました。 先輩方は設計や運用の会話で「なぜこの設定をするのか」を根拠をもって説明してくださるのですが、その根拠の理解を資格学習を通じて深めることができました。 これが資格取得で得た一番の収穫でした。

    自己効力感については、入社当時は「未経験の自分でもやっていけるのか」と不安でしたが、合格体験を積むことや周りからの声をきっかけに、「努力次第で理解できる」と思えるようになりました。

    感じた課題

    一方で課題もあります。前述のとおりSAPは不合格でした。

    これまで資格取得が順調だった分、「今回も同じようにいけるだろう」という慢心があったと思います。しかし学習を進める中で、これまでとは求められるレベルが明らかに違うことを痛感しました。

    表面的な理解ではなく、複雑な要件を踏まえた設計判断力がまだ足りません。また、要件の読み取り → 選択肢の比較 → 選んだ理由の言語化、という一連の精度も不足していたと感じています。

    そのため今後は、模擬試験を解く際に「選んだ理由」と「選ばなかった理由」まで言語化することを意識して取り組みます。

    さいごに

    「次こそは SAP 合格」を目標とし、複雑な要件でも理由を持って設計を選べるレベルまで成長していきたいと思っています。あわせて、伸び続けるAI 分野(生成AI・ML)の学びも進め、AWSのAI関連認定資格にも挑戦していきます。

    文系・未経験でも、小さな努力を積み上げれば景色は変わると実感しました。

    「AWSに興味はあるけれど、どこから勉強すればよいかわからない」

    そう思ってこのブログを読んでくださった方の背中を、少しでも押せていたら嬉しいです。

    執筆者:三浪 亮成 システムエンジニア