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AWS Trusted Advisor feat. AWSサポート(問い合わせTips)

本記事は  わた推し~AWSアワードエンジニア編~  5日目の記事です。
💻  4日目  ▶▶ 本記事 ▶▶  6日目  💻

こんにちは。秋田県出身の丹(たん)です。
先日、2022 APN AWS Top Engineers に選出されました。

今回はNRIネットコム、2022 Japan APN Ambassadors / Top Engineers / ALL Certificate Engineers による「わた推し」シリーズです。

私は「推し」AWSサービスとして「AWS Trusted Advisor」を紹介したいと思います。
「推し」である「AWS Trusted Advisor(以下、Trusted Advisor)」の紹介といいながら、Trusted Advisor との関係性が強い「AWSサポート(以下、AWS Support)」をフィーチャリングした内容となります。

本記事の構成について

本記事は以下の2部構成でお送りします。

  • 第1部「AWS Trusted Advisor」: 「推し」AWSサービスである Trusted Advisor の紹介
  • 第2部「AWS Support」: AWS Support の紹介とサポートケースを起票して問い合わせを行う際のTips

Trusted Advisor の全機能を利用するためには、AWS Support のサポートプランが「ビジネスサポート」以上である必要があります。 そのため、Trusted Advisor を利用する上では、AWS Support についてサポートプランの種類を把握しておく必要があります。 Trusted Advisor に関わる AWS Support のサポートプランについては第1部の中でも紹介します。

Trusted Advisor の機能や見方について知りたい方は第1部をご覧ください。
AWS Support のサポートプランについて、料金体系や各プランのサービス提供内容、問い合わせを行う際のTipsを知りたい方は第2部をご覧ください。

第1部「AWS Trusted Advisor」

Trusted Advisor とは

みなさん、Trusted Advisor を利用したことはありますか?
Trusted Advisor とは、5つのチェックカテゴリにおいて、AWS利用者が AWS のベストプラクティスをフォローするためのレコメンデーションを提供してくれるサービスです。

  • コスト最適化
  • パフォーマンス
  • セキュリティ
  • 耐障害性
  • サービス制限

AWS Trusted Advisor

AWS Trusted Advisor の仕組み

各チェックカテゴリにおいて、対応や調査が推奨される項目を色分けして表示してくれます。

【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Trusted Advisor
https://d1.awsstatic.com/webinars/jp/pdf/services/20180711_AWS-BlackBelt_TrustedAdvisor_public.pdf

対応や調査の推奨度

ただし、AWSアカウントを作成して最初から Trusted Advisor の全機能を利用できるわけではありません。 どの機能を利用できるのか、どうすれば全機能を利用できるのか見ていきましょう。

Trusted Advisor で利用できる機能
(AWS Support のサポートプランによる違い)

Trusted Advisor では AWS Support のサポートプランに関わらず、以下の一部機能が利用可能です。

  • 【セキュリティ】カテゴリの一部チェック項目
  • 【サービス制限】カテゴリ

【セキュリティ】カテゴリの一部チェック項目については、以下のチェックリストに(無料)と表示されています。
AWS Trusted Advisor のベストプラクティスチェックリスト - アマゾン ウェブ サービス

  • セキュリティグループ – 特定のポートの無制限アクセス(無料)
  • AWS IAM の使用状況(無料)
  • Amazon S3 バケットのアクセス許可(無料)
  • ルートアカウントの Multi-Factor Authentication(無料)
  • Amazon EBS パブリックスナップショット(無料)
  • Amazon RDS パブリックスナップショット(無料)

ベーシックサポートプランでの Trusted Advisor「セキュリティ」チェック

一方で、せっかく Trusted Advisor を利用するのであれば全機能利用したいと考えます。
では、どうすれば Trusted Advisor の全機能を利用できるのでしょうか。
そのためには、AWS Support のサポートプランを「ビジネスサポート」または「エンタープライズサポート」にする必要があります。
デフォルトのサポートプランは「ベーシックサポート」です。

料金 - AWS サポート | AWS

AWSサポートプランと料金

2021年11月より「エンタープライズサポート On-Ramp*1」が新しいサポートプランとして提供されています。このサポートプランも Trusted Advisor の全機能を利用できるようになります。

2022年の Trusted Advisor サービスアップデート

2022年1月に、AWS Trusted Advisor が AWS Security Hub と統合されました。 本サービスアップデートにより、今まで AWS Security Hub(以下、Security Hub)と Trusted Advisor でそれぞれ表示されていたセキュリティ上の警告が Trusted Advisor でまとめて確認することができるようになりました。

aws.amazon.com

実際に Trusted Advisor のセキュリティチェックを見てみましょう。

ビジネスサポートプランでの Trusted Advisor「セキュリティ」チェック

例として、赤枠で囲んだチェック項目が Security Hub から抽出されている項目となります。「Security Hub コントロールで」という記載があります。
青枠で囲んだチェック項目が元々 Trusted Advisor で表示されている項目です。

本サービスアップデートにより、Trusted Advisor を確認するだけで、まず最初にセキュリティ面で何を気にするべきか分かりやすくなりました。ぜひ、Trusted Advisor からAWSアカウントのセキュリティベストプラクティスをチェックしてみてください。

ここで Trusted Advisor での Security Hub から抽出された項目の確認方法についても見ていきたいところですが、今回は割愛して別の機会に紹介したいと思います。

ここまで、Trusted Advisor の基本的なサービス内容と Security Hub との統合について紹介してきました。 AWS Support との関係性についても知ることができました。第2部では AWS Support について紹介していきたいと思います。

第2部「AWS Support」

AWS Support とは

みなさん、AWS Support を利用したことがありますか?

AWS Support とは、AWSのエンジニアが「24時間365日」「日本語」でAWS利用者を技術的に支援してくれる問い合わせ窓口です。 (サポートレベルにより対応時間が異なり、お問い合わせ言語として English を指定すると英語での回答も得られます)

AWS Support コンソール(AWSサポートセンター)には、AWSマネジメントコンソールのグローバルナビゲーションに表示されている「?」アイコンから移動できます。

AWSサポートセンター

現在のサポートプランは、AWSサポートセンターの左上に表示されている「サポートプラン」から確認することができます。

AWSサポートプラン

デフォルトは「ベーシックサポート」です。サポートプラン横の「変更」よりサポートプランを変更することができます。
※AWSサポートプランの変更は、ルートアカウントでの操作が必要となります
(IAMユーザーで操作している場合以下の表示が出ます)

AWSサポートプランの変更

AWS Support をAWSマネジメントコンソールのどこから利用できるのか、どのように現在のサポートプランを確認するのか見てきました。 続いてAWSサポートの料金体系や問い合わせ方法について紹介していきます。

AWS Support の料金体系や問い合わせ方法

サポートプランと料金体系

AWS Supportのサポートプランは5つあります。AWSアカウントを作成した時点では「ベーシックサポート」の状態です。

  • ベーシック
  • デベロッパー
  • ビジネス
  • エンタープライズ On-Ramp
  • エンタープライズ

[AWS Black Belt Online Seminar] AWSサポート技術支援サービス紹介
https://d1.awsstatic.com/webinars/jp/pdf/services/20200616-AWS-BlackBelt-AWS-Support_fixed.pdf

AWSサポートのラインナップ(2020年時点)

2021年11月より「エンタープライズサポート On-Ramp」が新しいサポートプランとして提供されています。

各サポートプランのサービス内容の違いについて知りたい方は、AWS Support プラン比較を参照ください。

デフォルトの「ベーシックサポート」以外のサポートプランは有償となります。
月の途中から有償のサポートプランに加入した場合、日割りの請求金額で請求が発生します。

  • デベロッパー: 最低$29.00
  • ビジネス: 最低$100.00
  • エンタープライズ On-Ramp: 最低$5,500
  • エンタープライズ: 最低$15,000

料金表の通り、上記最低料金またはAWS利用料に従って計算されたサポート料の高い方が請求金額となります。

料金 - AWS サポート | AWS

AWSサポートプランと料金

AWS Support 問い合わせ方法

AWSサポートセンターからケースを作成すると、サポートケースを3種類の中から選択できます。

  • ①アカウントおよび請求サポート(カスタマーサポート)
  • ②サービス制限の緩和
  • ③技術サポート

ビジネスサポートでのAWSサポートケースの作成

①アカウントおよび請求サポート
本窓口はカスタマーサポートと呼ばれ、AWSアカウントや請求に関する問い合わせを行いたい場合に選択します。
AWSアカウントを単体で利用している場合は、利用しているアカウントからアカウントや請求に関する問い合わせを行うことができます。
ただし、AWS Organizations の一括請求機能を利用している場合、メンバーアカウントからアカウントや請求の問い合わせを行っても、AWSカスタマーサポートより親アカウントである管理アカウント(請求アカウント)から問い合わせを行うよう案内があります。
問い合わせ方法については、AWSカスタマーサービスへのお問い合わせ方法を参照ください。

②サービス制限の緩和
サービス制限(クォータ)の上限を緩和したい場合に選択します。
2022年時点では多くのAWSサービスが「AWS Service Quotas」というサービスから上限緩和の申請ができるようになっていますが、一部 AWS Support の「サービス制限の緩和」から上限緩和の申請が必要となります。

③技術サポート
AWSサービスの技術に関して問い合わせを行いたい場合に選択します。AWS Support においては、この技術サポートを利用することが多いと思います。
①~③に共通する問い合わせ方法については、AWSサポートへのお問い合わせ方法を参照ください。

AWS Support の問い合わせ方法が分かったところで、AWS Support へ問い合わせを行う際のTipsを紹介したいと思います。

AWS Support 問い合わせTips

技術的なお問い合わせに関するガイドライン

AWS Support へ問い合わせを行う前にはまず、「ガイドライン」を参照しましょう。

aws.amazon.com

  • 全般的な留意事項
  • 解決したい課題を明確にする
  • 状況を正確に共有する
  • 経緯を共有する
  • その他の TIPS
  • ご案内が難しいご質問
  • お客様からの評価
  • 課題が解決した際のお願い

ガイドラインで紹介されているどのポイントも重要ですが、
例えば、「解決したい課題を明確にする」ポイントでは解決したい課題を明確に記載する際の悪い例/良い例が紹介されています。

AWSサポートで解決したい課題を明確に記載するための例

ガイドラインに記載されているポイントを意識することで、AWSサポート窓口と疑問点の解消に向けて円滑にやり取りすることができます。

ガイドラインに記載されている内容以外にも、経緯を共有する際には具体的にどのAWS公式ドキュメントを参照して調査を行ったのか、ドキュメントURLと共に共有することも大事です。
英語のAWS公式ドキュメントが最新版であり、日本語のドキュメントには載っていないけれど英語のドキュメントには載っている情報もあります。日本語/英語両方のドキュメントを確認しましょう。

小西さんのブログ記事でもAWSドキュメントは英語表示で読むことをお勧めしています。

AWSドキュメントのすゝめ −AWSを主体的に自立して学習する方法− - NRIネットコムBlog

私も実際にAWSサービスを実行した内容とAWSドキュメントの内容が異なることを見つけたことがあり、AWSサポートに問い合わせると内容が追いついていなかったということが何回かありました。 特にAWSドキュメントの日本語表示の場合には翻訳の関係でよくあることなので基本的にAWSドキュメントは英語表示で読んだほうがいいでしょう(日本語で読みたい場合はAWSドキュメントを英語表示にした上でブラウザの翻訳機能等を使うのも良いと思います)。

その他問い合わせTips

AWS Support のサポート窓口とより円滑にやり取りするためのTipsを最後に紹介します。

  • 緊急度を適切に設定しながら急いでいる背景を伝える
  • サポート窓口の方でサポートケースを認識してもらうために電話・チャットを活用する

AWS Support でも問い合わせの量が多く、サポート窓口が混雑している場合があります。
サポートケースを作成してから初回の応答までの時間が定められています。

よくある質問 - AWS サポート | AWS

Q: 応答までにどれくらいかかりますか?

最初のご連絡までの応答時間は、それぞれのケースでお客様が選んだ緊急度によって異なります。以下の時間内に応答できるよう、できるだけの対応を行っています。

それでもやはりサポート窓口の混雑状況によっては、初回応答までに時間がかかる場合があります。さらに何度かサポート窓口とやり取りをして一度ケースを解決したけれど、追加で同じケース内容について問い合わせを再開したいことがあります。この場合、初回応答に該当しないため問合せ内容をサポート窓口に認識してもらうまで時間がかかる場合があります。

このような場合に最適な選択は何か AWS Support へ聞いたことがあります。(もちろん技術的な問い合わせと共に質問しました)
結論としては、ガイドラインの「電話と Chat 利用時の留意点について」にも記載の通り、状況に合った緊急度を指定した上で急いでいる背景等も共有することです。

電話や Chat は、会話中に問題の解決をお約束するものではありません。また、問題解決までの時間を早めるものでもありません。問題解決までに期限がある場合は、ケース起票時に適切な緊急度を指定いただき、サポートケース上で緊急度の背景や期限について補足いただくことがベストプラクティスです。

また、電話・チャットでのお問い合わせは既存のケースでも行うことが可能なため、ケースの緊急度の変更など差し迫った状況ではこちらも活用するのが良いようです。
電話・チャットについては、「ビジネスサポート」以上のサポートプランで利用することができます。

AWS Support コンタクトオプション「電話」

適切な緊急度を指定して、状況に応じた問い合わせ方法を活用することで AWS Support とより良いサポート環境を築きましょう。

まとめ

  • 第1部「AWS Trusted Advisor」: 「推し」AWSサービスである Trusted Advisor の紹介
  • 第2部「AWS Support」: AWS Support の紹介とサポートケースを起票して問い合わせを行う際のTips

「わた推し」AWSサービスである「AWS Trusted Advisor」と関係性が強い「AWSサポート」に焦点を当てて紹介をしてきました。

私はAWS構築や運用支援の他にも、AWSオンライン技術サポートも含むAWSアカウント管理サービス(支払い代行)の提供に携わっています。

www.nri-net.com

そういった背景もあり、日頃から「AWSサポート」にはお世話になっています。
お客様のAWSに関する疑問に対して弊社から直接情報を提供したり、AWSサポートに問い合わせをしながら解決に向けてサポートを行っています。
ビジネスサポートプランを利用するため、「AWS Trusted Advisor」もご利用いただけます。

AWSに関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

来週も「わた推し」続きます。

執筆者丹勇人

2022 APN AWS Top Engineer
AWSアカウント管理サービス(技術サポート/支払い代行)、AWS組織アカウント管理支援、AWS構築運用作業支援等、AWSに関わる業務を行っています。