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Cookieレス時代の正攻法、GA・BigQueryを活用したマーケティング事例のご紹介

Cookieレス時代に向けて自社データの活用が急務となっています。自社データ活用事例とDMP構築事例、データ活用プロジェクトの進め方をご紹介するウェビナーの開催レポートです。

ウェビナーレポート Cookieレスにどう対応する?

本記事はNRIネットコム Advent Calendar 2021 10日目の記事です。
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はじめまして、皆葉です。普段はお客様のデジタルマーケティング活動を企画・施策実行など各フェーズに合わせてご支援しています。今回はテックとは少し遠いですが、過日(12/8)に開催したウェビナー内容を少しご紹介したいと思います。

「Cookieレス時代の正攻法、GA・BigQueryを活用したマーケティング事例」というタイトルでウェビナーを開催しました。

このウェビナーでは事例を2つご紹介しました。1つ目は「CRMデータとリコメンドツールを活用したコンバージョン最大化」。2つ目は「トライアルから課題の顕在化、マーケティング環境構築まで」。

こちらの記事では各事例のサマリーとデータ活用プロジェクトでよくあるジレンマのお話をしていきます。

1. CRMデータとリコメンドツールを活用したコンバージョン最大化

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BtoCを手がけるお客様の課題は離脱抑止とクロスセルでした。CRMデータ*1やGAデータなど自社データ活用によるOne-To-Oneのリアルタイム接客を実現し、それらの課題を解決した事例をご紹介しました。

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ウェビナーの中で紹介した仕組みは2つあるのですが、その内の1つをご紹介いたします。GAの閲覧データから自動でリマインドするポップアップを表示させる仕組みを作りました。この仕組みはあるユーザーが前日にサービス紹介ページを閲覧すると、次の日に前日閲覧したサービスがポップアップにNEWという表示とともにリコメンドされます。もちろんコンバージョン(以下CV*2)ポイントも設けており、例えばポップアップから実際に契約に至った場合、次の日は表示しないといった制御も実現しております。

KARTE*3のポップアップが表示・クリックされたときに、GA側のイベントとして計測できるように設定しています。そうすることで施策担当者の方はデータポータル*4のレポートを1つ見れば、各サービスがどれくらい表示されて、どれくらいクリックされているかわかるような環境を構築しました。

顧客のコンテキスト*5に合わせた情報の出し分けは非常に有効です。今回作った仕組みは閲覧したサービスページに飛ばすというものでした。今後はオンライン上のデータやスコアリング*6管理などをしていくことで、顧客の検討ステージに合わせてより高度なコンテンツ誘導もできるのではと考えております。

2. トライアルから課題の顕在化、マーケティング環境構築まで

データ活用においてDMP(Data Management Platform)構築は1つの形だと考えていますが、DMPは作って終わりという世界ではありません。あくまで作ったDMPという環境を活用して、いかにお客様へ価値を提供していくかが重要だと考えています。ウェビナーの中では構築に至るまでのプロセスと実際に構築した形をご紹介しました。

※DMP構築に至るまでのプロセスや求められる機能は企業によって異なりますので、以下のシートはあくまで参考事例として捉えていただければ幸いです。

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DMP構築まで3つのステップがあります。STEP1では複数のサイトを横断して計測、分析できるように計測整備を実施。また、個人識別IDを付与することで、社内データとの紐づけ・分析を可能にします。STEP2ではどのチャネルがCVに一番貢献しているか集計・評価を実施。STEP3では、実態に基づき重点チャネルの絞り込みと、マーケティング環境に必要な要素の協議検討を実施し、3つの設計コンセプトを定めます。

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上記はSTEP3で整理した内容です。メールプロモーションの強化をマーケティング高度化のスタート地点と定義し、3つの設計コンセプトを定めました。右側のイメージ図を基にDMPの本格構想を練り、弊社AWSチームと連携しながら構築いたしました。コンテンツ設計部分の実現をするために、MarketoというMAツールを導入しています。(MAツール市場も拡大傾向にあり、非常に多くのツールが出てきております。MAツールの導入実績も多数ございますので、それはいつか記事にしていきたいと思います。)

メールプロモーションの強化を起点にDMP環境を構築、提供しましたが、あくまでスタート地点となります。お客様とは自動化や業務効率化、顧客満足度向上に向けたDMPの機能拡張についても協議、検討を継続しています。

3. データ活用プロジェクトの進め方とジレンマ

先ほどDMP環境を構築した事例をご紹介しましたが、実際どう使えるのか、どうやって作るのか、何から手をつけていけばいいのかといったお悩みをよく聞きます。また、現場担当者のジレンマとして、データ活用も環境構築もやりたいとは思っているが、上層部への説明および予算取りがなかなか難しいというお話を伺ったこともあります。

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ネットコムの答えとしては小さくはじめて大きく育てていくという進め方を推奨しています。最初からDMPの構築をしようとしても開発費用だけが膨大にかかり、実際データを活用しようとしてみてもうまくできないといった状況に陥ってしまいます。先ほどの上層部への説明にあたり、ファクトとなる数字や実績がないと進みが遅くなってしまうというケースがよくあります。先を見据えつつ、PoCで目の前の課題を解決しながら成功体験と実績を積み上げ、少しずつ前へ大きく育てていくことでデータ活用プロジェクトは進んでいくと考えています。

また、PoCを実施することで現環境の課題も見えてきます。現環境の課題が見えないままDMP構築に進むのはかなりリスキー(実はデータがなかった、開発が必要だった、連携してみても意味がなかった...などの失敗の元)です。PoCに関して強みがございますので、お気軽にご相談いただければと思います。(すみません、少し営業のようになってしまいました。)

まとめ

ウェビナーのサマリーをご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。もし詳細が気になる、話を聞いてみたい、ちょっと相談してみたい方がいらっしゃればこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

ちなみにネットコムでは定期的にウェビナーを実施しています。気になる方はこちらのチェックをお願いいたします!また、過去実施したウェビナーについては公式のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひこちらもチェックしてください!

執筆者皆葉京子

デジタルマーケティングコンサルタント。
Webディレクターの経験もあり、Webサイトの構築・分析、マーケティング施策の実施、マーケティングツールの導入など幅広くご支援しています。


  • 本記事の文中・写真に掲載された会社名および製品名は、各社の商号、商標または登録商標です。

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注釈:

*1:Customer Relationship Managementの略で、顧客情報(顧客の氏名、電話番号、メールアドレス等の基本的な情報と契約の有無等の顧客のステータス情報)を管理するためのツールやシステムのことを指します。
代表的なブランドはSalesforceやHubSpot CRM等。

*2:コンバージョンとは、サイト訪問者に対し目標とする行動が起きたときのことを表すWebマーケティング用語です。例えば、新規会員獲得に向けた施策をしていた場合、訪問者が会員登録をするとコンバージョンしたことになります。こういった目標達成したかどうかの指標のことをコンバージョンと言います。

*3:PLAID社の提供しているポップアップを表示させるツールです。通称CXツール。
https://karte.io/

*4:Google社の無償で提供するBIツール。
BIツールとは、Business Intelligenceの略で、データを表やグラフなどを用いて視覚化するために使うツールです。代表的なツールは、Googleデータポータル、Tableau、Power BI等。

*5:コンテキストとは文脈のことです。ここでいうコンテキストは、サイト訪問者が訪問時に目的としていることと読み捉えてください。

*6:スコアリングとは、MAツールの用語で顧客情報や行動情報に対し点数化し、その顧客がどれくらい興味関心度が高まっているか、あるいはこちらから優先度を高めてアプローチするべきか判断するために使う指標です。例えば、サイトに訪問したら+1点、お問い合わせしたら+5点、メールを開封していないようであれば-3点...といったような形で加算・減算しながら使っていきます。